◇第百四十九話◇戦場の天使は剣を振るう
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ストヘス区の住人達の避難が終わって安心したのも束の間、少し前から、ストヘス区内に巨人が降ってくるようになった。
獣の巨人が、巨人を投げてよこし始めたようだ。
巨人化したエレンが鎧の巨人と格闘戦を交えている間、104期の新兵達と巨人化したユミル、憲兵は巨人の討伐をするしかなかった。
途中からアルミンの姿を見ていないことには、ジャンも気づいていた。
まさか食われたわけじゃー。
そんな不安もあったが、無事を確認する暇はなかった。
巨人まで投げてよこすようになったということは、外門を守るために戦っている調査兵団の精鋭達も苦戦しているということだ。
何といっても、獣の巨人が連れてきた巨人が大量すぎた。
あれをストヘス区の中に侵入させてしまったら人類は終わりだ。
だから、絶対に精鋭兵達がこちらに加勢することはない。
どうにか、自分達でー。
アニを憲兵団施設の地下から見つけたベルトルトを、鎧の巨人がアニごと口の中に放り込んでいる。
長く巨人化しすぎたせいで体力を消耗したエレンは、さっき、コニーがうなじから助け出したところだ。
比較的安全そうな建物の上に避難させてはいるが、もう動けそうにない。
鎧に覆われた身体を新兵や実戦経験の少ない憲兵達にはどうにもできない。
もうアニは奪い返せないかもしれないー、ジャンに諦めと絶望が過り始めたときだった。
頭上を白い翼が飛んで行ったのが見えた。
一瞬、死の間際の自分を天使が迎えに来たのかと思ってしまったが、大間違いだ。
自分達を窮地から救うために、戦場の天使が帰って来たー!
行く手を阻む巨人を空を踊るように討伐しながら、真っ白いウェディングドレスを真っ赤に染めていく彼女はー。
「よかった!間に合ったっ!!」
アルミンが建物の上に飛び降りて、ホッとしたように言う。
その隣に降りて、ジャンはアルミンの頭をグシャグシャッとする。
「よくやった、アルミン!!
いねぇと思ったら、なまえさんを呼びに行ってたのか!!」
「もうそれしかないと思って。戻るまで持たせてくれてありがとうっ!!」
帰って来たなまえの姿に気づいた104期の新兵達が、あちこちで歓喜の声を上げた。
ミカサでさえも、ホッとしたように息を吐く。
なぜかボロボロのウェディングドレス姿で巨人を討伐しまくるなまえに憲兵達は驚いていたが、それでも、彼女のおかげで戦況が変わりつつあることには気づいたようだった。
あっという間に鎧の巨人の元へたどり着いたなまえは、目にも留まらぬ速さで口の両端を削いだ。
そして、開いた口の中に恐怖せずに足を踏み込むと、ベルトルトとアニを繋いでいる紐を切った。
透明の石に包まれたアニが落ちていく。
それをすかさず、ミカサが受け取る。
「やったーーーッ!!やりましたよ!!!」
遠くからサシャの嬉しそうな声が聞こえてきた。
でも、本当に、まだ勝ったわけではないのに、歓喜の雄たけびを上げそうだ。
なまえが戦場に現れてほんの数分で、戦況は完全にひっくり返った。
あれほど、もう二度とアニは奪い返せないのかと諦めていたのが嘘のようだ。
ジャンとアルミンは、お互いに顔を合わせるとハイタッチを交わした。
勝機が見えてきたー。
いや、戦場の天使の凛々しい横顔には、勝利しか見えなかった。
獣の巨人が、巨人を投げてよこし始めたようだ。
巨人化したエレンが鎧の巨人と格闘戦を交えている間、104期の新兵達と巨人化したユミル、憲兵は巨人の討伐をするしかなかった。
途中からアルミンの姿を見ていないことには、ジャンも気づいていた。
まさか食われたわけじゃー。
そんな不安もあったが、無事を確認する暇はなかった。
巨人まで投げてよこすようになったということは、外門を守るために戦っている調査兵団の精鋭達も苦戦しているということだ。
何といっても、獣の巨人が連れてきた巨人が大量すぎた。
あれをストヘス区の中に侵入させてしまったら人類は終わりだ。
だから、絶対に精鋭兵達がこちらに加勢することはない。
どうにか、自分達でー。
アニを憲兵団施設の地下から見つけたベルトルトを、鎧の巨人がアニごと口の中に放り込んでいる。
長く巨人化しすぎたせいで体力を消耗したエレンは、さっき、コニーがうなじから助け出したところだ。
比較的安全そうな建物の上に避難させてはいるが、もう動けそうにない。
鎧に覆われた身体を新兵や実戦経験の少ない憲兵達にはどうにもできない。
もうアニは奪い返せないかもしれないー、ジャンに諦めと絶望が過り始めたときだった。
頭上を白い翼が飛んで行ったのが見えた。
一瞬、死の間際の自分を天使が迎えに来たのかと思ってしまったが、大間違いだ。
自分達を窮地から救うために、戦場の天使が帰って来たー!
行く手を阻む巨人を空を踊るように討伐しながら、真っ白いウェディングドレスを真っ赤に染めていく彼女はー。
「よかった!間に合ったっ!!」
アルミンが建物の上に飛び降りて、ホッとしたように言う。
その隣に降りて、ジャンはアルミンの頭をグシャグシャッとする。
「よくやった、アルミン!!
いねぇと思ったら、なまえさんを呼びに行ってたのか!!」
「もうそれしかないと思って。戻るまで持たせてくれてありがとうっ!!」
帰って来たなまえの姿に気づいた104期の新兵達が、あちこちで歓喜の声を上げた。
ミカサでさえも、ホッとしたように息を吐く。
なぜかボロボロのウェディングドレス姿で巨人を討伐しまくるなまえに憲兵達は驚いていたが、それでも、彼女のおかげで戦況が変わりつつあることには気づいたようだった。
あっという間に鎧の巨人の元へたどり着いたなまえは、目にも留まらぬ速さで口の両端を削いだ。
そして、開いた口の中に恐怖せずに足を踏み込むと、ベルトルトとアニを繋いでいる紐を切った。
透明の石に包まれたアニが落ちていく。
それをすかさず、ミカサが受け取る。
「やったーーーッ!!やりましたよ!!!」
遠くからサシャの嬉しそうな声が聞こえてきた。
でも、本当に、まだ勝ったわけではないのに、歓喜の雄たけびを上げそうだ。
なまえが戦場に現れてほんの数分で、戦況は完全にひっくり返った。
あれほど、もう二度とアニは奪い返せないのかと諦めていたのが嘘のようだ。
ジャンとアルミンは、お互いに顔を合わせるとハイタッチを交わした。
勝機が見えてきたー。
いや、戦場の天使の凛々しい横顔には、勝利しか見えなかった。