◇第八十一話◇目撃者
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調査兵に協力者がいるー。
アルミンの目撃情報で、残念ながら最悪な現実が確定してしまった。
だが、それが男か女なのかも分からない状況で、怪しいと思う人物を捜索班から外すわけにもいかなかった。
とりあえずは、ハンジが頭をひねって早急に作成した班で、なまえの捜索が行われることに決定した。
目撃者であるアルミンと、彼を連れてきたゲルガーとネスも参加したまま、会議は進められた。
爆弾犯の狙い、いや、証拠を全く残さない賢い黒幕の狙いは、おそらくなまえを手に入れることだ。
なまえを人質にとって、調査兵団を脅すというわけではないだろう。
だからきっと、何かヒントをくれることもないはずだ。
絶対に調査兵団に見つからない場所ー。
そこになまえがいる、とハンジは断定する。
だが、全く検討がつかないわけではないようだった。
自分の尻尾を掴まれることを恐れたのか、権力のある協力者ではなく、トカゲの尻尾を協力者にしたことで、行動可能範囲は絞られた。
ウォール・ローゼよりも内地には絶対に行けないだろう。
トロスト区内に入れば、調査兵団に袋のネズミにされることは明白だ。
となれば、兵士の格好をした男達は、ウォール・ローゼの中に留まっている可能性が高い。
人間が住む世界で今一番広大な敷地がウォール・ローゼだ。かなりの範囲ではあるが、そこからいくつか、ハンジが誘拐犯が使えそうな場所をピックアップし、班毎に捜索することが決定した。
怪しい場所をハンジが説明し終えた途端に、タキシード姿のままでリヴァイが飛び出してすぐ、ゲルガー達も作戦会議室から出た。
あっという間に外に出て行っただろうと思っていたリヴァイだったが、意外とまだ廊下にいた。
自分の部屋の前で、自分の手元を見ている。
着替えてから行こうと思っているのだろうかー。
出来るだけ早くなまえを探しに行きたくて、着替える気はないのだと思っていたが、確かにタキシード姿のままだと動きづらい。
「リヴァイ、何やってんだ。着替えてから行くのか?
俺もそれがいいと思うぜ。」
ゲルガーが声をかけると、リヴァイは手元から顔を上げた。
「それなんだ?」
ゲルガーは、リヴァイが手元に持っているメモ紙を指さした。
さっき、会議室から出たときはそんなもの持っていなかったと思うのだがー。
「何でもねぇ。」
リヴァイは怖い顔で短く答え、メモ紙のようなものを握り潰し、自分のタキシードパンツのポケットに押し込んだ。
そして、ハンジに自分は1人で探しに行くから誰もつけなくていいと告げて、急いで走り去ってしまう。
「えーーっ!ちょっとっ!リヴァイは、リヴァイ班連れてって!
…て、もういないし。」
階段を落ちるように降りて行ったリヴァイの消えた背中に、ハンジがため息を吐いた。
アルミンの目撃情報で、残念ながら最悪な現実が確定してしまった。
だが、それが男か女なのかも分からない状況で、怪しいと思う人物を捜索班から外すわけにもいかなかった。
とりあえずは、ハンジが頭をひねって早急に作成した班で、なまえの捜索が行われることに決定した。
目撃者であるアルミンと、彼を連れてきたゲルガーとネスも参加したまま、会議は進められた。
爆弾犯の狙い、いや、証拠を全く残さない賢い黒幕の狙いは、おそらくなまえを手に入れることだ。
なまえを人質にとって、調査兵団を脅すというわけではないだろう。
だからきっと、何かヒントをくれることもないはずだ。
絶対に調査兵団に見つからない場所ー。
そこになまえがいる、とハンジは断定する。
だが、全く検討がつかないわけではないようだった。
自分の尻尾を掴まれることを恐れたのか、権力のある協力者ではなく、トカゲの尻尾を協力者にしたことで、行動可能範囲は絞られた。
ウォール・ローゼよりも内地には絶対に行けないだろう。
トロスト区内に入れば、調査兵団に袋のネズミにされることは明白だ。
となれば、兵士の格好をした男達は、ウォール・ローゼの中に留まっている可能性が高い。
人間が住む世界で今一番広大な敷地がウォール・ローゼだ。かなりの範囲ではあるが、そこからいくつか、ハンジが誘拐犯が使えそうな場所をピックアップし、班毎に捜索することが決定した。
怪しい場所をハンジが説明し終えた途端に、タキシード姿のままでリヴァイが飛び出してすぐ、ゲルガー達も作戦会議室から出た。
あっという間に外に出て行っただろうと思っていたリヴァイだったが、意外とまだ廊下にいた。
自分の部屋の前で、自分の手元を見ている。
着替えてから行こうと思っているのだろうかー。
出来るだけ早くなまえを探しに行きたくて、着替える気はないのだと思っていたが、確かにタキシード姿のままだと動きづらい。
「リヴァイ、何やってんだ。着替えてから行くのか?
俺もそれがいいと思うぜ。」
ゲルガーが声をかけると、リヴァイは手元から顔を上げた。
「それなんだ?」
ゲルガーは、リヴァイが手元に持っているメモ紙を指さした。
さっき、会議室から出たときはそんなもの持っていなかったと思うのだがー。
「何でもねぇ。」
リヴァイは怖い顔で短く答え、メモ紙のようなものを握り潰し、自分のタキシードパンツのポケットに押し込んだ。
そして、ハンジに自分は1人で探しに行くから誰もつけなくていいと告げて、急いで走り去ってしまう。
「えーーっ!ちょっとっ!リヴァイは、リヴァイ班連れてって!
…て、もういないし。」
階段を落ちるように降りて行ったリヴァイの消えた背中に、ハンジがため息を吐いた。