◇第七十三話◇雨に消えるレインコート
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アルミンが自室に戻ると、エレンが遊びに来ていた。
ライナー、ベルトルト、ジャンとの4人部屋だから、それなりに広いけれど、男が5人も集まると暑苦しい。
特に、二段ベッドの下段で、心底迷惑そうな顔をしているエレンの肩をくんで、お酒の瓶を振り回し何かを喚いているジャンが五月蠅くて、暑苦しい。
シャワー後なのか、兵団服ではなく私服に着替えていて、頭が濡れている。
もともとは肩に乗っていたかもしれないタオルは、床に落ちていた。
「ジャンは、どうしてそんなに荒れてるの?」
ベルトルトとライナーがそうしているように、アルミンも二段ベッドの上の段へ逃げた。
「なまえにフラれたらしい。」
「へぇ、告白したんだ。」
「弱っているところにつけこもうとして、惨敗だったみだいだよ。」
「…ご愁傷様だね。」
アルミンは、お酒を煽るように飲んでいるジャンを見下ろした。
酒臭いーと文句を言いながらジャンの顔を両手で必死にどかそうとしているエレンは、彼の恋心に気づいていなかったに違いない。
今だって、何を嘆いているのか、理解しているとは思えない。
ジャンもエレンも、ご愁傷様だ。
「アルミンは気づいてたのか?」
「気づかないのなんて、なまえさんとエレンくらいじゃないの?」
「…僕も、さっきジャンが騒いでいるのを聞いて知ったんだ。」
「あぁ…。」
ベルトルトの告白に、なんとなくわかるような気がして、アルミンは何とも言えない顔をする。
ジャンが急になまえを意識しているような態度をとりだしたとき、アルミンは正直驚いた。
ずっと、ミカサのことが好きだと思っていたからだ。
でも、ジャンの好きな人というのは一貫しているようにも思えた。
ミカサは綺麗で強い。それは、なまえにも共通するし、それにー。
「ジャンは、他の男に惚れてる女じゃねぇと好きになれねぇのか。」
「僕も今、同じことを思ったところだよ。」
ライナーも気づいていたのか。
アルミンは苦笑する。
でもー。
「やっぱり、なまえさんはあの王子様と結婚したかったんだね…。」
ベルトルトがしみじみと呟いた。
アルミンとライナーは顔を見合わせると、お互いに苦笑いを噛み殺した。
ライナー、ベルトルト、ジャンとの4人部屋だから、それなりに広いけれど、男が5人も集まると暑苦しい。
特に、二段ベッドの下段で、心底迷惑そうな顔をしているエレンの肩をくんで、お酒の瓶を振り回し何かを喚いているジャンが五月蠅くて、暑苦しい。
シャワー後なのか、兵団服ではなく私服に着替えていて、頭が濡れている。
もともとは肩に乗っていたかもしれないタオルは、床に落ちていた。
「ジャンは、どうしてそんなに荒れてるの?」
ベルトルトとライナーがそうしているように、アルミンも二段ベッドの上の段へ逃げた。
「なまえにフラれたらしい。」
「へぇ、告白したんだ。」
「弱っているところにつけこもうとして、惨敗だったみだいだよ。」
「…ご愁傷様だね。」
アルミンは、お酒を煽るように飲んでいるジャンを見下ろした。
酒臭いーと文句を言いながらジャンの顔を両手で必死にどかそうとしているエレンは、彼の恋心に気づいていなかったに違いない。
今だって、何を嘆いているのか、理解しているとは思えない。
ジャンもエレンも、ご愁傷様だ。
「アルミンは気づいてたのか?」
「気づかないのなんて、なまえさんとエレンくらいじゃないの?」
「…僕も、さっきジャンが騒いでいるのを聞いて知ったんだ。」
「あぁ…。」
ベルトルトの告白に、なんとなくわかるような気がして、アルミンは何とも言えない顔をする。
ジャンが急になまえを意識しているような態度をとりだしたとき、アルミンは正直驚いた。
ずっと、ミカサのことが好きだと思っていたからだ。
でも、ジャンの好きな人というのは一貫しているようにも思えた。
ミカサは綺麗で強い。それは、なまえにも共通するし、それにー。
「ジャンは、他の男に惚れてる女じゃねぇと好きになれねぇのか。」
「僕も今、同じことを思ったところだよ。」
ライナーも気づいていたのか。
アルミンは苦笑する。
でもー。
「やっぱり、なまえさんはあの王子様と結婚したかったんだね…。」
ベルトルトがしみじみと呟いた。
アルミンとライナーは顔を見合わせると、お互いに苦笑いを噛み殺した。