◇第百十七話◇いつか地平線を眺めるなら
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「…-。・・・・-。なまえ。」
肩を揺すられて、私はゆっくりと目を開く。
すぐ目の前で、さっきまで一緒に海を歩いていた人が、心配そうに私を見下ろしていた。
「あれ?教会は?もう美味しいもの食べました?」
「なに、寝ぼけてんだ。」
呆れた様に言ったリヴァイ兵長は、私の頬を撫でた。
しっとりと濡れたその指で、自分が泣いていることに気付く。
「美味いもん食う夢を見てたのか、悲しい夢だったのか。
食ったり、泣いたり、忙しいやつだな。」
ホッとした顔をしながら、リヴァイ兵長は悪戯っぽく言う。
でも、私の心はまだあの夢の世界にいた。
だから、なぜか悲しくて、胸が苦しかった。
私のものなのに、私のものではない感情が湧きあがってくる。
それは、悲しみで、苦しみで、喜びで。
胸が張り裂けそうだ。
どうしよう。怖い。私の知らないこの気持ちが、すごく怖い。
とても幸せな、幸せな夢を見たはずなのにー。
リヴァイ兵長に縋るように抱き着けば、優しい腕が私を抱きしめ返してくれた。
「やっと、出逢えたんだと思ったら、涙が出てきたんです。」
自分の口から出てきたそれが、自分の言葉かも分からなかった。
そもそも、誰に、やっと会えたと思ったのだろう。
夢に出てきた友人達だろうか。
彼らは、見覚えがあった。私の命を救ってくれた人達だ。
あんな夢を見たのは、寝る前に、リヴァイ兵長の過去の話を聞いたせいかもしれない。
私が、過去のリヴァイ兵長も欲しいと言ったからなのか、それとも、リヴァイ兵長も誰かに聞いて欲しかったのか。
長い時間をかけて、産まれたときから今日の日まで、リヴァイ兵長がどんな風に生きてきたのかを話してくれた。
そして、大切な人達の名前も。
ファーランとイザベルー。
リヴァイ兵長の大切な人達、今はもうこの世にいない大切な人達。
私は、彼らに夢で逢えて嬉しかったのだろうか。
分からない。何も分からないけれど、でもー。
肩に埋めた顔を上げれば、優しい瞳と視線が絡む。
あの夢の中の私とは違うけれど、そこにも確かに、幸せそうな私が映っていた。
「私、幸せです。リヴァイ兵長がいるだけで、幸せ。」
「あぁ、俺もだ。目が覚めたら、お前がいる。
欺瞞だらけの世界で、お前だけは心から信じられる。
俺はそれだけで、今、どんな世界で生きるよりも幸せだ。」
どちらからともなく、指を絡める。
もう二度と、二度と、離れないと誓い合うみたいにー。
肩を揺すられて、私はゆっくりと目を開く。
すぐ目の前で、さっきまで一緒に海を歩いていた人が、心配そうに私を見下ろしていた。
「あれ?教会は?もう美味しいもの食べました?」
「なに、寝ぼけてんだ。」
呆れた様に言ったリヴァイ兵長は、私の頬を撫でた。
しっとりと濡れたその指で、自分が泣いていることに気付く。
「美味いもん食う夢を見てたのか、悲しい夢だったのか。
食ったり、泣いたり、忙しいやつだな。」
ホッとした顔をしながら、リヴァイ兵長は悪戯っぽく言う。
でも、私の心はまだあの夢の世界にいた。
だから、なぜか悲しくて、胸が苦しかった。
私のものなのに、私のものではない感情が湧きあがってくる。
それは、悲しみで、苦しみで、喜びで。
胸が張り裂けそうだ。
どうしよう。怖い。私の知らないこの気持ちが、すごく怖い。
とても幸せな、幸せな夢を見たはずなのにー。
リヴァイ兵長に縋るように抱き着けば、優しい腕が私を抱きしめ返してくれた。
「やっと、出逢えたんだと思ったら、涙が出てきたんです。」
自分の口から出てきたそれが、自分の言葉かも分からなかった。
そもそも、誰に、やっと会えたと思ったのだろう。
夢に出てきた友人達だろうか。
彼らは、見覚えがあった。私の命を救ってくれた人達だ。
あんな夢を見たのは、寝る前に、リヴァイ兵長の過去の話を聞いたせいかもしれない。
私が、過去のリヴァイ兵長も欲しいと言ったからなのか、それとも、リヴァイ兵長も誰かに聞いて欲しかったのか。
長い時間をかけて、産まれたときから今日の日まで、リヴァイ兵長がどんな風に生きてきたのかを話してくれた。
そして、大切な人達の名前も。
ファーランとイザベルー。
リヴァイ兵長の大切な人達、今はもうこの世にいない大切な人達。
私は、彼らに夢で逢えて嬉しかったのだろうか。
分からない。何も分からないけれど、でもー。
肩に埋めた顔を上げれば、優しい瞳と視線が絡む。
あの夢の中の私とは違うけれど、そこにも確かに、幸せそうな私が映っていた。
「私、幸せです。リヴァイ兵長がいるだけで、幸せ。」
「あぁ、俺もだ。目が覚めたら、お前がいる。
欺瞞だらけの世界で、お前だけは心から信じられる。
俺はそれだけで、今、どんな世界で生きるよりも幸せだ。」
どちらからともなく、指を絡める。
もう二度と、二度と、離れないと誓い合うみたいにー。