◇第百二十五話◇悪夢に溺れる夜から私を救ってくれる貴方
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大きな木の生い茂る深い森の中に、私はいた。
夜なのか、とても暗い。
月も星も出ていないおかげで、ほんの僅かな明かりさえもなく、かろうじてランタンを持つ手が照らすほんの先が見えるだけだ。
1人で歩いているのかも、誰かがそばにいるのかも分からなかった。
どうしてこんなところにいるのかも分からないのに、ここがどういう場所かということだけは、なぜかハッキリと理解しているのが気持ち悪くて、暗闇よりもその方が怖かった。
だから、ランタンの淡い光の先に大きな巨人の手が見えた時も、またか、と思っただけだった。
腰につけてある立体起動装置が動かないことは知ってる。
いつもそうだから。
ここでどんなにもがいても、私は巨人を倒せないのだ。
だから、今夜は、大きな口を開ける巨人を受け入れようと思っている。
涎を伸ばし、気持ちの悪いその口の中に、早く。早くー。
彼女が、気づいてしまう前にー。
早く、私を捕食してー。消してー!
そんな私の願いも虚しく、今夜も耳元に届く立体起動装置のガスの音。
目の前には、私の代わりに気持ち悪い口の中に下半身を埋めたルルの姿があった。
『ルル!!死なないでっ!!』
必死に手を伸ばす。
死なないで、お願い。
私を置いて行かないで。
私の手を掴んで。
でも、今夜も私の手は、彼女には届かない。
『なまえ、生きて。』
優しい微笑を浮かべルルの瞳から、この世で最も美しい涙が落ちた。
その瞬間、巨人が、細い彼女の腰に歯を立てる。
骨が砕ける音が響いて、断末魔を上げた彼女の上半身だけが地面に落ちたー。
夜なのか、とても暗い。
月も星も出ていないおかげで、ほんの僅かな明かりさえもなく、かろうじてランタンを持つ手が照らすほんの先が見えるだけだ。
1人で歩いているのかも、誰かがそばにいるのかも分からなかった。
どうしてこんなところにいるのかも分からないのに、ここがどういう場所かということだけは、なぜかハッキリと理解しているのが気持ち悪くて、暗闇よりもその方が怖かった。
だから、ランタンの淡い光の先に大きな巨人の手が見えた時も、またか、と思っただけだった。
腰につけてある立体起動装置が動かないことは知ってる。
いつもそうだから。
ここでどんなにもがいても、私は巨人を倒せないのだ。
だから、今夜は、大きな口を開ける巨人を受け入れようと思っている。
涎を伸ばし、気持ちの悪いその口の中に、早く。早くー。
彼女が、気づいてしまう前にー。
早く、私を捕食してー。消してー!
そんな私の願いも虚しく、今夜も耳元に届く立体起動装置のガスの音。
目の前には、私の代わりに気持ち悪い口の中に下半身を埋めたルルの姿があった。
『ルル!!死なないでっ!!』
必死に手を伸ばす。
死なないで、お願い。
私を置いて行かないで。
私の手を掴んで。
でも、今夜も私の手は、彼女には届かない。
『なまえ、生きて。』
優しい微笑を浮かべルルの瞳から、この世で最も美しい涙が落ちた。
その瞬間、巨人が、細い彼女の腰に歯を立てる。
骨が砕ける音が響いて、断末魔を上げた彼女の上半身だけが地面に落ちたー。