◇第百十一話◇君と、貴方と、2人だけの幸せな物語をこれからも
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漸く熱が下がった私は、ハンジさんとモブリットさんの好意で引っ越した部屋を改めて見渡して、喜びをー。
「…これは…。」
掌の上で、可哀想な姿になってしまっている宝物を見下ろし、私は絶望に打ちひしがれていた。
熱が下がったことを知ったハンジ班やリヴァイ班のみんなが、夕食の後に部屋に会いに来てくれた。
快気祝いだと、美味しそうなホールのケーキと紅茶の葉をくれた。
スキップして、リヴァイ兵長の部屋にある給湯室に向かった。
食器棚から、宝物のティーカップを取り出そうとしてー。
なぜー。
一体、何がー。
パニックになって、真っ二つに割れたティーカップを部屋に持っていくと、みんな、この惨状を知っているようだった。
「ごめんねぇ、なまえ。
私がミスって落としちゃったんだ。」
アハハハー。
ハンジさんが頭を掻いた。なぜかとても愉快そうに。
いやいや、何も面白くない。
笑えない。笑えない。
「人生、最期の言葉は、何がいいですか。」
「え?」
ケーキを切るために用意していたナイフを掴む。
許せない。本当に許せない。
こればっかりは、上官だとか関係なくー。
怒りに任せてナイフを振り上げた。
「ギャーーーーッ!!ごめぇぇぇぇええんッ!!」
「ごめんで済んだら、憲兵団はいらないんですッ!!」
慌ててモブリットさんが、ハンジさんを守った。
でも、振り下ろそうとした私の両腕は後ろからリヴァイ兵長に拘束されていてー。
「なんで、リヴァイ兵長が止めるんですか!?
ハンジさんを真っ二つにするくらいいいでしょう!?
私のティーカップの痛みをあの奇行種に味わわせなければ…!!!」
「いいわけねぇだろうが。」
「どうしてですか!?私の宝物が…!!」
「そんなもん、また買ってやる。くだらねぇことで騒ぐんじゃねぇ。」
リヴァイ兵長の飽きれた声が、私の頂点を知らない怒りの矛先を変えた。
宝物を真っ二つに割って、ヘラヘラ笑ったハンジさんへの怒りを忘れさせるくらいにー。
力任せに両腕を後ろに勢いよく振れば、無防備なリヴァイ兵長の鳩尾に私の両肘が入った。
不意のそれに、リヴァイ兵長が思わず痛そうな声を上げて私から離れた。
ほとんど骨はくっついているらしいが、まだ完治しているわけじゃない。
また、骨にひびが入ってたらどうしようー。
ほんの一瞬、心配してしまったけど、でも、許してやらない。
「てめぇ、何しやがる。」
リヴァイ兵長が怖い顔で私を見た。
でも、私だって怒っているんだから、そんなの全然怖くない。
ーちょっとしか。
「私の宝物は、そんなもんじゃありません!
だから、全然くだらなくなんかない!」
私はテーブルの上で横たわっているティーカップを指さした。
可哀想に、真っ二つに割れてしまってー。
もう二度と使ってあげられない。
「何を怒ってんだ。
そんなに気に入ってたんなら、また買ってやるって言ってんだろおが。」
「コレは、リヴァイ兵長からの初めてのプレゼントなんです!
世界に一つだけのものだったんだから!
