◇第百十三話◇長距離索敵陣形の配置
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「…でも、そんなに離れてもいないと思うんだけどな~。」
夜、部屋に戻った私は、ふと、ライナーの言っていた言葉を思い出して、デスクの引き出しから長距離索敵陣形の配置図を引っ張り出した。
疲れた身体が休みたいと言っているから、ベッドに背中からダイブして、仰向けに寝転んだ状態で長距離索敵陣形の配置図を確認する。
リヴァイ班の配置は、五列中央・待機。そして、私の所属するハンジ班の配置は、四列中央・荷馬車護衛班だ。
確かに、長距離索敵陣形では、それぞれが距離を取って馬を走らせる。だから、隣の配置だとしてもその姿が見えることはない。
でも、離れていて不安、と思うような配置図ではないと思うのだけれどー。
「何をひとりでブツブツ言ってんだ。」
自分の部屋のように入ってきたリヴァイ兵長は、両手にティーカップを持っていた。
そして、ベッドの縁に腰かけると、身体を起こして隣に並んで座った私に白い翼の飾りがついた方のティーカップを渡す。
自然なその流れも、リヴァイ兵長の優しさも嬉しくて、ついつい、礼を言う頬が緩んでしまう。
「今日、新兵の訓練指導だったんですけど、その時に
リヴァイ兵長と配置が離れて寂しいんじゃないのかって言われたんです。」
「寂しいのか?」
「そうじゃなくて、別に離れてないよな~と思って。」
「あぁ、そういうことか。」
リヴァイ兵長は納得したように言って、私が持っている長距離索敵陣形の配置図を眺め始める。
紅茶を口に運びながら、真剣に配置図を見ている横顔は、任務中とはまた違った仕事をする男の色気が出ると思う。
ずっと眺めていられそうー。
「陣形の説明はお前の仕事じゃねぇだろ。
そんなことより、生きて帰ってくる方法を教えてやれ。」
「みんな、すごい優秀で私が何を教えればいいか分かんないくらいなんですよ。
それに、長距離索敵陣形のことは休憩中の雑談ですよ。」
「そうか、じゃあ、休憩中の雑談禁止だ。」
「えー。」
「まぁ、俺となまえの配置が同じじゃねぇから、そう思っただけだろ。」
「やっぱりそうですよね。
私、どんだけリヴァイ兵長と一緒にいたいって思われてるんだろう。
恥ずかしい…。」
ティーカップを口元に持って行って、顔を隠す。
恋人になったからって、同じ配置になんてー。
「いいなぁ、ペトラはオルオと一緒で。」
言ってしまってから、口が滑ったことに気づいた。
瞳だけ動かしてリヴァイ兵長を見ると、目が合ってしまった。
絶対に呆れられるか、からかわれるのかと思った。
でもー。
「ハンジ達の指示には必ず従え。
そして、危険を感じたら、必ず俺のところへ来い。」
リヴァイ兵長は、とても真剣だった。
まるで、絶対に、危険を感じる事態に陥ると確信しているみたいにー。
急にとてつもない不安に襲われて、私はすぐに返事が出来なかった。
夜、部屋に戻った私は、ふと、ライナーの言っていた言葉を思い出して、デスクの引き出しから長距離索敵陣形の配置図を引っ張り出した。
疲れた身体が休みたいと言っているから、ベッドに背中からダイブして、仰向けに寝転んだ状態で長距離索敵陣形の配置図を確認する。
リヴァイ班の配置は、五列中央・待機。そして、私の所属するハンジ班の配置は、四列中央・荷馬車護衛班だ。
確かに、長距離索敵陣形では、それぞれが距離を取って馬を走らせる。だから、隣の配置だとしてもその姿が見えることはない。
でも、離れていて不安、と思うような配置図ではないと思うのだけれどー。
「何をひとりでブツブツ言ってんだ。」
自分の部屋のように入ってきたリヴァイ兵長は、両手にティーカップを持っていた。
そして、ベッドの縁に腰かけると、身体を起こして隣に並んで座った私に白い翼の飾りがついた方のティーカップを渡す。
自然なその流れも、リヴァイ兵長の優しさも嬉しくて、ついつい、礼を言う頬が緩んでしまう。
「今日、新兵の訓練指導だったんですけど、その時に
リヴァイ兵長と配置が離れて寂しいんじゃないのかって言われたんです。」
「寂しいのか?」
「そうじゃなくて、別に離れてないよな~と思って。」
「あぁ、そういうことか。」
リヴァイ兵長は納得したように言って、私が持っている長距離索敵陣形の配置図を眺め始める。
紅茶を口に運びながら、真剣に配置図を見ている横顔は、任務中とはまた違った仕事をする男の色気が出ると思う。
ずっと眺めていられそうー。
「陣形の説明はお前の仕事じゃねぇだろ。
そんなことより、生きて帰ってくる方法を教えてやれ。」
「みんな、すごい優秀で私が何を教えればいいか分かんないくらいなんですよ。
それに、長距離索敵陣形のことは休憩中の雑談ですよ。」
「そうか、じゃあ、休憩中の雑談禁止だ。」
「えー。」
「まぁ、俺となまえの配置が同じじゃねぇから、そう思っただけだろ。」
「やっぱりそうですよね。
私、どんだけリヴァイ兵長と一緒にいたいって思われてるんだろう。
恥ずかしい…。」
ティーカップを口元に持って行って、顔を隠す。
恋人になったからって、同じ配置になんてー。
「いいなぁ、ペトラはオルオと一緒で。」
言ってしまってから、口が滑ったことに気づいた。
瞳だけ動かしてリヴァイ兵長を見ると、目が合ってしまった。
絶対に呆れられるか、からかわれるのかと思った。
でもー。
「ハンジ達の指示には必ず従え。
そして、危険を感じたら、必ず俺のところへ来い。」
リヴァイ兵長は、とても真剣だった。
まるで、絶対に、危険を感じる事態に陥ると確信しているみたいにー。
急にとてつもない不安に襲われて、私はすぐに返事が出来なかった。