◇第七十七話◇絵本の世界へようこそ
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リヴァイ兵長が座るソファの見える場所ーという条件をつけられたルーカスは、一番近くのフロアで私の腰に手を回した。
ちょうどチークタイムに入ったようで、スローテンポのメロディーに乗せて、ドレスを身に纏った貴婦人とタキシードの紳士が身体を寄せ合い始める。
「心配しないで。僕に任せてくれれば、大丈夫だからね。」
不安そうな私に気づいてくれたルーカスは、私の腰を自分の方に引き寄せるとゆっくりと身体を揺らした。
ルーカスが私の腰と手を引いてくれるおかげで、自然と足が動く。
やっぱり、ルーカスは王子様で、住む世界の違う人だったのだと改めて思い知らされる。
すると、まるで、私の心を読んだようにルーカスが言う。
「僕は、君と住む世界が違うなんて思ったことは一度もないんだよ。」
驚いて顔を上げた私を見て、ルーカスは困ったように微笑んだ。
「君はいつも気にしていたみたいだったけどね。
今だって、そうだろう?」
「それは…。」
「それに、もしも、誰かが君とは住む世界が違うからと反対したって
僕は君との愛に生きたいと思っていたんだ。」
「…ごめんなさい。」
「仕方ないよ、人の心は移り変わることがある。
とても、残念なことだけどね。」
ルーカスは寂しそうに言って、私の髪を撫でた。
何も言えなくて、私は視線を落として、ルーカスのリードに身体を任せた。
「でも、だから思うんだ。君はきっといつか、僕の元へ戻ってくる。」
「それはー。」
「それはないと今は思ってるかもしれない。
でも、君の心が僕から離れたように、彼から離れることがないとは言い切れない。
そうだろう?」
ルーカスが、まるで確信しているみたいに言うから、不安になってくる。
この気持ちはずっと変わらなくて、いつまでもリヴァイ兵長を想い続けていくと信じていたい気持ちがあるみたいだ。
リヴァイ兵長のことなんて嫌いだと、嫌いになってしまいたいと願ったはずなのにー。
「調査兵団はとても勇敢だと思うよ。君が新しい世界を見た気になるのも分かる。
でも、それこそ住む世界が違う。いつかきっと、君は危険に巻き込まれてツラい思いをする。」
「…それでもいいと、思ってるの。」
「なまえ、僕と離れても、一つだけ覚えておいてほしい。」
「なに?」
「僕はいつでも君の味方だ。君がツラいとき、彼ではなくて、僕の名前を呼んでごらん。
彼には無理でも、僕の名前を呼んでくれさえすれば、どんな困難からも助けてあげる。」
まだチークタイムは終わっていないのに、ルーカスはそっと私から身体を離した。
そして、私の頬を愛おしそうに撫でながら続ける。
「僕は、君の為なら何だって出来るんだよ。」
ルーカスの微笑は、いつも通りの王子様スマイルで、優しくて素敵でー。
それなのに、どうしてかわからない。
ゾクリー、背筋が冷えた。頭から冷水を浴びせられたみたいに、身体が震える。
得体のしれない恐怖に襲われて、足がすくむ。
気づくと、ルーカスは私に背を向け、煌びやかな世界へと消えていた。
ちょうどチークタイムに入ったようで、スローテンポのメロディーに乗せて、ドレスを身に纏った貴婦人とタキシードの紳士が身体を寄せ合い始める。
「心配しないで。僕に任せてくれれば、大丈夫だからね。」
不安そうな私に気づいてくれたルーカスは、私の腰を自分の方に引き寄せるとゆっくりと身体を揺らした。
ルーカスが私の腰と手を引いてくれるおかげで、自然と足が動く。
やっぱり、ルーカスは王子様で、住む世界の違う人だったのだと改めて思い知らされる。
すると、まるで、私の心を読んだようにルーカスが言う。
「僕は、君と住む世界が違うなんて思ったことは一度もないんだよ。」
驚いて顔を上げた私を見て、ルーカスは困ったように微笑んだ。
「君はいつも気にしていたみたいだったけどね。
今だって、そうだろう?」
「それは…。」
「それに、もしも、誰かが君とは住む世界が違うからと反対したって
僕は君との愛に生きたいと思っていたんだ。」
「…ごめんなさい。」
「仕方ないよ、人の心は移り変わることがある。
とても、残念なことだけどね。」
ルーカスは寂しそうに言って、私の髪を撫でた。
何も言えなくて、私は視線を落として、ルーカスのリードに身体を任せた。
「でも、だから思うんだ。君はきっといつか、僕の元へ戻ってくる。」
「それはー。」
「それはないと今は思ってるかもしれない。
でも、君の心が僕から離れたように、彼から離れることがないとは言い切れない。
そうだろう?」
ルーカスが、まるで確信しているみたいに言うから、不安になってくる。
この気持ちはずっと変わらなくて、いつまでもリヴァイ兵長を想い続けていくと信じていたい気持ちがあるみたいだ。
リヴァイ兵長のことなんて嫌いだと、嫌いになってしまいたいと願ったはずなのにー。
「調査兵団はとても勇敢だと思うよ。君が新しい世界を見た気になるのも分かる。
でも、それこそ住む世界が違う。いつかきっと、君は危険に巻き込まれてツラい思いをする。」
「…それでもいいと、思ってるの。」
「なまえ、僕と離れても、一つだけ覚えておいてほしい。」
「なに?」
「僕はいつでも君の味方だ。君がツラいとき、彼ではなくて、僕の名前を呼んでごらん。
彼には無理でも、僕の名前を呼んでくれさえすれば、どんな困難からも助けてあげる。」
まだチークタイムは終わっていないのに、ルーカスはそっと私から身体を離した。
そして、私の頬を愛おしそうに撫でながら続ける。
「僕は、君の為なら何だって出来るんだよ。」
ルーカスの微笑は、いつも通りの王子様スマイルで、優しくて素敵でー。
それなのに、どうしてかわからない。
ゾクリー、背筋が冷えた。頭から冷水を浴びせられたみたいに、身体が震える。
得体のしれない恐怖に襲われて、足がすくむ。
気づくと、ルーカスは私に背を向け、煌びやかな世界へと消えていた。