◇第九十六話◇反撃開始
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リヴァイ兵長に挨拶を終え、一度自室に戻った私は私服に着替えてから宿舎の入口に向かった。
入口に着くと、先に私服に着替え終えたらしいハンジさんが待っていて、私に気づいて手をあげた。
「リヴァイがなかなか行かせてくれないから、
バレてるのかとヒヤヒヤしたよ。」
ハンジさんが胸に手を当てて、はぁ、と息を吐く。
「リヴァイ兵長って、意外と心配性なんですねぇ。」
「…博打打ちが恋人なら、私でも心配だよ。」
「ん?何か言いました?」
頷く私の隣でハンジさんが何かを呟いたのだけれど、聞き取れなかった。
独り言だろうか。
「いや、なんでも。
さぁ、モブリットが待ってる。行こうか。」
「はいっ!」
私は、ハンジさんの隣に並び、裏門へと向かう。
リヴァイ兵長に嘘を吐くのは心苦しかったけれど、私もハンジさんも、本当は出張になんて行かない。
本当に出張をするのは、事情を知っているモブリットさんだけだ。
そもそも、私もハンジさんも、今日と明日は非番を貰っている。
今日が出張だと信じさせるための兵団服をバッグに詰め込んで、向かうのは王都だ。
「遅かったですね。バレたのかと思ってハラハラしましたよ。」
裏門に着くと、馬車の馭者席で待っていたモブリットさんが、ホッとした顔をした。
さっきのハンジさんみたいだ。
「リヴァイがなかなかなまえを行かせてくれなくてね。」
「心配性みたいです。」
私が困ったように言うと、モブリットさんが困った顔で何かを呟いた。
どうかしたのかと訊いたけれど、さっきのハンジさんのように教えてはくれなかった。
意外と、ハンジさんとモブリットさんは似ているのかもしれない。
すごく頭が良くて、すごくお人好しなところとかー。
「さぁ、乗ってください。新聞記者に見つかったら厄介です。」
「そうだな、じゃあ、馭者頼むよ。」
「慣れています。」
苦笑いで答えたモブリットさんに、私からも頭を下げて、ハンジさんに続いて客車に乗り込む。
行きますよーというモブリットさんの声の後、馬車が動き出した。
これから、まずはウォール・ローゼの市街地に向かう。
そこで待機しているルーカスの執事の馬車に乗り換え、私とハンジさんは王都へ向かう。
リヴァイ兵長が生まれ育ち、仲間と出逢い、命を懸けて生きていた地下街。その上で、華やかに暮らしている人達が暮らす場所へー。
流れる窓の外の景色は、いつの間にか見慣れたを通り越して、私の帰る家になっていた兵舎を小さくしていく。
そして、巨人に踏みにじられたトロスト区の暮らしを映し始める。
必死に、必死に、巨人に負けないと叫ぶように生きている人達が、今日も朝の挨拶を交わして、一日を始めようとしている。
どんな華やかな場所がこの世界にあろうとも、私は、この街に住む人達が好きだ。
そしてー。
「エルヴィン団長にこそ、バレませんでしたか?」
ふと気になって、ハンジさんに訊ねてみた。
「君のご両親が心配していることは知っているからね。
一緒に挨拶をしに行くと言えば、信じてくれたよ。」
「そっか。よかったです。」
ホッと息を吐く。
リヴァイ兵長よりも、何でも見抜いてしまう瞳のエルヴィン団長にバレないかが心配だったのだ。
「後は、ケイジ達がうまくリヴァイとエルヴィンに立ちまわって
バレないようにしてくれるよう、願うだけだね。」
「ハンジ班、総出でありがとうございます。」
頭を下げた私の髪を、ハンジさんが優しくクシャリと撫でた。
「君だけの為じゃないさ。
リヴァイが調査兵団に残るためなら、きっとみんな何だってする。」
「そうですね。」
顔を上げて、私は自然と笑顔になった。
みんなが、リヴァイ兵長のいる調査兵団の未来を願っている。
それを理不尽に奪わせてなるものか。
