◇第百二十四話◇兵士達の結婚観
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宿泊施設で兵士達が与えられた部屋は、相部屋だった。
監視役のリヴァイ兵長と同室になったエレンに、何とか部屋を変わってくれないかと泣きそうな顔で懇願されたが、そこも任務の延長線上にあるため、私がどうにかしてやれることではなく、結局、悲鳴を上げながら引きずられていった。
本当に、不憫だー。
「ねぇ、正直なところ、なまえはどうなの?」
二段ベッドの下の階で眠りかけていた私は、上から聞こえてきたペトラの声に反応して瞼を上げた。
何のことかと訊ねると、上からペトラの顔がさかさまに覗いた。
「結婚とかって、考えたりするの?」
敢えて、リヴァイ兵長の名前を出さなかったのは彼女の優しさなのだろう。
心配そうな表情に、私の気持ちは知られているような気がした。
「エレンの言った通りだよ。結婚したいなら、兵士にもならないし、リヴァイ兵長も諦めたよ。
そうすれば…、ルーカスがあんな事件を起こして人が死ぬこともなかったなら尚更。
それでも、人が死んだのに、私はリヴァイ兵長を好きになったこと後悔してないの。」
それが私の答えだよー、そう伝えれば、ペトラは上のベッドへ戻っていった。
そしてー。
「オルオがね。」
「うん。」
「最近、毎日のように俺の女房になれとか言い出してて。」
「今までもよく言ってたもんね。
付き合ってない時から女房だと思ってる節があったし。」
オルオの顔を思い出して、思わず笑いが出る。
でも、ペトラの声はとても真剣に悩んでいるようでー。
「私もオルオも、本気で結婚考えるような歳ではないんだと思う。
でも、調査兵団に身を置いてる以上、明日の命もわからない。
だから、オルオは本気なんだと思う。」
「そっか。愛されてるんだね。」
「でも、怖いよ。結婚して、そして、それからどうするの?
私が先に死ぬの?オルオ?残された方は、どうしたらいいの?」
「その気持ちは、オルオには言ったの?」
「俺もお前も死なないって。」
「じゃあ、ずっと2人で幸せに過ごしましたって、
ハッピーエンドだと思うけど。」
「そんな!?そんな簡単なことじゃないよ!!」
今度は、勢いよくペトラの顔が上から覗いた。
悲痛なその表情を見れば、ペトラの気持ちなんて、鈍感なゲルガーさんだってわかってしまうくらい素直だった。
「簡単だよ。愛してる人を信じればいいだけなんだから。」
ね?と微笑めば、ペトラは眉尻を下げた困った笑顔を見せた。
そしてー。
「なまえは信じてるんだね。」
「大好きですから。」
少しおちゃらけて言えば、リヴァイ兵長が知るよりずっと前から知っているとペトラがおかしそうに笑う。
少し吹っ切れたような笑顔に、私もホッとする。
オルオの愛にペトラがどう応えるのかは分からないけれど、2人にとって幸せな決断となってくれることを願う。
ほんの少し、羨ましいと思った気持ちは忘れて、親友の幸せを純粋に願おう。
今頃、リヴァイ兵長は何をしているのだろう。
エレンにまた掃除をさせていそうな気がする。
今頃、リヴァイ兵長は、何を、考えているのだろうー。
ほんの少しでも、私のことは頭を過っているだろうか。
優しく熱く深い愛を内に秘めているその心の中に、私が帰れる部屋がある。
それだけで、幸せだ。
2人の愛に、未来はなくともー。
いつの間にか眠ったらしいペトラの寝息は、とても気持ちよさそうで、私はやっぱり羨ましかった。
監視役のリヴァイ兵長と同室になったエレンに、何とか部屋を変わってくれないかと泣きそうな顔で懇願されたが、そこも任務の延長線上にあるため、私がどうにかしてやれることではなく、結局、悲鳴を上げながら引きずられていった。
本当に、不憫だー。
「ねぇ、正直なところ、なまえはどうなの?」
二段ベッドの下の階で眠りかけていた私は、上から聞こえてきたペトラの声に反応して瞼を上げた。
何のことかと訊ねると、上からペトラの顔がさかさまに覗いた。
「結婚とかって、考えたりするの?」
敢えて、リヴァイ兵長の名前を出さなかったのは彼女の優しさなのだろう。
心配そうな表情に、私の気持ちは知られているような気がした。
「エレンの言った通りだよ。結婚したいなら、兵士にもならないし、リヴァイ兵長も諦めたよ。
そうすれば…、ルーカスがあんな事件を起こして人が死ぬこともなかったなら尚更。
それでも、人が死んだのに、私はリヴァイ兵長を好きになったこと後悔してないの。」
それが私の答えだよー、そう伝えれば、ペトラは上のベッドへ戻っていった。
そしてー。
「オルオがね。」
「うん。」
「最近、毎日のように俺の女房になれとか言い出してて。」
「今までもよく言ってたもんね。
付き合ってない時から女房だと思ってる節があったし。」
オルオの顔を思い出して、思わず笑いが出る。
でも、ペトラの声はとても真剣に悩んでいるようでー。
「私もオルオも、本気で結婚考えるような歳ではないんだと思う。
でも、調査兵団に身を置いてる以上、明日の命もわからない。
だから、オルオは本気なんだと思う。」
「そっか。愛されてるんだね。」
「でも、怖いよ。結婚して、そして、それからどうするの?
私が先に死ぬの?オルオ?残された方は、どうしたらいいの?」
「その気持ちは、オルオには言ったの?」
「俺もお前も死なないって。」
「じゃあ、ずっと2人で幸せに過ごしましたって、
ハッピーエンドだと思うけど。」
「そんな!?そんな簡単なことじゃないよ!!」
今度は、勢いよくペトラの顔が上から覗いた。
悲痛なその表情を見れば、ペトラの気持ちなんて、鈍感なゲルガーさんだってわかってしまうくらい素直だった。
「簡単だよ。愛してる人を信じればいいだけなんだから。」
ね?と微笑めば、ペトラは眉尻を下げた困った笑顔を見せた。
そしてー。
「なまえは信じてるんだね。」
「大好きですから。」
少しおちゃらけて言えば、リヴァイ兵長が知るよりずっと前から知っているとペトラがおかしそうに笑う。
少し吹っ切れたような笑顔に、私もホッとする。
オルオの愛にペトラがどう応えるのかは分からないけれど、2人にとって幸せな決断となってくれることを願う。
ほんの少し、羨ましいと思った気持ちは忘れて、親友の幸せを純粋に願おう。
今頃、リヴァイ兵長は何をしているのだろう。
エレンにまた掃除をさせていそうな気がする。
今頃、リヴァイ兵長は、何を、考えているのだろうー。
ほんの少しでも、私のことは頭を過っているだろうか。
優しく熱く深い愛を内に秘めているその心の中に、私が帰れる部屋がある。
それだけで、幸せだ。
2人の愛に、未来はなくともー。
いつの間にか眠ったらしいペトラの寝息は、とても気持ちよさそうで、私はやっぱり羨ましかった。