◇第百二十一話◇迷子の天使
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自分の夕飯をサッと済ませた私は、ベッドの縁に腰かけて、お腹を空かせて泣き出したヨシュカにミルクを飲ませていた。
腕の中にすっぽりとおさまってしまうくらいの小さな体で、必死に生きるために哺乳瓶を吸う姿は、可愛らしさと勇ましさが共存していると思う。
「小せぇくせに、勇ましいな。」
ミルクを飲む姿を覗き込みながら、リヴァイ兵長は感心したように言う。
私と同じことを思ったのだと分かって、嬉しくなる。
『どういうことですか!?』
『父親が見つからねぇ。』
『そんな…!誰か必ずいるはずでしょう?!』
『誰も名乗り出ねぇんだ。調べればわかるかもしれねぇが
そのために、壁外調査前の貴重な時間を割くのは良くねぇとエルヴィンが判断した。
やっと調べ終えた頃に母親が迎えに来るなら余計にな。』
『…それは分かりました。でも、どうして、私がお世話なんですか?
赤ちゃんなんて、育てたことないのに…。』
『お前が…。』
『私が?』
『見つけたから…。』
『・・・・。』
『責任を持って、1週間預かれと、エルヴィンが…。』
『判断した?』
『あぁ。』
『それ、自分で言って、あれ?何かおかしいな?って思いませんでした?』
『…頼む!』
今、思い出しても意味が分からない。
あのとき、最初にヨシュカを見つけたのは絶対にエルヴィン団長だったはずだ。
その後にリヴァイ兵長で、最後に私だ。
私はただ、あの2人がパニックになっている間に、泣いているヨシュカを抱き上げただけだ。
それなのにー。
「ふふ、可愛い。」
ミルクを飲みほしたヨシュカは、あっという間に眠ってしまった。
気持ちよさそうに眠る寝顔は、とても可愛い。
「リヴァイ兵長はお部屋に戻っていいですよ。」
「なまえはどうするんだ。」
「医療兵のドクさんが言うには、このくらいの月齢の赤ちゃんは、
3時間くらいでミルクを欲しがるらしいので、ヨシュカが寝てる間に
私も寝てしまおうかなって。」
「あぁ、そういうことか。
じゃあ、俺がなまえを寝かしつけてやろう。」
「なんですか、それ。」
クスリと笑って、ヨシュカを起こしてしまわないように、そっと立ち上がる。
そして、リヴァイ兵長も見守る中、急遽私のベッド横に用意した簡易的なベビーベッドにヨシュカをゆっくりとおろすー。
「ォギャアアアアッ!」
「あ…。」
「泣いたな。」
起きてしまった。
猛烈に泣かせてしまった。
慌ててもう一度抱き上げる。
「よしよし、大丈夫だよ~。ねんね~、ねんねだよ~。」
腕の中で小さく揺らし、ヨシュカに優しく声をかける。
お腹いっぱいで眠たいヨシュカは、すぐに眠ってくれた。
ホッとして、私はもう一度、ベビーベッドにヨシュカをおろしてー。
「ォギャアアアアッ!」
「…。」
「ダメだな。」
もしかして、ベビーベッドで眠るのが嫌なのだろうか。
抱き上げれば、ヨシュカはあっという間に眠りに着いた。
「抱っこがいいのかな。」
「そうかもな。」
「んー…、じゃあ、仕方ないし、抱っこで寝かせておきます。」
ヨシュカを抱いてソファに腰を降ろした。
どうせまた数時間したら、お腹の空いたヨシュカに起こされるのなら、ここで抱っこしていてやろう。
「ずっとか?」
「寂しいのかもしれないから。」
気持ちよさそうに眠るヨシュカの柔らかい頬にそっと触れる。
赤ちゃんは、壊れてしまいそうなくらいか弱いのに、生命力に溢れている。
この世で最も神聖な存在な気がした。
そんなヨシュカなのに、何があったのかは分からないが、母親に置いてきぼりにされ、父親は名乗り出てもくれない。
それならせめて、私がお世話をしている間だけでも、寂しい想いをしなくてもいいようにー。
「俺も付き合う。」
リヴァイ兵長が隣に腰を降ろす。
「いいですよっ。リヴァイ兵長は明日もエレンの巨人化実験とか会議とか
忙しいでしょう?
