◇第五十二話◇臆病者の夜
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寝る準備を終えたリヴァイ兵長は、ソファに横になった。
私にベッドで寝るように言うのだけれど、さすがに上官を差し置いてベッドを占領することなんて出来ない。
それに、まだ傷が残る身体で狭いソファに寝るのは体勢もキツそうだ。
「リヴァイ兵長がベッドで寝てください。
私がソファで寝ますよ。」
ブランケットの代わりにしようと脱いだガウンを持って、私はソファの前に立った。
だが、リヴァイ兵長は私をチラリと見上げたら、強引にガウンを奪った。
「ちょうどいい、貸せ。これで寝る。」
リヴァイ兵長はブランケットのようにガウンを身体にかけると、私に背を向けてしまった。
絶対にソファで寝る気らしい。
頑固だーと思う。
でも、私だって、好きな人をソファで寝かせたくない。
「じゃあ、一緒にベッドで寝ませんか?
ツインみたいだし、2人で眠れますよ。」
「お前は、さっき俺が教えた教訓を学んでねぇらしい。」
「学びましたよ。リヴァイ兵長なら大丈夫だからー。」
「寝ろ。」
リヴァイ兵長の背中は、何を言っても無駄だと語っている。
気づかれないようにため息を吐いて、私はソファに背を向けた。
ベッドに入って、リヴァイ兵長の方を向く。
絶対に振り返ってくれそうにない背中が、寂しい。
これが、私とリヴァイ兵長の距離。
強引にベッドに寝るように言って面倒くさがられたくない、冗談めかして一緒に寝ようと誘う勇気もない。
私はとにかく、リヴァイ兵長に嫌われるのが怖くて、結局何もできない。
リヴァイ兵長は冗談でしか触れてくれないし、触れたと思ったらこうして突き放す。
優しくしないでくれとは言わない。
きっとそれは、リヴァイ兵長なりの部下への愛情なのだろうから。
でも、何とも思っていないのなら、触れてほしくなんかない。
そうでないと、私はリヴァイ兵長の指の感触を、抱きしめられたときの温もりを、覚えてしまう。
掛け布団を胸元までかけて、私はリヴァイ兵長に声をかけた。
「ベッド、ありがとうございます。
でも、もしも身体が痛くなったら言ってください。代わりますから。」
待ってみても返事のない背中に、最後におやすみなさいと告げて、私は目を閉じた。
私にベッドで寝るように言うのだけれど、さすがに上官を差し置いてベッドを占領することなんて出来ない。
それに、まだ傷が残る身体で狭いソファに寝るのは体勢もキツそうだ。
「リヴァイ兵長がベッドで寝てください。
私がソファで寝ますよ。」
ブランケットの代わりにしようと脱いだガウンを持って、私はソファの前に立った。
だが、リヴァイ兵長は私をチラリと見上げたら、強引にガウンを奪った。
「ちょうどいい、貸せ。これで寝る。」
リヴァイ兵長はブランケットのようにガウンを身体にかけると、私に背を向けてしまった。
絶対にソファで寝る気らしい。
頑固だーと思う。
でも、私だって、好きな人をソファで寝かせたくない。
「じゃあ、一緒にベッドで寝ませんか?
ツインみたいだし、2人で眠れますよ。」
「お前は、さっき俺が教えた教訓を学んでねぇらしい。」
「学びましたよ。リヴァイ兵長なら大丈夫だからー。」
「寝ろ。」
リヴァイ兵長の背中は、何を言っても無駄だと語っている。
気づかれないようにため息を吐いて、私はソファに背を向けた。
ベッドに入って、リヴァイ兵長の方を向く。
絶対に振り返ってくれそうにない背中が、寂しい。
これが、私とリヴァイ兵長の距離。
強引にベッドに寝るように言って面倒くさがられたくない、冗談めかして一緒に寝ようと誘う勇気もない。
私はとにかく、リヴァイ兵長に嫌われるのが怖くて、結局何もできない。
リヴァイ兵長は冗談でしか触れてくれないし、触れたと思ったらこうして突き放す。
優しくしないでくれとは言わない。
きっとそれは、リヴァイ兵長なりの部下への愛情なのだろうから。
でも、何とも思っていないのなら、触れてほしくなんかない。
そうでないと、私はリヴァイ兵長の指の感触を、抱きしめられたときの温もりを、覚えてしまう。
掛け布団を胸元までかけて、私はリヴァイ兵長に声をかけた。
「ベッド、ありがとうございます。
でも、もしも身体が痛くなったら言ってください。代わりますから。」
待ってみても返事のない背中に、最後におやすみなさいと告げて、私は目を閉じた。