◇第百三十三話◇伏せられた作戦と女型の涙
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それが姿を現したのは、一瞬の出来事だった。
突然目の前に現れた女型の巨人、目が合ったと思ったときには、エルヴィン団長の指示が叫ばれていた。
「撃て!!」
巨人を捕獲するために生まれた兵器から、矢のついた無数のワイヤーが女型の巨人に向かって飛び出した。
咄嗟にうなじを守った女型の巨人だったが、その身体は無数のワイヤーで雁字搦めになっていた。
その先を女型の巨人に追いかけられていたらしいリヴァイ班の馬が駆け抜けていくのが遠くに見えた。
「今…、この巨人、うなじを、守ったんですか…?」
「あぁ、そうだよ。ソイツは、エレンと同じ。知性のある巨人だ。
私達は、ソイツを捕まえるために、壁外の観光地にまで遥々やってきたんだ。」
「うそ…。」
自分の目でそれを直感したはずなのに、ハンジさんから言われても、信じられなかった。
エレンと同じように、巨人化出来る人間がいるなんてー。
ふと思ったことならあったかもしれないけど、それは本当に冗談の域を抜けなくてー。
いや、冗談だと思いたかったのかもしれない。
今も、嘘だと信じたいのだ。
まさか、人間が巨人になって、人間を殺そうとしているなんてー。
「よし!関節の固定完了!!」
下でワイヤーの確認をしていたモブリットさんが叫んだ。
とりあえず、人類の敵の捕獲には成功したようだ。
よかったー。
最悪な状況だけれど、良かったと思うしか、ないー。
馬は置いてきたのか、立体起動装置でリヴァイ兵長がやってきた。
私と目が合った後、枝の上に立つエルヴィン団長の隣に降りた。
「動きは止まったようだな。」
リヴァイ兵長は、拘束された女型の巨人を見下ろす。
他のリヴァイ班のみんなはやってこない。
エルド達はエレンを守るために、ここを離れたようだ。
「まだ油断はできない。しかしよくこのポイントまで誘導してくれた。」
「後列の班が命を賭して戦ってくれたお陰で時間が稼げた。
あれが無ければ不可能だった。」
「そうか…。」
「そうだ…。彼らのお陰でこいつのうなじの中にいるヤツと会える。
中で小便漏らしてねぇといいんだが…。」
エルヴィン団長とリヴァイ兵長の会話で、少しずつこの作戦の意味を理解していく。
リヴァイ班が囮になって、元々拘束の準備を整えていたこの場所に女型の巨人を誘導したのか。
そして、後列の班の支援を受けながらー。
「後列…?」
何かに気づいて、小さく漏れる声。
震える心臓をシャツの上から握りしめる私の頭に、長距離索敵陣形の配置図が詳細に蘇ってくる。
それと同時に、幸せそうな微笑みもー。
リヴァイ班の後ろには、確かー。
「さぁ、これからはなまえの仕事だよー。
って、えッ!?なまえ、どこ行くの!?!?」
ハンジさんが、私に触れようとした手は空を切った。
女型の巨人が駆けてきた方へと立体起動装置を飛ばした私は、驚いた顔のハンジさんを横目で見送る。
リヴァイ兵長はさっき、命を賭してと言ったか。
嘘だ、そんなはずない。
いやだ、生きていてー。
フロリアン、死んだらダメだー。
だって、あなたー、結婚するんでしょうー?
突然目の前に現れた女型の巨人、目が合ったと思ったときには、エルヴィン団長の指示が叫ばれていた。
「撃て!!」
巨人を捕獲するために生まれた兵器から、矢のついた無数のワイヤーが女型の巨人に向かって飛び出した。
咄嗟にうなじを守った女型の巨人だったが、その身体は無数のワイヤーで雁字搦めになっていた。
その先を女型の巨人に追いかけられていたらしいリヴァイ班の馬が駆け抜けていくのが遠くに見えた。
「今…、この巨人、うなじを、守ったんですか…?」
「あぁ、そうだよ。ソイツは、エレンと同じ。知性のある巨人だ。
私達は、ソイツを捕まえるために、壁外の観光地にまで遥々やってきたんだ。」
「うそ…。」
自分の目でそれを直感したはずなのに、ハンジさんから言われても、信じられなかった。
エレンと同じように、巨人化出来る人間がいるなんてー。
ふと思ったことならあったかもしれないけど、それは本当に冗談の域を抜けなくてー。
いや、冗談だと思いたかったのかもしれない。
今も、嘘だと信じたいのだ。
まさか、人間が巨人になって、人間を殺そうとしているなんてー。
「よし!関節の固定完了!!」
下でワイヤーの確認をしていたモブリットさんが叫んだ。
とりあえず、人類の敵の捕獲には成功したようだ。
よかったー。
最悪な状況だけれど、良かったと思うしか、ないー。
馬は置いてきたのか、立体起動装置でリヴァイ兵長がやってきた。
私と目が合った後、枝の上に立つエルヴィン団長の隣に降りた。
「動きは止まったようだな。」
リヴァイ兵長は、拘束された女型の巨人を見下ろす。
他のリヴァイ班のみんなはやってこない。
エルド達はエレンを守るために、ここを離れたようだ。
「まだ油断はできない。しかしよくこのポイントまで誘導してくれた。」
「後列の班が命を賭して戦ってくれたお陰で時間が稼げた。
あれが無ければ不可能だった。」
「そうか…。」
「そうだ…。彼らのお陰でこいつのうなじの中にいるヤツと会える。
中で小便漏らしてねぇといいんだが…。」
エルヴィン団長とリヴァイ兵長の会話で、少しずつこの作戦の意味を理解していく。
リヴァイ班が囮になって、元々拘束の準備を整えていたこの場所に女型の巨人を誘導したのか。
そして、後列の班の支援を受けながらー。
「後列…?」
何かに気づいて、小さく漏れる声。
震える心臓をシャツの上から握りしめる私の頭に、長距離索敵陣形の配置図が詳細に蘇ってくる。
それと同時に、幸せそうな微笑みもー。
リヴァイ班の後ろには、確かー。
「さぁ、これからはなまえの仕事だよー。
って、えッ!?なまえ、どこ行くの!?!?」
ハンジさんが、私に触れようとした手は空を切った。
女型の巨人が駆けてきた方へと立体起動装置を飛ばした私は、驚いた顔のハンジさんを横目で見送る。
リヴァイ兵長はさっき、命を賭してと言ったか。
嘘だ、そんなはずない。
いやだ、生きていてー。
フロリアン、死んだらダメだー。
だって、あなたー、結婚するんでしょうー?