◇第百四十九話◇戦場の天使は剣を振るう
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世界で最も内側にある壁の上に、ルーカスはいた。
ストヘス区内門の壁上からは、血染めの戦場がよく見えた。
人類のためか、己のためか、命を懸ける集団がそこにいた。
これが、兵士達の戦う姿なのかー。
だからといって、考えが変わるわけではない。
でも、ただただ、これが兵士の戦いなのかと思った。
その中から天使の姿を見つけるのはとても簡単だった。
幸せになるために着たはずの真っ白なウェディングドレスはボロボロに破れ、彼女が空を飛ぶ度に真っ赤に染まっていく。
せっかく、王族の親族の男が、一生幸せにすると言っているのに、絶対に守ると、こんなにも愛しているのにー。
それでも、巨人と戦うことしか教えてくれないような男を選ぶのか。
本当に馬鹿な女だと思う。
でも、どうしてだろう。
思い出してしまうのだ。彼女が言っていた言葉をー。
『リヴァイ兵長は、私に自由に空を飛ぶ翼をくれたの。
自由には責任も伴うし、命懸けだけど、空から見る景色は最高だって知ってしまったら
もう地面には降りてこられない。そもそも空高く飛んでる私達の翼は誰にも折れない。』
翼とは白い天使の羽のことだったのだろうか。
でも、彼女が天使だということは、ルーカスだって知っていた。
だから欲しかった。
彼女の優しい微笑みとすべてを包み込むような愛、それがあれば、幸せになれると思ったのだ。
何でも手に入れてきたのに、何もこの手に残らなかった自分の人生も、少しは意味があるものになるんじゃないかとー。
(そりゃ、翼は折れないな。巨人の上を飛ばれちゃったらさ。)
ルーカスに苦笑が浮かぶ。
鎧の巨人は身体を鎧のように硬質な皮膚で覆われていて、超硬質スチールでは歯が立たなかったと聞いている。
だが、なまえが鎧の巨人の身体に沿って回転しながら切りつける度に、その硬質な皮膚が一枚一枚削がれているようだった。
あの鎧の巨人の皮膚をすべて削ぐ気なんじゃないだろうか、あの天使はー。
「どうだい、君の花嫁は。なかなか素晴らしい兵士だろう?
まるで戦場の天使だ。」
ピクシスがやってきて、どこか誇らしげに言う。
ルーカスは肩をすくめた。
「天使?悪魔の間違いじゃないのか?
せっかくの白いドレスも巨人の血で真っ赤に染まって、台無しだ。
あんな恐ろしい女はもう要らないよ。いつうなじを削がれるか分からない。」
「ほっほっ!そうじゃなっ!
それこそ、人類最強の兵士でなけりゃ夫婦喧嘩も出来んわいっ!!」
ピクシスが面白そうに笑った。
結婚式を台無しにした挙句、自分達を守らずに仲間のために巨人の元へ走った彼女を親族は許さないだろう。
これでもう本当に、さよならだ。
さようなら、愛した人。
さようなら、僕の天使。
さようなら、アイツしか見えてない君なんか、大嫌いだー。
だからどうかー。
ストヘス区内門の壁上からは、血染めの戦場がよく見えた。
人類のためか、己のためか、命を懸ける集団がそこにいた。
これが、兵士達の戦う姿なのかー。
だからといって、考えが変わるわけではない。
でも、ただただ、これが兵士の戦いなのかと思った。
その中から天使の姿を見つけるのはとても簡単だった。
幸せになるために着たはずの真っ白なウェディングドレスはボロボロに破れ、彼女が空を飛ぶ度に真っ赤に染まっていく。
せっかく、王族の親族の男が、一生幸せにすると言っているのに、絶対に守ると、こんなにも愛しているのにー。
それでも、巨人と戦うことしか教えてくれないような男を選ぶのか。
本当に馬鹿な女だと思う。
でも、どうしてだろう。
思い出してしまうのだ。彼女が言っていた言葉をー。
『リヴァイ兵長は、私に自由に空を飛ぶ翼をくれたの。
自由には責任も伴うし、命懸けだけど、空から見る景色は最高だって知ってしまったら
もう地面には降りてこられない。そもそも空高く飛んでる私達の翼は誰にも折れない。』
翼とは白い天使の羽のことだったのだろうか。
でも、彼女が天使だということは、ルーカスだって知っていた。
だから欲しかった。
彼女の優しい微笑みとすべてを包み込むような愛、それがあれば、幸せになれると思ったのだ。
何でも手に入れてきたのに、何もこの手に残らなかった自分の人生も、少しは意味があるものになるんじゃないかとー。
(そりゃ、翼は折れないな。巨人の上を飛ばれちゃったらさ。)
ルーカスに苦笑が浮かぶ。
鎧の巨人は身体を鎧のように硬質な皮膚で覆われていて、超硬質スチールでは歯が立たなかったと聞いている。
だが、なまえが鎧の巨人の身体に沿って回転しながら切りつける度に、その硬質な皮膚が一枚一枚削がれているようだった。
あの鎧の巨人の皮膚をすべて削ぐ気なんじゃないだろうか、あの天使はー。
「どうだい、君の花嫁は。なかなか素晴らしい兵士だろう?
まるで戦場の天使だ。」
ピクシスがやってきて、どこか誇らしげに言う。
ルーカスは肩をすくめた。
「天使?悪魔の間違いじゃないのか?
せっかくの白いドレスも巨人の血で真っ赤に染まって、台無しだ。
あんな恐ろしい女はもう要らないよ。いつうなじを削がれるか分からない。」
「ほっほっ!そうじゃなっ!
それこそ、人類最強の兵士でなけりゃ夫婦喧嘩も出来んわいっ!!」
ピクシスが面白そうに笑った。
結婚式を台無しにした挙句、自分達を守らずに仲間のために巨人の元へ走った彼女を親族は許さないだろう。
これでもう本当に、さよならだ。
さようなら、愛した人。
さようなら、僕の天使。
さようなら、アイツしか見えてない君なんか、大嫌いだー。
だからどうかー。