◇第百四十話◇ウォール・ローゼ突破
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「もうそろそろ、リヴァイはなまえを鎖で繋いでおくと言い出すんじゃないか。」
私の背中から手をまわし手綱を握るミケ分隊長のため息が、頭上に落ちてくる。
テュランは、いつもよりもだいぶ重たくなった体重を支え、最高速度でライナーとベルトルトがいると思われる南へと向かってくれていた。
「心は繋がれてますよ。苦しいくらい雁字搦めです。」
「…そういう話をしているんじゃない。」
「分かってます。でも、気づいたらいつも動いてるんです。
リヴァイ兵長に心配かけちゃダメだって分かってはいるんですけど…。」
「まぁ、今回はその無鉄砲さのおかげで、俺も命拾いした。
リヴァイが本気で鎖を持ちだしたら、盾くらいにはなってやろう。」
「ありがとうございます。
でも…、ミケ分隊長の愛馬を助けられなくて、本当にごめんなさい。」
「仕方ない。あのままなら、俺も馬も死んでいた。
なまえは選んだだけだろう。馬を選ばれなくてよかった。
そのときは化けて出るところだった。」
こんなときに面白くない冗談を言うミケ分隊長の優しさに、私は困ったように笑う。
私がミケ分隊長を見つけたとき、見たこともない獣の巨人が彼の馬を掴み上げたのが見えた。
投げるー。
咄嗟の判断で、ミケ分隊長の元まで飛んで、そのまま勢いよくぶつかった。
その衝撃で屋根の上を2人で転がるすぐ横に、馬が落ちてきた。
あのままだったら、ミケ分隊長に直撃していたー。
そう思うと、今さらながら恐怖に震える。
あのときは、周囲の巨人の討伐と獣の巨人から逃げるので精一杯で、何かを考える余裕はなかったからー。
「アニ・レオンハートの同郷が新兵にいるのは分かったが、
それなら、なぜウォール・ローゼは突破され、俺達は巨人に襲われてしまったんだ。」
「それはまた超大型巨人が壁を蹴破ったからじゃないですか?」
「まぁ、それも考えられる。他にも巨人化出来る人間がいる可能性もあるし
彼らが超大型巨人と鎧の巨人と決まったわけではない。」
「彼らって誰ですか?」
「とにかく、そのライナーとベルトルトという新兵を早く見つけなければならない。」
「そうですね。アニはあの2人のことを心配してたし、一緒に故郷に帰りたいと言っていたから。
2人が説得してくれれば、アニも分かってくれると思うんです。」
「…ちょっと待て。なまえ、お前はさっきから何を言ってる。」
「ん?だから、同郷の幼馴染が女型の巨人だって知ったら2人もショックだろうけど
そこはなんとかグッと堪えて、人類の為、アニの為にも、情報を洗いざらい話すように
説得してもらいましょう、って話です。」
「いや、分からんな。」
「何がですか?」
「俺は、アニ・レオンハートの同郷の新兵もまた、
知性のある巨人である可能性が高いと思っている。」
「・・・・・へ?」
「そうか。今、漸く理解した。アニ・レオンハートの友人を連れてくるだけのつもりだったから
なまえは1人でつっこんできたんだな。地獄に。」
また、頭上からミケ分隊長のため息が聞こえた。
しかも、今度は特大だ。
ゆっくり、ゆっくり、ミケ分隊長の話を咀嚼していく。
そして、私から驚愕の声が発せられたのは、それから数分後だ。
私の背中から手をまわし手綱を握るミケ分隊長のため息が、頭上に落ちてくる。
テュランは、いつもよりもだいぶ重たくなった体重を支え、最高速度でライナーとベルトルトがいると思われる南へと向かってくれていた。
「心は繋がれてますよ。苦しいくらい雁字搦めです。」
「…そういう話をしているんじゃない。」
「分かってます。でも、気づいたらいつも動いてるんです。
リヴァイ兵長に心配かけちゃダメだって分かってはいるんですけど…。」
「まぁ、今回はその無鉄砲さのおかげで、俺も命拾いした。
リヴァイが本気で鎖を持ちだしたら、盾くらいにはなってやろう。」
「ありがとうございます。
でも…、ミケ分隊長の愛馬を助けられなくて、本当にごめんなさい。」
「仕方ない。あのままなら、俺も馬も死んでいた。
なまえは選んだだけだろう。馬を選ばれなくてよかった。
そのときは化けて出るところだった。」
こんなときに面白くない冗談を言うミケ分隊長の優しさに、私は困ったように笑う。
私がミケ分隊長を見つけたとき、見たこともない獣の巨人が彼の馬を掴み上げたのが見えた。
投げるー。
咄嗟の判断で、ミケ分隊長の元まで飛んで、そのまま勢いよくぶつかった。
その衝撃で屋根の上を2人で転がるすぐ横に、馬が落ちてきた。
あのままだったら、ミケ分隊長に直撃していたー。
そう思うと、今さらながら恐怖に震える。
あのときは、周囲の巨人の討伐と獣の巨人から逃げるので精一杯で、何かを考える余裕はなかったからー。
「アニ・レオンハートの同郷が新兵にいるのは分かったが、
それなら、なぜウォール・ローゼは突破され、俺達は巨人に襲われてしまったんだ。」
「それはまた超大型巨人が壁を蹴破ったからじゃないですか?」
「まぁ、それも考えられる。他にも巨人化出来る人間がいる可能性もあるし
彼らが超大型巨人と鎧の巨人と決まったわけではない。」
「彼らって誰ですか?」
「とにかく、そのライナーとベルトルトという新兵を早く見つけなければならない。」
「そうですね。アニはあの2人のことを心配してたし、一緒に故郷に帰りたいと言っていたから。
2人が説得してくれれば、アニも分かってくれると思うんです。」
「…ちょっと待て。なまえ、お前はさっきから何を言ってる。」
「ん?だから、同郷の幼馴染が女型の巨人だって知ったら2人もショックだろうけど
そこはなんとかグッと堪えて、人類の為、アニの為にも、情報を洗いざらい話すように
説得してもらいましょう、って話です。」
「いや、分からんな。」
「何がですか?」
「俺は、アニ・レオンハートの同郷の新兵もまた、
知性のある巨人である可能性が高いと思っている。」
「・・・・・へ?」
「そうか。今、漸く理解した。アニ・レオンハートの友人を連れてくるだけのつもりだったから
なまえは1人でつっこんできたんだな。地獄に。」
また、頭上からミケ分隊長のため息が聞こえた。
しかも、今度は特大だ。
ゆっくり、ゆっくり、ミケ分隊長の話を咀嚼していく。
そして、私から驚愕の声が発せられたのは、それから数分後だ。