◇第七十四話◇好きすぎて、大嫌い
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逃げきれなかったー。
半ば強引にハンジさんの執務室兼自室に連れてこられた私は、結局、あのドレスを着ていた。
「もうちょっと腕を上げてくれる?」
ハンジさんが私の腕を上にあげる。
私は言われた通りに、両腕を真横に真っすぐに伸ばして、ただじーっと立っていた。
「…何測ってるんですか。」
私の胸囲をメジャーで測っているハンジさんを見下ろして訊ねた。
とても一生懸命に「ここか?これか?」と首を傾げている。
胸囲なんて、この人は測ったことないんじゃないだろうか。
「身体のサイズだよ。」
「なんで。」
「私達の友達が今度結婚するんだ。
それで、彼女にドレスを作ってあげたいからサイズが知りたいらしくてね。」
「彼女のサイズを測ればいいじゃないですか。
どうして私の身体のサイズを測ってるんですか。」
「それじゃ、サプライズにならないだろ?
前に彼女に会ったことがあるけど、身体つきが君とそっくりなんだ。」
ナナバさんはソファに座って、満足そうに眺めながら言う。
友人のサプライズに協力してあげたいことは分かった。
今までもいろいろとお世話になったハンジさんとナナバさんの為なら、身体のサイズを測らせるくらい構わない。
でもー。
「ドレスを着る必要ありました?」
私が言うと、ハンジさんの顔がズイッと私の顔の前にやってきた。
そして、真剣に、どうでもいいことを言い始める。
「気分が出るだろう!?」
ため息が漏れた。
「すごく寒いんで、早くしてくださいよ。」
「オッケー、頑張るね~。」
ウェストを測りだしたハンジさんが、面白がって自分とどれくらい違うかを調べ出した頃、扉がノックされた。
そして、返事を待たずに、まったく扉のノックの意味もなく部屋に入ってきたのはミケ分隊長だった。
そして、まだ僅かにしっとりと濡れた髪でなぜかドレスを着ている私を見て、思わずといった様子で足を止めた。
「…何をやっているんだ。」
「何だと思いますか。」
逆に聞きたいくらいだー。
だから、私が訊ねた。
すると、ミケ分隊長は少し考えるようなそぶりをした後にハンジさんを見た。
「ハンジ、ナナバ、お前たちはを何やってるんだ。」
考えてみたけど、分からなかったらしい。
それはそうだろう。
ここでドレスを着ている私も、なぜドレスを着ないといけなかったのかまでは理解できずにいるのだ。
ミケ分隊長は、さっきハンジさんから私が聞いたのと同じ回答をもらって、ため息を吐いた。
「それで、ミケはどうしたの?」
「トロスト区で爆発騒ぎがあったらしい。」
「それは物騒な話題だね。」
「その警備を調査兵団が任されることになった。」
「え!?」
思わず、私は驚いて声を上げてしまった。
だって、そういう事件がらみのことは憲兵団の担当だ。
もしくは、地元ということで駐屯兵団が請け負うこともあるかもしれない。
でも、壁外での任務を主とする調査兵団がそんなことを頼まれるなんてー。
「憲兵は王政設立記念日の準備で忙しいようだ。
駐屯兵もトロスト区の復旧作業で手が空かない。」
「で、壁外調査を禁止されてる調査兵団は暇だからよろしくって?」
ハンジが頭をボリボリと掻く。
苛立つ気持ちはよくわかる。
調査兵団は人類のために壁外での任務を遂行するために、今だってあれこれと手を尽くしているのだ。
訓練だって手を抜いていない。
それなのにー。
「仕方がないさ。了解だよ、ミケ分隊長。」
ナナバさんが、ため息交じりに頷いた。
今から、爆発事件の犯人捜しのための任務の担当や役割を協議して、明日から早速仕事を始めるそうだ。
ということで、ハンジさんとナナバさんは、これからその会議に参加しないといけないため、友人の彼女のサプライズのための身体測定は中止になった。
半ば強引にハンジさんの執務室兼自室に連れてこられた私は、結局、あのドレスを着ていた。
「もうちょっと腕を上げてくれる?」
ハンジさんが私の腕を上にあげる。
私は言われた通りに、両腕を真横に真っすぐに伸ばして、ただじーっと立っていた。
「…何測ってるんですか。」
私の胸囲をメジャーで測っているハンジさんを見下ろして訊ねた。
とても一生懸命に「ここか?これか?」と首を傾げている。
胸囲なんて、この人は測ったことないんじゃないだろうか。
「身体のサイズだよ。」
「なんで。」
「私達の友達が今度結婚するんだ。
それで、彼女にドレスを作ってあげたいからサイズが知りたいらしくてね。」
「彼女のサイズを測ればいいじゃないですか。
どうして私の身体のサイズを測ってるんですか。」
「それじゃ、サプライズにならないだろ?
