◇第百二十四話◇兵士達の結婚観
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長距離索敵陣形の全体陣形訓練のため、調査兵団の兵士達はウォール・ローゼ南東にやってきていた。
照りつけるような熱い太陽の下、見渡す限りの大きな草原で、調査兵達は、それぞれの配置について陣形の最終確認を行う。
だが、その訓練に参加することはせず、リヴァイ班とハンジ班はそこから少し離れた場所にいた。
調査兵団の所有する山小屋風宿泊施設。ここを拠点にして、エレンの巨人化実験を行う予定だ。
だが、まずはー。
「早急にとりかかるぞー。」
いつものように、リヴァイ兵長の先導で、清掃が始まった。
総勢10名以上が泊まれるこの山小屋風宿泊施設は、長らく使われていなかったようで、中も外も荒れ放題だ。
でもー。
「終わるんですかね…。」
窓拭きをしている私の眼下では、エルドとグンタが汗だくになりながら荒れ放題の庭で雑草抜きをしている。
なかなかリヴァイ兵長からOKが出ない中、私からはあっという間に弱音が出てくる。
少し向こうから、オルオの悲鳴が聞こえてきた。
黒くテカテカしたツヤが自慢の世にも恐ろしいヤツが、現れたらしい。
「…徹底的に、綺麗にさせられそうだね。」
「はぁ…。」
ハンジさんの予言が当たる予感しかしなくて、私は大きくため息を吐く。
あの綺麗なリヴァイ兵長の部屋ですら、掃除を始めたらなかなか終わらないのだ。
帰りの日程は決まっているのに、この調子でエレンの巨人化実験なんて終わらせられるのだろうか。
帰るまでずっと掃除をさせられそうだ。
「そういえば、なまえはエルヴィン団長から不思議な質問された?」
箒で床を掃いていたペトラが、思い出したように言った。
でも、何の話か分からず、私は首を傾げる。
「何も言われてないよ。どんな質問だったの?」
「敵は何だと思う?とかだったかな。」
「敵?それで、ペトラは何て答えたの?」
「何のことかわからなくて、質問の意図を考えてるうちに
なんでもないって言われちゃった。」
「不思議だね。」
「でしょ?何だったんだろう…。
オルオ達も同じこと聞かれたらしいんだよね。」
「じゃあ、リヴァイ班に関係があることなんじゃないの?」
「そうなのかな?」
「あ…!わかったよ、今。その敵の正体。」
ペトラの話を聞いて、私は今、ハッキリわかった。
彼女たちしかされていない不思議な質問。そして、敵。
それはもう絶対にー。
「え!?なになに!?」
「それはー。」
「それは?」
「汚れを見ると掃除しないと気が済まない悪魔にとりつかれたリヴァー。」
言いかけたところで、突如として開かれた扉の向こうからものすごい殺気を感じた。
シャツの隙間から氷を入れられたみたいに、背中がヒヤッとする。
私とペトラから血の気が引く。
壊れた時計のように、少しずつ不規則に、扉の方を振り返ってみれば、そこにはー。
「てめぇら、掃除中に私語とは舐めた真似してくれるじゃねぇか。」
いつもよりも深く刻んだ眉間の皺と、悪魔を宿す恐ろしい瞳。
低い声には、怒りが満ちていてー。
「ギャーーーーッ!!敵が出たーーーーッ!!!」
「悪霊退散!!悪霊退散!!」
「あァ!?ふざけてねぇで、掃除しろッ!!」
逃げ回る私とペトラの背中を苦笑いで見ていたハンジさんとモブリットさんが、ホッとしたような、心配そうな顔をしていたことなんて、仲間だと思っていた敵からまさか殺されないように必死な私達は全然知らなかった。
照りつけるような熱い太陽の下、見渡す限りの大きな草原で、調査兵達は、それぞれの配置について陣形の最終確認を行う。
だが、その訓練に参加することはせず、リヴァイ班とハンジ班はそこから少し離れた場所にいた。
調査兵団の所有する山小屋風宿泊施設。ここを拠点にして、エレンの巨人化実験を行う予定だ。
だが、まずはー。
「早急にとりかかるぞー。」
いつものように、リヴァイ兵長の先導で、清掃が始まった。
総勢10名以上が泊まれるこの山小屋風宿泊施設は、長らく使われていなかったようで、中も外も荒れ放題だ。
でもー。
「終わるんですかね…。」
窓拭きをしている私の眼下では、エルドとグンタが汗だくになりながら荒れ放題の庭で雑草抜きをしている。
なかなかリヴァイ兵長からOKが出ない中、私からはあっという間に弱音が出てくる。
少し向こうから、オルオの悲鳴が聞こえてきた。
黒くテカテカしたツヤが自慢の世にも恐ろしいヤツが、現れたらしい。
「…徹底的に、綺麗にさせられそうだね。」
「はぁ…。」
ハンジさんの予言が当たる予感しかしなくて、私は大きくため息を吐く。
あの綺麗なリヴァイ兵長の部屋ですら、掃除を始めたらなかなか終わらないのだ。
帰りの日程は決まっているのに、この調子でエレンの巨人化実験なんて終わらせられるのだろうか。
帰るまでずっと掃除をさせられそうだ。
「そういえば、なまえはエルヴィン団長から不思議な質問された?」
箒で床を掃いていたペトラが、思い出したように言った。
でも、何の話か分からず、私は首を傾げる。
「何も言われてないよ。どんな質問だったの?」
「敵は何だと思う?とかだったかな。」
「敵?それで、ペトラは何て答えたの?」
「何のことかわからなくて、質問の意図を考えてるうちに
なんでもないって言われちゃった。」
「不思議だね。」
「でしょ?何だったんだろう…。
オルオ達も同じこと聞かれたらしいんだよね。」
「じゃあ、リヴァイ班に関係があることなんじゃないの?」
「そうなのかな?」
「あ…!わかったよ、今。その敵の正体。」
ペトラの話を聞いて、私は今、ハッキリわかった。
彼女たちしかされていない不思議な質問。そして、敵。
それはもう絶対にー。
「え!?なになに!?」
「それはー。」
「それは?」
「汚れを見ると掃除しないと気が済まない悪魔にとりつかれたリヴァー。」
言いかけたところで、突如として開かれた扉の向こうからものすごい殺気を感じた。
シャツの隙間から氷を入れられたみたいに、背中がヒヤッとする。
私とペトラから血の気が引く。
壊れた時計のように、少しずつ不規則に、扉の方を振り返ってみれば、そこにはー。
「てめぇら、掃除中に私語とは舐めた真似してくれるじゃねぇか。」
いつもよりも深く刻んだ眉間の皺と、悪魔を宿す恐ろしい瞳。
低い声には、怒りが満ちていてー。
「ギャーーーーッ!!敵が出たーーーーッ!!!」
「悪霊退散!!悪霊退散!!」
「あァ!?ふざけてねぇで、掃除しろッ!!」
逃げ回る私とペトラの背中を苦笑いで見ていたハンジさんとモブリットさんが、ホッとしたような、心配そうな顔をしていたことなんて、仲間だと思っていた敵からまさか殺されないように必死な私達は全然知らなかった。