ここで抱っこするだけだし、1人で出来ますよ。」
きっと、私に赤ちゃんを押しつけてしまって、申し訳なく思っているのだろう。
気を遣わなくてもいいからと、伝える。
でも、リヴァイ兵長は組んだ脚に乗せた肘で頬杖をついて、満足気な流し目を私によこしてー。
「なまえが赤ん坊抱いてる姿をもう少し見てぇだけだ。」
「そう、ですか…。」
嬉しいような、恥ずかしいような、照れ臭い気持ちで、私は誤魔化すようにヨシュカの頭を撫でた。
気持ちが良かったのか、口元が少し嬉しそうに微笑んでくれて、可愛いなぁと思う。
いつか、リヴァイ兵長の子供をー。
そんな夢を、見てもいいのだろうか。
そんなことを思っていると、リヴァイ兵長の指がおずおずとヨシュカの頬に触れた。
柔らかい頬に、ぷに、と指が沈む。
「柔らけぇ。」
リヴァイ兵長が、感動している。
それがなんだかとても愛おしくてー。
微笑ましい気持ちで、赤ちゃんに興味を持ち始めたリヴァイ兵長を見ていたのだけれどー。
「なまえの胸を揉んでるみてぇだ。」
前言撤回だ。
無垢な赤ちゃんのほっぺに触れて、何を思い出してるのか。
目が合ったのが合図みたいに、リヴァイ兵長の手が私の胸に伸びてきたので、赤ちゃんがママの元に帰るまではお預けだと教えてやる。
なぜ、死ぬほど驚いた顔をしたのか、理解に苦しむ。
「クソ、どこのどいつのガキだ。」
リヴァイ兵長が苛立った様子で、父親への怒りを吐き出す。
動機は不純だけれど、これで本気で赤ちゃんの父親を捜す気になってくれるなら、有難い。
腕の中にすっぽりとおさまってしまうくらいの小さな体で、必死に生きるために哺乳瓶を吸う姿は、可愛らしさと勇ましさが共存していると思う。
「小せぇくせに、勇ましいな。」
ミルクを飲む姿を覗き込みながら、リヴァイ兵長は感心したように言う。
私と同じことを思ったのだと分かって、嬉しくなる。
『どういうことですか!?』
『父親が見つからねぇ。』
『そんな…!誰か必ずいるはずでしょう?!』
『誰も名乗り出ねぇんだ。調べればわかるかもしれねぇが
そのために、壁外調査前の貴重な時間を割くのは良くねぇとエルヴィンが判断した。
やっと調べ終えた頃に母親が迎えに来るなら余計にな。』
『…それは分かりました。でも、どうして、私がお世話なんですか?