前に彼女に会ったことがあるけど、身体つきが君とそっくりなんだ。」
ナナバさんはソファに座って、満足そうに眺めながら言う。
友人のサプライズに協力してあげたいことは分かった。
今までもいろいろとお世話になったハンジさんとナナバさんの為なら、身体のサイズを測らせるくらい構わない。
でもー。
「ドレスを着る必要ありました?」
私が言うと、ハンジさんの顔がズイッと私の顔の前にやってきた。
そして、真剣に、どうでもいいことを言い始める。
「気分が出るだろう!?」
ため息が漏れた。
「すごく寒いんで、早くしてくださいよ。」
「オッケー、頑張るね~。」
ウェストを測りだしたハンジさんが、面白がって自分とどれくらい違うかを調べ出した頃、扉がノックされた。
そして、返事を待たずに、まったく扉のノックの意味もなく部屋に入ってきたのはミケ分隊長だった。
そして、まだ僅かにしっとりと濡れた髪でなぜかドレスを着ている私を見て、思わずといった様子で足を止めた。
「…何をやっているんだ。」
「何だと思いますか。」
逆に聞きたいくらいだー。
だから、私が訊ねた。
すると、ミケ分隊長は少し考えるようなそぶりをした後にハンジさんを見た。
「ハンジ、ナナバ、お前たちはを何やってるんだ。」
考えてみたけど、分からなかったらしい。
それはそうだろう。
ここでドレスを着ている私も、なぜドレスを着ないといけなかったのかまでは理解できずにいるのだ。
ミケ分隊長は、さっきハンジさんから私が聞いたのと同じ回答をもらって、ため息を吐いた。
「それで、ミケはどうしたの?」
「トロスト区で爆発騒ぎがあったらしい。」
「それは物騒な話題だね。」
「その警備を調査兵団が任されることになった。」
「え!?」
思わず、私は驚いて声を上げてしまった。
だって、そういう事件がらみのことは憲兵団の担当だ。
もしくは、地元ということで駐屯兵団が請け負うこともあるかもしれない。
でも、壁外での任務を主とする調査兵団がそんなことを頼まれるなんてー。
「憲兵は王政設立記念日の準備で忙しいようだ。
駐屯兵もトロスト区の復旧作業で手が空かない。」
「で、壁外調査を禁止されてる調査兵団は暇だからよろしくって?」
ハンジが頭をボリボリと掻く。
苛立つ気持ちはよくわかる。
調査兵団は人類のために壁外での任務を遂行するために、今だってあれこれと手を尽くしているのだ。
訓練だって手を抜いていない。
それなのにー。
「仕方がないさ。了解だよ、ミケ分隊長。」
ナナバさんが、ため息交じりに頷いた。
今から、爆発事件の犯人捜しのための任務の担当や役割を協議して、明日から早速仕事を始めるそうだ。
ということで、ハンジさんとナナバさんは、これからその会議に参加しないといけないため、友人の彼女のサプライズのための身体測定は中止になった。