◇第六十五話◇ブランケットの恋よ、さようなら
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久しぶりに、私を見たリヴァイ兵長は、とても悲痛な表情をしていた。
本当は、こちらを向くつもりはなかったのだろうか。
上司と部下という関係になんて、戻りたくなかったのだろうか。
それでも、私はー。
リヴァイ兵長がこっちを向いてくれた。
だから、私はー。
「よか、…た、ぁ…。」
安心した私の瞳からは、今まで必死に堪えていた涙が、いろんな感情と共に一気に溢れ出した。
きっと、立ち去ってしまうのだろうと思っていた。
ひとりきりの図書室でリヴァイ兵長へ言う言葉を考えながらも、立ち去っていく後ろ姿ばかりを想像してしまって、とてもツラかった。
でも、リヴァイ兵長は、こっちを向いてくれた。
それが、優しさでも、哀れみでも、もうなんでもいい。
私がもう二度と、リヴァイ兵長に迷惑をかけないようにすればいい。
優しいリヴァイ兵長が出した答えを、後悔させないように、私が少しだけ、無理をすればいいだけだ。
だから、泣いたらいけないと、私は両手の甲で必死に涙を拭った。
「ご、ごめんなさ…っ。すぐ、泣き止みます、から…っ。」
必死に涙を拭いながら謝っている私の滲む視界に、リヴァイ兵長が歩み寄ってくるのが見えた。
途端に、焦りと不安に襲われる。
何か言われるー。
そういうつもりで振り向いたんじゃないと謝られるのかもしれない。
『すまない。』
あのとき聞いたリヴァイ兵長の低い声が蘇って、私はさらに必死に涙を拭う。
必死に謝る。
すぐに泣き止むから、だから行かないで。
もうどこにも、行かないでー。
「悪かった。」
想像していたリヴァイ兵長の台詞に似ていて、怯えた私の肩にそっと触れた指先の温もり。
躊躇いがたちにそっと、座ったままで私の身体が引き寄せられて、甘くて苦い紅茶の香りに包まれた。
「泣きたきゃ、泣け。そして、俺みてぇな男、さっさと忘れちまえ。」
私の頭を抱えるように触れて自分の身体に押し付けるから、リヴァイ兵長の匂いが鼻の奥をツンとさせて、私はギュッと目を瞑った。
痛い。胸が痛い、すごくー。
それなのに、リヴァイ兵長はー。
「今だけ、今だけだ。今だけ…。」
今だけだ、と繰り返しながら私を抱きしめる。
ギュッと、強く、ギュッと、痛いくらに優しい温もりを残したままで。
あぁ、本当にひどい男だと思いながら、縋ることをやめられず、私はリヴァイ兵長の背中に手をまわす。
気まぐれでくれる今だけの優しさなら要らないとあれほど苦しんだのにー。
それならいっそ、立ち上がれないほどに傷つけられた方がどれだけ楽だろうかとあれほど泣いたのにー。
その夜、私は涙が枯れるまで縋り泣いた。
さようなら、苦しいくらいにリヴァイ兵長を想って、泣いて、笑って、そして、悲劇にも喜劇にもならなかった私だけの恋ー。
本当は、こちらを向くつもりはなかったのだろうか。
上司と部下という関係になんて、戻りたくなかったのだろうか。
それでも、私はー。
リヴァイ兵長がこっちを向いてくれた。
だから、私はー。
「よか、…た、ぁ…。」
安心した私の瞳からは、今まで必死に堪えていた涙が、いろんな感情と共に一気に溢れ出した。
きっと、立ち去ってしまうのだろうと思っていた。
ひとりきりの図書室でリヴァイ兵長へ言う言葉を考えながらも、立ち去っていく後ろ姿ばかりを想像してしまって、とてもツラかった。
でも、リヴァイ兵長は、こっちを向いてくれた。
それが、優しさでも、哀れみでも、もうなんでもいい。
私がもう二度と、リヴァイ兵長に迷惑をかけないようにすればいい。
優しいリヴァイ兵長が出した答えを、後悔させないように、私が少しだけ、無理をすればいいだけだ。
だから、泣いたらいけないと、私は両手の甲で必死に涙を拭った。
「ご、ごめんなさ…っ。すぐ、泣き止みます、から…っ。」
必死に涙を拭いながら謝っている私の滲む視界に、リヴァイ兵長が歩み寄ってくるのが見えた。
途端に、焦りと不安に襲われる。
何か言われるー。
そういうつもりで振り向いたんじゃないと謝られるのかもしれない。
『すまない。』
あのとき聞いたリヴァイ兵長の低い声が蘇って、私はさらに必死に涙を拭う。
必死に謝る。
すぐに泣き止むから、だから行かないで。
もうどこにも、行かないでー。
「悪かった。」
想像していたリヴァイ兵長の台詞に似ていて、怯えた私の肩にそっと触れた指先の温もり。
躊躇いがたちにそっと、座ったままで私の身体が引き寄せられて、甘くて苦い紅茶の香りに包まれた。
「泣きたきゃ、泣け。そして、俺みてぇな男、さっさと忘れちまえ。」
私の頭を抱えるように触れて自分の身体に押し付けるから、リヴァイ兵長の匂いが鼻の奥をツンとさせて、私はギュッと目を瞑った。
痛い。胸が痛い、すごくー。
それなのに、リヴァイ兵長はー。
「今だけ、今だけだ。今だけ…。」
今だけだ、と繰り返しながら私を抱きしめる。
ギュッと、強く、ギュッと、痛いくらに優しい温もりを残したままで。
あぁ、本当にひどい男だと思いながら、縋ることをやめられず、私はリヴァイ兵長の背中に手をまわす。
気まぐれでくれる今だけの優しさなら要らないとあれほど苦しんだのにー。
それならいっそ、立ち上がれないほどに傷つけられた方がどれだけ楽だろうかとあれほど泣いたのにー。
その夜、私は涙が枯れるまで縋り泣いた。
さようなら、苦しいくらいにリヴァイ兵長を想って、泣いて、笑って、そして、悲劇にも喜劇にもならなかった私だけの恋ー。