◇第百十話◇ただひたすら、信じた
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月明かりに照らされ、壊れた教会の中央で眠るなまえに駆け寄った。
眠っているだけだ、死んでいないー。
どうか、生きていてー。
神に願うなんてしないはずなのに、祈るように抱き上げれば、なまえが眉を顰めた。
あぁ、生きているー。
雨に濡れて冷えた身体を温めてやりたいなんて思っていたことも忘れて、リヴァイは力の限りになまえを抱きしめた。
温かいー。
それだけで、こんなに嬉しいなんてー。
「リヴァ、イ、兵ちょう…?」
耳元で弱弱しい声を聞いて、そっと身体を離す。
目にかかる前髪を指ですくってやれば、綺麗な瞳と視線が重なる。
その途端に、こんな壁外の廃墟の中で、世界一安心したような笑みを浮かべるから、どうしようもないくらいに愛おしさが溢れる。
「ほら…、私、生きてる、でしょ?約束、守ったでしょう…?」
「あぁ…っ、よくやったっ、褒めてやる…!」
弱弱しい声で、何を自慢気に言っているのだ。
つらかったくせに、怖かったくせに、たまらなく心細かったくせにー。
頬に触れた。
ひんやりと冷たくて、ここでずっと凍えていたのだと思うと、胸が張り裂けそうだった。
もっと早く、助けに来てやりたかった。
いや、こんな思いさせたくなんかなかったのにー。
「信じて、ました…?」
「あぁ。信じてた…!」
躊躇わずに出たそれが、嘘か本当か、自分でも分からなかった。
ただ分かるのは、愛しているということ。
彼女の唇が動き、作ってくれた言葉ならば、自分にとってそれはすべて真実になってしまうくらい、愛してるということだけー。
「私も、信じてましたよ。
絶対に、リヴァイ兵長は、助けに来てくれるって。」
「当たり前だ…!心配、かけやがって…!」
「ふふ…、あったかい。」
叱ったのに、なまえは嬉しそうに胸に頬を寄せる。
もう一度、強く抱きしめれば、なまえの手がゆっくりと背中にまわったのが分かった。
本当に、どうしようもない。
(俺は、本当に…、どうしようもねぇな…。)
強く抱きしめる。
強く、強くー。
なまえが生きていることを、確かめたくて。
もっと強く、感じたくてー。
弱った身体で、まるで『もう大丈夫。』と伝えるみたいに必死に抱きついてくるなまえの強さに、敵う気がしない。
本当に、どうしようもない。
早く安心させたかったはずなのに、早く安心したかっただけなのだと思い知らされるばかりだ。
あぁ、もう、本当に、どうしようもないー。
どうしようもないくらいー。
眠っているだけだ、死んでいないー。
どうか、生きていてー。
神に願うなんてしないはずなのに、祈るように抱き上げれば、なまえが眉を顰めた。
あぁ、生きているー。
雨に濡れて冷えた身体を温めてやりたいなんて思っていたことも忘れて、リヴァイは力の限りになまえを抱きしめた。
温かいー。
それだけで、こんなに嬉しいなんてー。
「リヴァ、イ、兵ちょう…?」
耳元で弱弱しい声を聞いて、そっと身体を離す。
目にかかる前髪を指ですくってやれば、綺麗な瞳と視線が重なる。
その途端に、こんな壁外の廃墟の中で、世界一安心したような笑みを浮かべるから、どうしようもないくらいに愛おしさが溢れる。
「ほら…、私、生きてる、でしょ?約束、守ったでしょう…?」
「あぁ…っ、よくやったっ、褒めてやる…!」
弱弱しい声で、何を自慢気に言っているのだ。
つらかったくせに、怖かったくせに、たまらなく心細かったくせにー。
頬に触れた。
ひんやりと冷たくて、ここでずっと凍えていたのだと思うと、胸が張り裂けそうだった。
もっと早く、助けに来てやりたかった。
いや、こんな思いさせたくなんかなかったのにー。
「信じて、ました…?」
「あぁ。信じてた…!」
躊躇わずに出たそれが、嘘か本当か、自分でも分からなかった。
ただ分かるのは、愛しているということ。
彼女の唇が動き、作ってくれた言葉ならば、自分にとってそれはすべて真実になってしまうくらい、愛してるということだけー。
「私も、信じてましたよ。
絶対に、リヴァイ兵長は、助けに来てくれるって。」
「当たり前だ…!心配、かけやがって…!」
「ふふ…、あったかい。」
叱ったのに、なまえは嬉しそうに胸に頬を寄せる。
もう一度、強く抱きしめれば、なまえの手がゆっくりと背中にまわったのが分かった。
本当に、どうしようもない。
(俺は、本当に…、どうしようもねぇな…。)
強く抱きしめる。
強く、強くー。
なまえが生きていることを、確かめたくて。
もっと強く、感じたくてー。
弱った身体で、まるで『もう大丈夫。』と伝えるみたいに必死に抱きついてくるなまえの強さに、敵う気がしない。
本当に、どうしようもない。
早く安心させたかったはずなのに、早く安心したかっただけなのだと思い知らされるばかりだ。
あぁ、もう、本当に、どうしようもないー。
どうしようもないくらいー。