赤ちゃんなんて、育てたことないのに…。』
『お前が…。』
『私が?』
『見つけたから…。』
『・・・・。』
『責任を持って、1週間預かれと、エルヴィンが…。』
『判断した?』
『あぁ。』
『それ、自分で言って、あれ?何かおかしいな?って思いませんでした?』
『…頼む!』
今、思い出しても意味が分からない。
あのとき、最初にヨシュカを見つけたのは絶対にエルヴィン団長だったはずだ。
その後にリヴァイ兵長で、最後に私だ。
私はただ、あの2人がパニックになっている間に、泣いているヨシュカを抱き上げただけだ。
それなのにー。
「ふふ、可愛い。」
ミルクを飲みほしたヨシュカは、あっという間に眠ってしまった。
気持ちよさそうに眠る寝顔は、とても可愛い。
「リヴァイ兵長はお部屋に戻っていいですよ。」
「なまえはどうするんだ。」
「医療兵のドクさんが言うには、このくらいの月齢の赤ちゃんは、
3時間くらいでミルクを欲しがるらしいので、ヨシュカが寝てる間に
私も寝てしまおうかなって。」
「あぁ、そういうことか。
じゃあ、俺がなまえを寝かしつけてやろう。」
「なんですか、それ。」
クスリと笑って、ヨシュカを起こしてしまわないように、そっと立ち上がる。
そして、リヴァイ兵長も見守る中、急遽私のベッド横に用意した簡易的なベビーベッドにヨシュカをゆっくりとおろすー。
「ォギャアアアアッ!」
「あ…。」
「泣いたな。」
起きてしまった。
猛烈に泣かせてしまった。
慌ててもう一度抱き上げる。
「よしよし、大丈夫だよ~。ねんね~、ねんねだよ~。」
腕の中で小さく揺らし、ヨシュカに優しく声をかける。
お腹いっぱいで眠たいヨシュカは、すぐに眠ってくれた。
ホッとして、私はもう一度、ベビーベッドにヨシュカをおろしてー。
「ォギャアアアアッ!」
「…。」
「ダメだな。」
もしかして、ベビーベッドで眠るのが嫌なのだろうか。
抱き上げれば、ヨシュカはあっという間に眠りに着いた。
「抱っこがいいのかな。」
「そうかもな。」
「んー…、じゃあ、仕方ないし、抱っこで寝かせておきます。」
ヨシュカを抱いてソファに腰を降ろした。
どうせまた数時間したら、お腹の空いたヨシュカに起こされるのなら、ここで抱っこしていてやろう。
「ずっとか?」
「寂しいのかもしれないから。」
気持ちよさそうに眠るヨシュカの柔らかい頬にそっと触れる。
赤ちゃんは、壊れてしまいそうなくらいか弱いのに、生命力に溢れている。
この世で最も神聖な存在な気がした。
そんなヨシュカなのに、何があったのかは分からないが、母親に置いてきぼりにされ、父親は名乗り出てもくれない。
それならせめて、私がお世話をしている間だけでも、寂しい想いをしなくてもいいようにー。
「俺も付き合う。」
リヴァイ兵長が隣に腰を降ろす。
「いいですよっ。リヴァイ兵長は明日もエレンの巨人化実験とか会議とか
忙しいでしょう?
ここで抱っこするだけだし、1人で出来ますよ。」
きっと、私に赤ちゃんを押しつけてしまって、申し訳なく思っているのだろう。
気を遣わなくてもいいからと、伝える。
でも、リヴァイ兵長は組んだ脚に乗せた肘で頬杖をついて、満足気な流し目を私によこしてー。
「なまえが赤ん坊抱いてる姿をもう少し見てぇだけだ。」
「そう、ですか…。」
嬉しいような、恥ずかしいような、照れ臭い気持ちで、私は誤魔化すようにヨシュカの頭を撫でた。
気持ちが良かったのか、口元が少し嬉しそうに微笑んでくれて、可愛いなぁと思う。
いつか、リヴァイ兵長の子供をー。
そんな夢を、見てもいいのだろうか。
そんなことを思っていると、リヴァイ兵長の指がおずおずとヨシュカの頬に触れた。
柔らかい頬に、ぷに、と指が沈む。
「柔らけぇ。」
リヴァイ兵長が、感動している。
それがなんだかとても愛おしくてー。
微笑ましい気持ちで、赤ちゃんに興味を持ち始めたリヴァイ兵長を見ていたのだけれどー。
「なまえの胸を揉んでるみてぇだ。」
前言撤回だ。
無垢な赤ちゃんのほっぺに触れて、何を思い出してるのか。
目が合ったのが合図みたいに、リヴァイ兵長の手が私の胸に伸びてきたので、赤ちゃんがママの元に帰るまではお預けだと教えてやる。
なぜ、死ぬほど驚いた顔をしたのか、理解に苦しむ。
「クソ、どこのどいつのガキだ。」
リヴァイ兵長が苛立った様子で、父親への怒りを吐き出す。
動機は不純だけれど、これで本気で赤ちゃんの父親を捜す気になってくれるなら、有難い。