私は、コ・レ・が!宝物だったんですッ!他のじゃダメなのッ!!」
「ガキみてぇなこと言ってんじゃねぇよ。
割れちまったもんは、仕方ねぇだろ。」
私がどんなに必死に、宝物の大切さを訴えても、リヴァイ兵長は飽きれた顔をするばかりだ。
挙句の果てには、ガキ呼ばわりだなんてひどすぎる。
それならー。
「じゃあ、リヴァイ兵長のコレも、
私が間違って割っちまっても仕方ねぇ、ですよね?」
テーブルの上から、リヴァイ兵長の黒い翼の飾りがついたティーカップを取り上げようとしてー。
「ダメだ。」
リヴァイ兵長が、自分の宝物を守る方が早かった。
腕の中で、まるで自分の子供のように抱きしめてる。
本当に嬉しいー、じゃなくて、憎たらしい。
「どうしてですかっ。私の宝物は割れて仕方ないって言うなら、
リヴァイ兵長の宝物だって割れても仕方ないでしょうっ。」
「いいわけねぇだろうが。
コレはお前から貰ったティーカップだ。割れていいわけがねぇ。」
「また買ってあげますよ。」
「他のはいらねぇ。コレじゃねぇとダメだ」
「ほら!私と一緒じゃないですか!」
「…。」
「無視ッ!?」
「あぁ、もう、うるせぇな。次の非番のときにでもー。」
リヴァイ兵長の顔にクッションをぶん投げた。
少し硬めのやつをわざと選ぶくらいの余裕はあった。ざまみろだ。
だって、リヴァイ兵長が飽きれたを通り越して、凄く面倒くさそうな顔をした。
ヒドイ。
でも、怒られたら怖いから、ベッドに飛び乗って、枕と膝を抱きしめて、顔を埋める。
私の宝物なのにー。
リヴァイ兵長からもらった最初のプレゼントなのにー。
調査兵団への入団が決まって、不安で怖くて仕方がないときに、リヴァイ兵長がくれたー。
このティーカップで紅茶を飲んで、不安も寂しさも飲み込んで、心も身体も温めてきたのにー。
「あー…と、私達は部屋に戻ろうかな…。」
「仕事も残ってますしね…。」
「え?ケーキ、食べないんですか?俺、楽しみにー。」
「さすがに空気読め、エレン。」
「なまえ、あんまりリヴァイ兵長を困らせちゃダメだよ。」
発端を作ったはずのハンジさんから順に、快気祝いにやって来てくれたみんなが、部屋に戻る準備を始める。
私は、クッションに顔を埋めて拗ねていたから知らなかったけれどー。
「リヴァイ兵長、俺は兵長の味方ですから。」
オルオがリヴァイ兵長の肩に手を乗せて、史上最悪に恐ろしい顔で睨まれたらしい。
「…これは…。」
掌の上で、可哀想な姿になってしまっている宝物を見下ろし、私は絶望に打ちひしがれていた。
熱が下がったことを知ったハンジ班やリヴァイ班のみんなが、夕食の後に部屋に会いに来てくれた。
快気祝いだと、美味しそうなホールのケーキと紅茶の葉をくれた。
スキップして、リヴァイ兵長の部屋にある給湯室に向かった。
食器棚から、宝物のティーカップを取り出そうとしてー。
なぜー。
一体、何がー。
パニックになって、真っ二つに割れたティーカップを部屋に持っていくと、みんな、この惨状を知っているようだった。
「ごめんねぇ、なまえ。
私がミスって落としちゃったんだ。」
アハハハー。
ハンジさんが頭を掻いた。なぜかとても愉快そうに。
いやいや、何も面白くない。
笑えない。笑えない。
「人生、最期の言葉は、何がいいですか。」
「え?」
ケーキを切るために用意していたナイフを掴む。
許せない。本当に許せない。
こればっかりは、上官だとか関係なくー。
怒りに任せてナイフを振り上げた。
「ギャーーーーッ!!ごめぇぇぇぇええんッ!!」
「ごめんで済んだら、憲兵団はいらないんですッ!!」
慌ててモブリットさんが、ハンジさんを守った。
でも、振り下ろそうとした私の両腕は後ろからリヴァイ兵長に拘束されていてー。
「なんで、リヴァイ兵長が止めるんですか!?
ハンジさんを真っ二つにするくらいいいでしょう!?
