◇第百三十四話◇彼女の叫び
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
エルヴィン団長の指示によって、第二波、第三波と女型の巨人を拘束するためのワイヤーが撃たれていく。
その度に女型の巨人は動きをより強固に拘束されていった。
「これでどう?もうかゆいとこあっても掻けないよ?
身じろぎ一つできないよ、多分一生。
傷を塞げば塞ぐほど、関節はより強固に固まっていく仕組みだ。」
ハンジさんが興奮気味に言う。
だが、拘束するだけではいけないのだ。
うなじの中で隠れている人類の敵を引きずり出さなければー。
分かっている。とても分かっているから、だからー。
「…しっかし、肝心の中身さんはまだ出せないのか?
何やってんだよ、リヴァイとミケは…。
なまえも、しっかりサポートしなさいよ~!」
ハンジさんの声は、木の枝の上から超硬質スチールを構える私達にも聞こえていた。
リヴァイ兵長、ミケ分隊長と目で合図をしあってから、私は立体起動装置のワイヤーを飛ばした。
勢いよく飛び上がり、女型の巨人のうなじへと回転しながら急降下する。
超硬質スチールの刃は、今回も、うなじを守る大きな手をとらえた。
本来ならそのまま切り落とせるはずなのだ。
だが、手を硬質な皮膚で覆われてしまい、私達の超硬質スチールの刃は、また粉々に折れて飛んでいった。
「…なんで。」
木の枝の上に戻り、私は悔しさで唇を噛む。
あと少し、あと少しなのにー。
そこに私達の、人類の敵がいるのにー。
エルヴィン団長は、白刃攻撃は一旦諦めて、発破で巨人の手首を吹き飛ばすという作戦に変えたようだった。
ケイジさん達が、作戦の準備を始める中、リヴァイ兵長は女型の巨人の頭の上に乗って、彼女に話しかけていた。
恐らく、中にいる誰かにー。
「リヴァイ兵長、もう一度、女型をー。」
リヴァイ兵長のいる女型の巨人の頭の上に飛び移ったときだった。
女型の巨人が突如、空を裂くような叫び声を上げた。
それは襲われた動物の悲鳴のように悲痛で、怖ろしい覚悟を感じた。
「…っ。」
耳をつんざくような痛みに、咄嗟に自分の耳を塞ぐ。
リヴァイ兵長も片手で自分の耳を塞ぎながら、私を守るように抱き寄せた。
女型の巨人の叫びは数秒続いた後、漸くおさまった。
「断末魔…ってヤツですか?迷惑な…。」
モブリットさんが、両目をキツく閉じたまま苦しそうに文句を言う。
「…。てめぇ、びっくりしたじゃねぇか。」
リヴァイ兵長も、とても驚いたようだった。
そうは、見えなかったのだけれどー。
「エルヴィン!匂うぞ!」
ミケ分隊長が、焦った様子で、エルヴィン団長の元へ飛んだ。
「方角は?」
「全方位から多数!同時に!」
「発破用意を急げ!」
「エルヴィン!先に東から来る、すぐそこだ!」
「荷馬車護衛班、迎え撃て!!」
エルヴィン団長の指示で、荷馬車護衛班の精鋭達が飛んでいく。
「私もー。」
「いや、必要なさそうだ。」
加勢しようとした私を、リヴァイ兵長が止める。
東から走ってきた数体の巨人は、荷馬車護衛班の精鋭達を無視して、私とリヴァイ兵長の元へまっしぐらに向かってきていた。
「オイ…、てめぇ…、さっき何かしやがったな。」
リヴァイ兵長が苛立った様子で、女型の巨人の頭を足で叩く。
でも、彼女が何か答えることはない。
「チッ、なまえはハンジのところへ戻ってろ。」
リヴァイ兵長は私に指示を出すと、走ってくる数体の巨人の元へ飛んだ。
あっという間に討伐したのを確認しながら、私は指示通りにハンジンの元へ戻る。
「全方位から巨人出現!!」
モブリットさんが叫んだのと同時に、私の視界いっぱいに巨人の大群が現れた。
全方位から女型の巨人に向かって、数えきれない数の巨人がつっこんでいく。
「全員戦闘開始!!女型の巨人を死守せよ!!」
エルヴィン団長が新たな指示を叫ぶ。
超硬質スチールを鞘から抜き、立体起動装置のワイヤーを飛ばす。
調査兵達が一斉に、巨人の大群に飛び掛かった。
その度に女型の巨人は動きをより強固に拘束されていった。
「これでどう?もうかゆいとこあっても掻けないよ?
