◇第百十八話◇デート
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「機嫌がいいな。」
隣を歩く私を見るリヴァイ兵長の目が優しくて、少し恥ずかしくなる。
でも、機嫌が良くなるのも自然なことだ。
これで、平静を装うなんて出来ない。
だってー。
「だって、初めてのデートですよ。嬉しいんです。」
ハニかみながら言えば、リヴァイ兵長が私の髪をクシャリと撫でた。
朝、時間をかけて整えた髪だと知っているはずなのに。
でも、嬉しいからそれも許そう。
幸せという名前の砂糖をたっぷりかけたお菓子の世界を歩いているみたいな、そんな気分だ。
無意識にスキップになって、すれ違った子供に不思議そうに見られてしまった。
「初めてリヴァイ兵長とトロスト区を歩いたのが、すごく昔な気がします。」
「あぁ、そうだな。」
巨人に踏み荒らされたトロスト区の街並みは相変わらずで、人々が必死に今を生きている。
あのときのままだ。
壁外任務に一緒に行くことになったリヴァイ兵長と交流を深めるようにハンジさんから指示され、不本意なままで一緒にトロスト区を出た。
あの日、人類最強で、大嫌いな兵士と一緒に休日を過ごすなんて、最低最悪だと思った。
こんな休日、もう二度と御免だと思ったのにー。
隣を歩くリヴァイ兵長を見て、すごく不思議な気持ちになる。
あのときと何か変わったわけじゃない。
実年齢よりもだいぶ若く見えるリヴァイ兵長が、急激に老けたわけでもないし、若返りしたわけでもない。
身長が伸びたわけでも、縮んだわけでもない。
それなのに、あの日の私の瞳が映したリヴァイ兵長とは、何もかもが違って見える。
まぁ、そもそも、あの日はリヴァイ兵長も不本意な休日だったようで、とても不機嫌だったけれどー。
「なんだ、人の顔をジロジロ見やがって。」
「カッコいいなぁ、と思って。」
「何言ってんだ。」
飽きれたように言ったリヴァイ兵長は、私の手に自分の手を重ねた。
そして、指を絡めるように繋ぐ。
こんな日が来るなんて、誰が思っただろう。想像しただろう。
でも、今、確かに私とリヴァイ兵長は手を重ねて歩いていて、その胸には愛という名前がつくものを刻んでいる。
ハンジさんが私を見つけなければ、私は調査兵団に入団するどころか、彼らと関わることすらなかっただろう。
そして、今もきっと愛が何かも分からないままで、知っているような気になって、生きるということが何なのかすらも知らないまま、何でもない日常の中で、人類のために命を懸けて戦っている人類最強の兵士の名前を右から左に聞き流していた違いない。
そして、トロスト区の通りですれ違っても、私も、リヴァイ兵長も、お互い気づかずに通り過ぎていたー。
そう思うと、怖くなって、繋ぐ手に力が入る。
「で、何処に行きてぇんだ?」
「決めてなかったです。どこに行きますか?」
「とりあえず、いつもの店行くか。」
「そうですねっ。」
私の手を引くリヴァイ兵長の隣を歩く。
あの日、もう二度と御免だと思った休日。
今日の私は、この休日が終わらなければいいのにと願ってる。
次の休日も、こんな風に過ごせたらいいのにと願っている。
不思議だ。
人生というのはとても不思議で、素敵な偶然で出来ているらしい。
隣を歩く私を見るリヴァイ兵長の目が優しくて、少し恥ずかしくなる。
でも、機嫌が良くなるのも自然なことだ。
これで、平静を装うなんて出来ない。
だってー。
「だって、初めてのデートですよ。嬉しいんです。」
ハニかみながら言えば、リヴァイ兵長が私の髪をクシャリと撫でた。
朝、時間をかけて整えた髪だと知っているはずなのに。
でも、嬉しいからそれも許そう。
幸せという名前の砂糖をたっぷりかけたお菓子の世界を歩いているみたいな、そんな気分だ。
無意識にスキップになって、すれ違った子供に不思議そうに見られてしまった。
「初めてリヴァイ兵長とトロスト区を歩いたのが、すごく昔な気がします。」
「あぁ、そうだな。」
巨人に踏み荒らされたトロスト区の街並みは相変わらずで、人々が必死に今を生きている。
あのときのままだ。
壁外任務に一緒に行くことになったリヴァイ兵長と交流を深めるようにハンジさんから指示され、不本意なままで一緒にトロスト区を出た。
あの日、人類最強で、大嫌いな兵士と一緒に休日を過ごすなんて、最低最悪だと思った。
こんな休日、もう二度と御免だと思ったのにー。
隣を歩くリヴァイ兵長を見て、すごく不思議な気持ちになる。
あのときと何か変わったわけじゃない。
実年齢よりもだいぶ若く見えるリヴァイ兵長が、急激に老けたわけでもないし、若返りしたわけでもない。
身長が伸びたわけでも、縮んだわけでもない。
それなのに、あの日の私の瞳が映したリヴァイ兵長とは、何もかもが違って見える。
まぁ、そもそも、あの日はリヴァイ兵長も不本意な休日だったようで、とても不機嫌だったけれどー。
「なんだ、人の顔をジロジロ見やがって。」
「カッコいいなぁ、と思って。」
「何言ってんだ。」
飽きれたように言ったリヴァイ兵長は、私の手に自分の手を重ねた。
そして、指を絡めるように繋ぐ。
こんな日が来るなんて、誰が思っただろう。想像しただろう。
でも、今、確かに私とリヴァイ兵長は手を重ねて歩いていて、その胸には愛という名前がつくものを刻んでいる。
ハンジさんが私を見つけなければ、私は調査兵団に入団するどころか、彼らと関わることすらなかっただろう。
そして、今もきっと愛が何かも分からないままで、知っているような気になって、生きるということが何なのかすらも知らないまま、何でもない日常の中で、人類のために命を懸けて戦っている人類最強の兵士の名前を右から左に聞き流していた違いない。
そして、トロスト区の通りですれ違っても、私も、リヴァイ兵長も、お互い気づかずに通り過ぎていたー。
そう思うと、怖くなって、繋ぐ手に力が入る。
「で、何処に行きてぇんだ?」
「決めてなかったです。どこに行きますか?」
「とりあえず、いつもの店行くか。」
「そうですねっ。」
私の手を引くリヴァイ兵長の隣を歩く。
あの日、もう二度と御免だと思った休日。
今日の私は、この休日が終わらなければいいのにと願ってる。
次の休日も、こんな風に過ごせたらいいのにと願っている。
不思議だ。
人生というのはとても不思議で、素敵な偶然で出来ているらしい。