◇第六十八話◇懐かしい腕
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エルヴィン団長の忠告とアルミンの心配をもう少し真剣に取り合うべきだったと、私はとても後悔しているところだ。
「ねぇ、俺達と一緒に遊ぼうよ。」
「名前、何て言うの?」
「どこ行くの~?」
馴れ馴れしく声をかけてきた3人組の男達は、私が無視をしても、何を言い返しても、離れて行ってはくれなかった。
だから、早足でなんとか逃げようとしたつもりだったのだけれど、もしかすると、うまく誘導されていたのかもしれないー。
いつの間にか、私は路地裏に迷い込んでいた。
まだ駐屯兵団の手がまわっていないようで、至るところに瓦礫が落ちていて、巨人襲来の爪痕を残している。
「あ~あ、行き止まりだね。追いかけっこは終わりかな。」
立ち止まって振り返った私に、リーダー格の男がニヤリと口元を意地悪く歪めた。
背中には壁、追い詰められてしまった。
「じゃあ、今からは俺達のしたい遊びに付き合ってくれるよね。」
「嫌です。どいてください。」
横をすり抜けようとした私の肩をリーダーの男が掴んだ。
驚く間もなく後ろに押されて、壁に背中をぶつける。
痛みに顔を歪める私の両手首を捕まえて壁に押し付けることに成功したリーダーの男は、満足そうな顔で見下ろしていた。
その後ろでは2人の男が、気持ち悪いくらいにニヤニヤしている。
何を考えているのか、想像もしたくないー。
「放してくださいっ!」
キッと睨みつけた。
でも、リーダーの男は、わざとらしくキョトンとした顔をした後、笑いを吹き出した。
「放してください!だってよ。気の強い女って、好みだなぁ。
こういう女が、俺に従順になっていくのを見るとゾクゾクしちゃうんだよねぇ。」
私を見下ろして、リーダーの男は嬉しそうに言う。
その後ろで、2人の男が楽しそうにゲラゲラと笑い声をあげる。
最悪だ。
何を想像しているのかなんて、考えたくもない。
男に触れられている手首から、自分の身体が腐っていきそうだ。
もう本当に最悪だ。
本当にー。
怖いー。
でも、弱っているところなんて、絶対に見せたくない。
だから、必死の抵抗で、私はリーダーの男をギロリと睨み上げた。
そんな私をあざ笑うように、両足の間に自分の脚を割り入れると、スカートを捲り上げて太ももを撫でた。
「やだ…っ!やめて…っ!!!」
際どいところにまで触れようとする指から逃れようと身体をよじりながら、私は自由になった手で男の胸板を押す。
そのときだったー。
「汚い手で触るな。」
低い男の人の声ー。
リーダーの男の肩を掴んだ誰かの顔は、リーダーの男の身体に隠れて見えなかった。
でも、聞いたことのある声だー、そう思った瞬間には、驚いて振り向いたリーダー格の男が思いっきり殴り飛ばされていた。
「この野郎ッ!何しやがるんだっ!!」
「てめぇ、俺達がぶっ飛ばしてやるっ!!」
リーダーを殴り飛ばされた2人が、顔を真っ赤にして怒り出した。
でも、そんな2人もあっという間に地面に落とされてしまった。
どうして、彼がこんなところにー。
頭の中にそんな疑問が浮かばなかったわけではない。
でも、これでもう助かったのだと安心した身体から、力が抜けていった。
地面に落ちる前に、私を抱きとめてくれたのも彼だった。
優しい腕の中は、とても懐かしい香りがした。
「ねぇ、俺達と一緒に遊ぼうよ。」
「名前、何て言うの?」
「どこ行くの~?」
馴れ馴れしく声をかけてきた3人組の男達は、私が無視をしても、何を言い返しても、離れて行ってはくれなかった。
だから、早足でなんとか逃げようとしたつもりだったのだけれど、もしかすると、うまく誘導されていたのかもしれないー。
いつの間にか、私は路地裏に迷い込んでいた。
まだ駐屯兵団の手がまわっていないようで、至るところに瓦礫が落ちていて、巨人襲来の爪痕を残している。
「あ~あ、行き止まりだね。追いかけっこは終わりかな。」
立ち止まって振り返った私に、リーダー格の男がニヤリと口元を意地悪く歪めた。
背中には壁、追い詰められてしまった。
「じゃあ、今からは俺達のしたい遊びに付き合ってくれるよね。」
「嫌です。どいてください。」
横をすり抜けようとした私の肩をリーダーの男が掴んだ。
驚く間もなく後ろに押されて、壁に背中をぶつける。
痛みに顔を歪める私の両手首を捕まえて壁に押し付けることに成功したリーダーの男は、満足そうな顔で見下ろしていた。
その後ろでは2人の男が、気持ち悪いくらいにニヤニヤしている。
何を考えているのか、想像もしたくないー。
「放してくださいっ!」
キッと睨みつけた。
でも、リーダーの男は、わざとらしくキョトンとした顔をした後、笑いを吹き出した。
「放してください!だってよ。気の強い女って、好みだなぁ。
こういう女が、俺に従順になっていくのを見るとゾクゾクしちゃうんだよねぇ。」
私を見下ろして、リーダーの男は嬉しそうに言う。
その後ろで、2人の男が楽しそうにゲラゲラと笑い声をあげる。
最悪だ。
何を想像しているのかなんて、考えたくもない。
男に触れられている手首から、自分の身体が腐っていきそうだ。
もう本当に最悪だ。
本当にー。
怖いー。
でも、弱っているところなんて、絶対に見せたくない。
だから、必死の抵抗で、私はリーダーの男をギロリと睨み上げた。
そんな私をあざ笑うように、両足の間に自分の脚を割り入れると、スカートを捲り上げて太ももを撫でた。
「やだ…っ!やめて…っ!!!」
際どいところにまで触れようとする指から逃れようと身体をよじりながら、私は自由になった手で男の胸板を押す。
そのときだったー。
「汚い手で触るな。」
低い男の人の声ー。
リーダーの男の肩を掴んだ誰かの顔は、リーダーの男の身体に隠れて見えなかった。
でも、聞いたことのある声だー、そう思った瞬間には、驚いて振り向いたリーダー格の男が思いっきり殴り飛ばされていた。
「この野郎ッ!何しやがるんだっ!!」
「てめぇ、俺達がぶっ飛ばしてやるっ!!」
リーダーを殴り飛ばされた2人が、顔を真っ赤にして怒り出した。
でも、そんな2人もあっという間に地面に落とされてしまった。
どうして、彼がこんなところにー。
頭の中にそんな疑問が浮かばなかったわけではない。
でも、これでもう助かったのだと安心した身体から、力が抜けていった。
地面に落ちる前に、私を抱きとめてくれたのも彼だった。
優しい腕の中は、とても懐かしい香りがした。