私のティーカップの痛みをあの奇行種に味わわせなければ…!!!」
「いいわけねぇだろうが。」
「どうしてですか!?私の宝物が…!!」
「そんなもん、また買ってやる。くだらねぇことで騒ぐんじゃねぇ。」
リヴァイ兵長の飽きれた声が、私の頂点を知らない怒りの矛先を変えた。
宝物を真っ二つに割って、ヘラヘラ笑ったハンジさんへの怒りを忘れさせるくらいにー。
力任せに両腕を後ろに勢いよく振れば、無防備なリヴァイ兵長の鳩尾に私の両肘が入った。
不意のそれに、リヴァイ兵長が思わず痛そうな声を上げて私から離れた。
ほとんど骨はくっついているらしいが、まだ完治しているわけじゃない。
また、骨にひびが入ってたらどうしようー。
ほんの一瞬、心配してしまったけど、でも、許してやらない。
「てめぇ、何しやがる。」
リヴァイ兵長が怖い顔で私を見た。
でも、私だって怒っているんだから、そんなの全然怖くない。
ーちょっとしか。
「私の宝物は、そんなもんじゃありません!
だから、全然くだらなくなんかない!」
私はテーブルの上で横たわっているティーカップを指さした。
可哀想に、真っ二つに割れてしまってー。
もう二度と使ってあげられない。
「何を怒ってんだ。
そんなに気に入ってたんなら、また買ってやるって言ってんだろおが。」
「コレは、リヴァイ兵長からの初めてのプレゼントなんです!
世界に一つだけのものだったんだから!
私は、コ・レ・が!宝物だったんですッ!他のじゃダメなのッ!!」
「ガキみてぇなこと言ってんじゃねぇよ。
割れちまったもんは、仕方ねぇだろ。」
私がどんなに必死に、宝物の大切さを訴えても、リヴァイ兵長は飽きれた顔をするばかりだ。
挙句の果てには、ガキ呼ばわりだなんてひどすぎる。
それならー。
「じゃあ、リヴァイ兵長のコレも、
私が間違って割っちまっても仕方ねぇ、ですよね?」
テーブルの上から、リヴァイ兵長の黒い翼の飾りがついたティーカップを取り上げようとしてー。
「ダメだ。」
リヴァイ兵長が、自分の宝物を守る方が早かった。
腕の中で、まるで自分の子供のように抱きしめてる。
本当に嬉しいー、じゃなくて、憎たらしい。
「どうしてですかっ。私の宝物は割れて仕方ないって言うなら、
リヴァイ兵長の宝物だって割れても仕方ないでしょうっ。」
「いいわけねぇだろうが。
コレはお前から貰ったティーカップだ。割れていいわけがねぇ。」
「また買ってあげますよ。」
「他のはいらねぇ。コレじゃねぇとダメだ」
「ほら!私と一緒じゃないですか!」
「…。」
「無視ッ!?」
「あぁ、もう、うるせぇな。次の非番のときにでもー。」
リヴァイ兵長の顔にクッションをぶん投げた。
少し硬めのやつをわざと選ぶくらいの余裕はあった。ざまみろだ。
だって、リヴァイ兵長が飽きれたを通り越して、凄く面倒くさそうな顔をした。
ヒドイ。
でも、怒られたら怖いから、ベッドに飛び乗って、枕と膝を抱きしめて、顔を埋める。
私の宝物なのにー。
リヴァイ兵長からもらった最初のプレゼントなのにー。
調査兵団への入団が決まって、不安で怖くて仕方がないときに、リヴァイ兵長がくれたー。
このティーカップで紅茶を飲んで、不安も寂しさも飲み込んで、心も身体も温めてきたのにー。
「あー…と、私達は部屋に戻ろうかな…。」
「仕事も残ってますしね…。」
「え?ケーキ、食べないんですか?俺、楽しみにー。」
「さすがに空気読め、エレン。」
「なまえ、あんまりリヴァイ兵長を困らせちゃダメだよ。」
発端を作ったはずのハンジさんから順に、快気祝いにやって来てくれたみんなが、部屋に戻る準備を始める。
私は、クッションに顔を埋めて拗ねていたから知らなかったけれどー。
「リヴァイ兵長、俺は兵長の味方ですから。」
オルオがリヴァイ兵長の肩に手を乗せて、史上最悪に恐ろしい顔で睨まれたらしい。