◇第百十二話◇仲直り
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初めての喧嘩は、拗ね続ける私に、最終的にリヴァイ兵長が折れて謝って終わった。
今でも、私がどれだけ悲しかったかを分かってくれなかったリヴァイ兵長の方が絶対に悪いと思っている。
でも、どうにもならないことを子供のように怒って、困らせてしまった私も悪かった。
ー少しだけ。
だって、それくらいすごく悲しかったからー。
デスクで書類仕事をしていた私は、なかなか動かないペンにため息をついて、壁掛けの時計を確認する。
今日が昨日になって、いつの間にか2時間も過ぎていたらしい。
終わる気がしない書類に、もう一度ため息を吐いたとき、リヴァイ兵長の執務室と繋がる扉が開いた。
「また寝てなかったのか。」
扉を開けたリヴァイ兵長は、デスクにいる私を見て驚いていた。
でも、私もとても驚いた。
リヴァイ兵長は、数日前から、ジーニー達の件でストヘス区の憲兵団施設へ出張していて、帰りは明日のお昼以降だと聞いていたのにー。
「おかえりなさい。帰りは明日だと思ってました。」
「エルヴィンとミケは泊ってくるから、明日の昼になる。」
「リヴァイ兵長だけ帰って来たんですか?
明日、リヴァイ班は何かあるんですか?」
「バカか、お前が寂しいと思っただけだ。」
デスクの椅子に座る私を、リヴァイ兵長が後ろから包み込むように抱きしめる。
外の風に当たっていたせいか、身体が触れたところがひんやりと冷たかった。
「会いたかったけど、まだ怪我は完治してないんですから
無理しないでくださいよ。」
「そうだな。これ以上延期になったら最悪だ。気をつけよう。」
「そういうことじゃないです。」
本気で勘違いしているからこそ、珍しく素直なリヴァイ兵長に、私からはため息が出る。
「それで、お前はこんな遅い時間まで仕事か?」
リヴァイ兵長は書類を手に取ると、デスクの上に腰かけた。
そして、とても興味なさそうに書類を読み始める。
そういえば、リヴァイ兵長の執務室のデスクにもたくさんの書類が乗っていたけれど、あれは終わらせるつもりはあるのだろうか。
まさか、私に押し付ける気ではなければいいー。
他のことは面倒くさいくらいにキッチリしているのに、どうして書類仕事に関しては、やる気がないのだろう。
「ジーニー達の件でまだ報告しないといけないことがあって、
昨日、憲兵団から必要書類が送られてきたんです。」
「この前は、襲われたときの状況説明を書類に書いてなかったか?」
「それは被害者側の書類らしくて、
今回のは、壁外任務中のジーニー達の任務態度を班長として
報告しないといけないんです。」
「クソだな。適当に書いとけ、そんなもん。」
リヴァイ兵長は苛立ち気味に言って、書類をデスクの上に投げ捨てる。
「ダメですよ。この報告書の内容も考慮して、
ジーニー達の刑が決まるんですから。」
デスクの上に散らばった書類を手に取る。
そこには、任務中の彼女達の仕事ぶりについて詳しく書く欄がいくつも用意されている。
でも正直、何を書けばいいのか分からない。
彼女達は任務中おかしなところはなかったと思うしー。
エイクが言うには、任務中にも私を殺そうとしたことがあったらしいのだけれど、それがいつなのかも分からないのだ。
この書類は、私の話とジーニー達の話の正誤性を確かめるという意図もあると思うのだけれどー。
とりあえずは、怖ろしい計画を立てていたにしても、彼女達は調査兵として任務を果たしていたことだけはちゃんと書こうと思う。
ジーニーの動機が、リヴァイ兵長への恋心だったとペトラから聞いた。
だからというわけではないけれど、きっとすごく苦しかったんだろうなって、分かるからー。
「なまえ、まさかー。」
リヴァイ兵長が何かを言いかけて止めてしまった。
不思議に思って顔を上げたら、目が合った。
「どうかしました?」
「いや、お前らしいと思っただけだ。好きなようにやればいい。」
リヴァイ兵長は苦笑気味に言って、私の髪をクシャリと撫でた。
それから、書類は明日でいいーと兵士長から直々の嬉しい命令を貰い、私は喜んでデスクの上を片付ける。
「早く帰ってきたもう一つの理由だ。」
私がデスクを片付け終わるタイミングで、リヴァイ兵長は紙袋を渡してきた。
お土産らしい。
受け取ると、中に木箱が入っているのが分かった。
もしかしてー。
「開けてもいいですか?」
ソファに座ってから、リヴァイ兵長に確認する。
隣に座ったリヴァイ兵長の許可を貰い、私はドキドキしながら木箱の蓋を開けた。
木箱に入っていたのは、ティーカップだった。
割れた宝物とは違うけれど、これはこれで私がとても嬉しいもの。
だってー。
「お揃いだ…!」
私がウォール・ローゼのお土産で買ってきたティーカップとの色違いだった。
リヴァイ兵長は黒い翼、私は白い翼。
宝物と同じ白い翼の飾りな上、リヴァイ兵長とお揃いだなんて嬉しすぎる。
「気に入ったか?」
「はい!嬉しい…!ありがとうございます!」
思わず抱きついた私を、リヴァイ兵長も抱きしめ返してくれる。
いつの間にか、外の風で冷えていたリヴァイ兵長の身体は温かくなっていた。
今でも、私がどれだけ悲しかったかを分かってくれなかったリヴァイ兵長の方が絶対に悪いと思っている。
でも、どうにもならないことを子供のように怒って、困らせてしまった私も悪かった。
ー少しだけ。
だって、それくらいすごく悲しかったからー。
デスクで書類仕事をしていた私は、なかなか動かないペンにため息をついて、壁掛けの時計を確認する。
今日が昨日になって、いつの間にか2時間も過ぎていたらしい。
終わる気がしない書類に、もう一度ため息を吐いたとき、リヴァイ兵長の執務室と繋がる扉が開いた。
「また寝てなかったのか。」
扉を開けたリヴァイ兵長は、デスクにいる私を見て驚いていた。
でも、私もとても驚いた。
リヴァイ兵長は、数日前から、ジーニー達の件でストヘス区の憲兵団施設へ出張していて、帰りは明日のお昼以降だと聞いていたのにー。
「おかえりなさい。帰りは明日だと思ってました。」
「エルヴィンとミケは泊ってくるから、明日の昼になる。」
「リヴァイ兵長だけ帰って来たんですか?