馬車はいつの間にか、ウォール・ローゼへ向かう内門を通り抜けようとしている。
さぁ、反撃開始だー。
入口に着くと、先に私服に着替え終えたらしいハンジさんが待っていて、私に気づいて手をあげた。
「リヴァイがなかなか行かせてくれないから、
バレてるのかとヒヤヒヤしたよ。」
ハンジさんが胸に手を当てて、はぁ、と息を吐く。
「リヴァイ兵長って、意外と心配性なんですねぇ。」
「…博打打ちが恋人なら、私でも心配だよ。」
「ん?何か言いました?」
頷く私の隣でハンジさんが何かを呟いたのだけれど、聞き取れなかった。
独り言だろうか。
「いや、なんでも。
さぁ、モブリットが待ってる。行こうか。」
「はいっ!」
私は、ハンジさんの隣に並び、裏門へと向かう。
リヴァイ兵長に嘘を吐くのは心苦しかったけれど、私もハンジさんも、本当は出張になんて行かない。
本当に出張をするのは、事情を知っているモブリットさんだけだ。
そもそも、私もハンジさんも、今日と明日は非番を貰っている。
今日が出張だと信じさせるための兵団服をバッグに詰め込んで、向かうのは王都だ。
「遅かったですね。バレたのかと思ってハラハラしましたよ。」
裏門に着くと、馬車の馭者席で待っていたモブリットさんが、ホッとした顔をした。
さっきのハンジさんみたいだ。
「リヴァイがなかなかなまえを行かせてくれなくてね。」
「心配性みたいです。」
私が困ったように言うと、モブリットさんが困った顔で何かを呟いた。
どうかしたのかと訊いたけれど、さっきのハンジさんのように教えてはくれなかった。
意外と、ハンジさんとモブリットさんは似ているのかもしれない。
すごく頭が良くて、すごくお人好しなところとかー。
「さぁ、乗ってください。新聞記者に見つかったら厄介です。」
「そうだな、じゃあ、馭者頼むよ。」
「慣れています。」
苦笑いで答えたモブリットさんに、私からも頭を下げて、ハンジさんに続いて客車に乗り込む。
行きますよーというモブリットさんの声の後、馬車が動き出した。
これから、まずはウォール・ローゼの市街地に向かう。
そこで待機しているルーカスの執事の馬車に乗り換え、私とハンジさんは王都へ向かう。
リヴァイ兵長が生まれ育ち、仲間と出逢い、命を懸けて生きていた地下街。その上で、華やかに暮らしている人達が暮らす場所へー。
流れる窓の外の景色は、いつの間にか見慣れたを通り越して、私の帰る家になっていた兵舎を小さくしていく。
そして、巨人に踏みにじられたトロスト区の暮らしを映し始める。
必死に、必死に、巨人に負けないと叫ぶように生きている人達が、今日も朝の挨拶を交わして、一日を始めようとしている。
どんな華やかな場所がこの世界にあろうとも、私は、この街に住む人達が好きだ。
そしてー。
「エルヴィン団長にこそ、バレませんでしたか?」
ふと気になって、ハンジさんに訊ねてみた。
「君のご両親が心配していることは知っているからね。
一緒に挨拶をしに行くと言えば、信じてくれたよ。」
「そっか。よかったです。」
ホッと息を吐く。
リヴァイ兵長よりも、何でも見抜いてしまう瞳のエルヴィン団長にバレないかが心配だったのだ。
「後は、ケイジ達がうまくリヴァイとエルヴィンに立ちまわって
バレないようにしてくれるよう、願うだけだね。」
「ハンジ班、総出でありがとうございます。」
頭を下げた私の髪を、ハンジさんが優しくクシャリと撫でた。
「君だけの為じゃないさ。
リヴァイが調査兵団に残るためなら、きっとみんな何だってする。」
「そうですね。」
顔を上げて、私は自然と笑顔になった。
みんなが、リヴァイ兵長のいる調査兵団の未来を願っている。
それを理不尽に奪わせてなるものか。
馬車はいつの間にか、ウォール・ローゼへ向かう内門を通り抜けようとしている。
さぁ、反撃開始だー。