◇第百三十八話◇世界一美しい花嫁をおくる涙の結婚式
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教会の奥、中央の祭壇の棺の中で、フロリアンは眠っていた。
身体の損傷が激しかったため、棺は開けるつもりはなかったという親族にお願いして、フロリアンに会わせてもらった。
削がれてなくなった右半身を隠すように白い布で覆われたフロリアンは、打撲の痕で頬が黒ずみ、唇の端も大きく切れていた。
でも、そこに眠る彼女は、確かに、大切な友人の面影を残していたー。
「フロリアン、会いに来たよ。」
打撲の痕で黒ずんだ頬を撫でる。
マレーネ達から嗚咽が漏れる。
訓練兵時代からずっと一緒に生き残ってきた同志なのだと、良く笑っていた。
フロリアンが結婚してからも、調査兵ではなくなっても、ずっとこの関係は続くと、無条件に信じ込んでいたー。
「ほら、見て。頼まれてたウェディングドレス出来上がったのよ。
あれこれ注文つけるからすっごい大変だったんだからね。
今から着せてあげるからね。」
マレーネがウェディングドレスを紙袋の中から取り出した。
私達は、フロリアンの身体をそっと起こす。
いつの間にか、教会にいるのは私達だけになっていた。
フロリアンの彼が気を遣ってくれたのかもしれない。
右半身がなくても不自然にならないように、綿や布をつめてウェディングドレスを着せてから、また棺の中にそっと彼女を寝かす。
「それじゃ、今度は私のメイクね。
フロリアンが好きって言ってた赤い口紅が映えるメイクにしようと思うの。
どうかな?」
最期に遺された時間を惜しむように、私達は彼女のために出来ることを精一杯にさせてもらった。
それはもう、ほんの少ししかないのだけれど、これくらいしかしてやれないのだけれど、それでもー。
私達は、いつものようにお喋りをした。
笑ったり、泣いたり、怒ったりしながら、フロリアンと最後の時間を過ごしたー。
身体の損傷が激しかったため、棺は開けるつもりはなかったという親族にお願いして、フロリアンに会わせてもらった。
削がれてなくなった右半身を隠すように白い布で覆われたフロリアンは、打撲の痕で頬が黒ずみ、唇の端も大きく切れていた。
でも、そこに眠る彼女は、確かに、大切な友人の面影を残していたー。
「フロリアン、会いに来たよ。」
打撲の痕で黒ずんだ頬を撫でる。
マレーネ達から嗚咽が漏れる。
訓練兵時代からずっと一緒に生き残ってきた同志なのだと、良く笑っていた。
フロリアンが結婚してからも、調査兵ではなくなっても、ずっとこの関係は続くと、無条件に信じ込んでいたー。
「ほら、見て。頼まれてたウェディングドレス出来上がったのよ。
あれこれ注文つけるからすっごい大変だったんだからね。
今から着せてあげるからね。」
マレーネがウェディングドレスを紙袋の中から取り出した。
私達は、フロリアンの身体をそっと起こす。
いつの間にか、教会にいるのは私達だけになっていた。
フロリアンの彼が気を遣ってくれたのかもしれない。
右半身がなくても不自然にならないように、綿や布をつめてウェディングドレスを着せてから、また棺の中にそっと彼女を寝かす。
「それじゃ、今度は私のメイクね。
フロリアンが好きって言ってた赤い口紅が映えるメイクにしようと思うの。
どうかな?」
最期に遺された時間を惜しむように、私達は彼女のために出来ることを精一杯にさせてもらった。
それはもう、ほんの少ししかないのだけれど、これくらいしかしてやれないのだけれど、それでもー。
私達は、いつものようにお喋りをした。
笑ったり、泣いたり、怒ったりしながら、フロリアンと最後の時間を過ごしたー。