明日、リヴァイ班は何かあるんですか?」
「バカか、お前が寂しいと思っただけだ。」
デスクの椅子に座る私を、リヴァイ兵長が後ろから包み込むように抱きしめる。
外の風に当たっていたせいか、身体が触れたところがひんやりと冷たかった。
「会いたかったけど、まだ怪我は完治してないんですから
無理しないでくださいよ。」
「そうだな。これ以上延期になったら最悪だ。気をつけよう。」
「そういうことじゃないです。」
本気で勘違いしているからこそ、珍しく素直なリヴァイ兵長に、私からはため息が出る。
「それで、お前はこんな遅い時間まで仕事か?」
リヴァイ兵長は書類を手に取ると、デスクの上に腰かけた。
そして、とても興味なさそうに書類を読み始める。
そういえば、リヴァイ兵長の執務室のデスクにもたくさんの書類が乗っていたけれど、あれは終わらせるつもりはあるのだろうか。
まさか、私に押し付ける気ではなければいいー。
他のことは面倒くさいくらいにキッチリしているのに、どうして書類仕事に関しては、やる気がないのだろう。
「ジーニー達の件でまだ報告しないといけないことがあって、
昨日、憲兵団から必要書類が送られてきたんです。」
「この前は、襲われたときの状況説明を書類に書いてなかったか?」
「それは被害者側の書類らしくて、
今回のは、壁外任務中のジーニー達の任務態度を班長として
報告しないといけないんです。」
「クソだな。適当に書いとけ、そんなもん。」
リヴァイ兵長は苛立ち気味に言って、書類をデスクの上に投げ捨てる。
「ダメですよ。この報告書の内容も考慮して、
ジーニー達の刑が決まるんですから。」
デスクの上に散らばった書類を手に取る。
そこには、任務中の彼女達の仕事ぶりについて詳しく書く欄がいくつも用意されている。
でも正直、何を書けばいいのか分からない。
彼女達は任務中おかしなところはなかったと思うしー。
エイクが言うには、任務中にも私を殺そうとしたことがあったらしいのだけれど、それがいつなのかも分からないのだ。
この書類は、私の話とジーニー達の話の正誤性を確かめるという意図もあると思うのだけれどー。
とりあえずは、怖ろしい計画を立てていたにしても、彼女達は調査兵として任務を果たしていたことだけはちゃんと書こうと思う。
ジーニーの動機が、リヴァイ兵長への恋心だったとペトラから聞いた。
だからというわけではないけれど、きっとすごく苦しかったんだろうなって、分かるからー。
「なまえ、まさかー。」
リヴァイ兵長が何かを言いかけて止めてしまった。
不思議に思って顔を上げたら、目が合った。
「どうかしました?」
「いや、お前らしいと思っただけだ。好きなようにやればいい。」
リヴァイ兵長は苦笑気味に言って、私の髪をクシャリと撫でた。
それから、書類は明日でいいーと兵士長から直々の嬉しい命令を貰い、私は喜んでデスクの上を片付ける。
「早く帰ってきたもう一つの理由だ。」
私がデスクを片付け終わるタイミングで、リヴァイ兵長は紙袋を渡してきた。
お土産らしい。
受け取ると、中に木箱が入っているのが分かった。
もしかしてー。
「開けてもいいですか?」
ソファに座ってから、リヴァイ兵長に確認する。
隣に座ったリヴァイ兵長の許可を貰い、私はドキドキしながら木箱の蓋を開けた。
木箱に入っていたのは、ティーカップだった。
割れた宝物とは違うけれど、これはこれで私がとても嬉しいもの。
だってー。
「お揃いだ…!」
私がウォール・ローゼのお土産で買ってきたティーカップとの色違いだった。
リヴァイ兵長は黒い翼、私は白い翼。
宝物と同じ白い翼の飾りな上、リヴァイ兵長とお揃いだなんて嬉しすぎる。
「気に入ったか?」
「はい!嬉しい…!ありがとうございます!」
思わず抱きついた私を、リヴァイ兵長も抱きしめ返してくれる。
いつの間にか、外の風で冷えていたリヴァイ兵長の身体は温かくなっていた。