身じろぎ一つできないよ、多分一生。
傷を塞げば塞ぐほど、関節はより強固に固まっていく仕組みだ。」
ハンジさんが興奮気味に言う。
だが、拘束するだけではいけないのだ。
うなじの中で隠れている人類の敵を引きずり出さなければー。
分かっている。とても分かっているから、だからー。
「…しっかし、肝心の中身さんはまだ出せないのか?
何やってんだよ、リヴァイとミケは…。
なまえも、しっかりサポートしなさいよ~!」
ハンジさんの声は、木の枝の上から超硬質スチールを構える私達にも聞こえていた。
リヴァイ兵長、ミケ分隊長と目で合図をしあってから、私は立体起動装置のワイヤーを飛ばした。
勢いよく飛び上がり、女型の巨人のうなじへと回転しながら急降下する。
超硬質スチールの刃は、今回も、うなじを守る大きな手をとらえた。
本来ならそのまま切り落とせるはずなのだ。
だが、手を硬質な皮膚で覆われてしまい、私達の超硬質スチールの刃は、また粉々に折れて飛んでいった。
「…なんで。」
木の枝の上に戻り、私は悔しさで唇を噛む。
あと少し、あと少しなのにー。
そこに私達の、人類の敵がいるのにー。
エルヴィン団長は、白刃攻撃は一旦諦めて、発破で巨人の手首を吹き飛ばすという作戦に変えたようだった。
ケイジさん達が、作戦の準備を始める中、リヴァイ兵長は女型の巨人の頭の上に乗って、彼女に話しかけていた。
恐らく、中にいる誰かにー。
「リヴァイ兵長、もう一度、女型をー。」
リヴァイ兵長のいる女型の巨人の頭の上に飛び移ったときだった。
女型の巨人が突如、空を裂くような叫び声を上げた。
それは襲われた動物の悲鳴のように悲痛で、怖ろしい覚悟を感じた。
「…っ。」
耳をつんざくような痛みに、咄嗟に自分の耳を塞ぐ。
リヴァイ兵長も片手で自分の耳を塞ぎながら、私を守るように抱き寄せた。
女型の巨人の叫びは数秒続いた後、漸くおさまった。
「断末魔…ってヤツですか?迷惑な…。」
モブリットさんが、両目をキツく閉じたまま苦しそうに文句を言う。
「…。てめぇ、びっくりしたじゃねぇか。」
リヴァイ兵長も、とても驚いたようだった。
そうは、見えなかったのだけれどー。
「エルヴィン!匂うぞ!」
ミケ分隊長が、焦った様子で、エルヴィン団長の元へ飛んだ。
「方角は?」
「全方位から多数!同時に!」
「発破用意を急げ!」
「エルヴィン!先に東から来る、すぐそこだ!」
「荷馬車護衛班、迎え撃て!!」
エルヴィン団長の指示で、荷馬車護衛班の精鋭達が飛んでいく。
「私もー。」
「いや、必要なさそうだ。」
加勢しようとした私を、リヴァイ兵長が止める。
東から走ってきた数体の巨人は、荷馬車護衛班の精鋭達を無視して、私とリヴァイ兵長の元へまっしぐらに向かってきていた。
「オイ…、てめぇ…、さっき何かしやがったな。」
リヴァイ兵長が苛立った様子で、女型の巨人の頭を足で叩く。
でも、彼女が何か答えることはない。
「チッ、なまえはハンジのところへ戻ってろ。」
リヴァイ兵長は私に指示を出すと、走ってくる数体の巨人の元へ飛んだ。
あっという間に討伐したのを確認しながら、私は指示通りにハンジンの元へ戻る。
「全方位から巨人出現!!」
モブリットさんが叫んだのと同時に、私の視界いっぱいに巨人の大群が現れた。
全方位から女型の巨人に向かって、数えきれない数の巨人がつっこんでいく。
「全員戦闘開始!!女型の巨人を死守せよ!!」
エルヴィン団長が新たな指示を叫ぶ。
超硬質スチールを鞘から抜き、立体起動装置のワイヤーを飛ばす。
調査兵達が一斉に、巨人の大群に飛び掛かった。