◇第九十話◇愛されるより愛したい、嘘、本当?
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気持ちの良い風と照りつける太陽が、朝早く干されたシーツをあっという間に乾かしていた。
風に揺れて、ふわりふわりと踊る真っ白のシーツの中で、精鋭兵は、顔を赤くして、真っすぐに気持ちを伝える。
真っ白な、綺麗な心が、そこに見えた気がした。
「あの…、私ー。」
「いいんだ、分かってる。俺が、伝えたかっただけなんだ。
返事がほしいわけじゃないし、聞かなくても分かってるから。」
訓練場で私を呼び出した彼、ダイは、悲し気な表情のままでハニかんだ。
それが、とても儚くて、私は胸がきゅっと締め付けられる。
彼はゲルガーさんの班に所属している精鋭兵で、顔を合わせることもよくあった。
騒がしい人達が多いゲルガーさんの仲間達の中で、彼が騒いだりするところはあまり見たことがない。
でも、決して友人が少ないわけではなくて、いつも仲間に囲まれていた。
冷たい雰囲気がリヴァイ兵長と少し似ているけれど、クシャリと目を細めて笑うこともある、とても素敵な青年だと思う。
身長も高いしー。
「なまえが誘拐されたって聞いて、このまま二度と会えなくなるくらいなら
どうしてちゃんと伝えなかったんだろうって、後悔したんだ。
困らせたいわけじゃないから、そんな顔しないでくれ。」
ダイがそっと私の頬に触れて、思わずビクリと肩を揺らしてしまった。
傷ついた顔をしたダイだったけれど、その手が離れることはなくてー。
「最後に、抱きしめさせてくれないか。」
「え…?」
「それで、諦める。思い出に、するから。」
懇願するような切ない瞳ー、それがまるで、私を見ているようだった。
私は、リヴァイ兵長の前で、こんな苦しそうな顔をしているのだろうか。
こんな、今にも消えてしまいそうな悲しいー。
「…いいよ。」
私が頷くとは思っていなかったのか、ダイはとても信じられないという顔をしていた。
でも、小さく深呼吸した後、頬に触れていた手を私の腰にまわすと、おそるおそる、自分の元に引き寄せた。
最近は、リヴァイ兵長に抱きしめられることが多かったから、身長差を感じるのは、すごく久しぶりだった。
抱き寄せられた私の頬は、ダイの胸よりも下にあった。
だから、ダイは首をもたげるようにして私の首元に顔を埋めて抱きしめていた。
「よかった…。心臓の音が聞こえる。」
「え?」
「なまえが生きてる。俺は、それだけでいい。
お前が死んでるかもと思ったら、生きた心地が、しなかった…っ。
よかった…っ、生きてる…っ。」
おそるおそるだったダイの腕は、次第に力を強めていって、私を、ギュッと、ギュッと抱きしめる。
そのとき、私は思った。
この人を好きになれたらよかったのにって。
でも、出来なくて、私を愛してくれている人の腕の中にいるのに、私はリヴァイ兵長のことを想っていた。
それがあまりにも切なくて、彼が、私のようで悲しくてー。
「ダイの心臓の音も、聞こえるよ。すごく速い。
ドドドドドドって言ってる。」
からかうように言って、私もダイの背中にそっと手を回した。
ほんの少し、身体を強張らせた後、耳元からダイの困ったような声が聞こえた。
「意地悪なやつだな。」
クシャリと、ダイが笑う。
愛おしそうに、私を抱きしめてー。
リヴァイ兵長は決して見せてくれない、笑顔でー。
風に揺れて、ふわりふわりと踊る真っ白のシーツの中で、精鋭兵は、顔を赤くして、真っすぐに気持ちを伝える。
真っ白な、綺麗な心が、そこに見えた気がした。
「あの…、私ー。」
「いいんだ、分かってる。俺が、伝えたかっただけなんだ。
返事がほしいわけじゃないし、聞かなくても分かってるから。」
訓練場で私を呼び出した彼、ダイは、悲し気な表情のままでハニかんだ。
それが、とても儚くて、私は胸がきゅっと締め付けられる。
彼はゲルガーさんの班に所属している精鋭兵で、顔を合わせることもよくあった。
騒がしい人達が多いゲルガーさんの仲間達の中で、彼が騒いだりするところはあまり見たことがない。
でも、決して友人が少ないわけではなくて、いつも仲間に囲まれていた。
冷たい雰囲気がリヴァイ兵長と少し似ているけれど、クシャリと目を細めて笑うこともある、とても素敵な青年だと思う。
身長も高いしー。
「なまえが誘拐されたって聞いて、このまま二度と会えなくなるくらいなら
どうしてちゃんと伝えなかったんだろうって、後悔したんだ。
困らせたいわけじゃないから、そんな顔しないでくれ。」
ダイがそっと私の頬に触れて、思わずビクリと肩を揺らしてしまった。
傷ついた顔をしたダイだったけれど、その手が離れることはなくてー。
「最後に、抱きしめさせてくれないか。」
「え…?」
「それで、諦める。思い出に、するから。」
懇願するような切ない瞳ー、それがまるで、私を見ているようだった。
私は、リヴァイ兵長の前で、こんな苦しそうな顔をしているのだろうか。
こんな、今にも消えてしまいそうな悲しいー。
「…いいよ。」
私が頷くとは思っていなかったのか、ダイはとても信じられないという顔をしていた。
でも、小さく深呼吸した後、頬に触れていた手を私の腰にまわすと、おそるおそる、自分の元に引き寄せた。
最近は、リヴァイ兵長に抱きしめられることが多かったから、身長差を感じるのは、すごく久しぶりだった。
抱き寄せられた私の頬は、ダイの胸よりも下にあった。
だから、ダイは首をもたげるようにして私の首元に顔を埋めて抱きしめていた。
「よかった…。心臓の音が聞こえる。」
「え?」
「なまえが生きてる。俺は、それだけでいい。
お前が死んでるかもと思ったら、生きた心地が、しなかった…っ。
よかった…っ、生きてる…っ。」
おそるおそるだったダイの腕は、次第に力を強めていって、私を、ギュッと、ギュッと抱きしめる。
そのとき、私は思った。
この人を好きになれたらよかったのにって。
でも、出来なくて、私を愛してくれている人の腕の中にいるのに、私はリヴァイ兵長のことを想っていた。
それがあまりにも切なくて、彼が、私のようで悲しくてー。
「ダイの心臓の音も、聞こえるよ。すごく速い。
ドドドドドドって言ってる。」
からかうように言って、私もダイの背中にそっと手を回した。
ほんの少し、身体を強張らせた後、耳元からダイの困ったような声が聞こえた。
「意地悪なやつだな。」
クシャリと、ダイが笑う。
愛おしそうに、私を抱きしめてー。
リヴァイ兵長は決して見せてくれない、笑顔でー。