◇第四十九話◇お手伝い
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日から、私はリヴァイ兵長の執務室で書類のお手伝いをさせてもらっていた。
一度は断ろうとしたリヴァイ兵長だったけれど、デスクの上に山積みになっている書類を見て気持ちが変わったらしい。
あまり執務が好きではないらしいリヴァイ兵長は、そもそも書類を溜めこむタイプではあるけれど、今回ばかりは、右手を負傷している。
ローテーブルに並んで座ったリヴァイ兵長は、不要に動かさないように医療兵から指示が出ているということだったので、指示だけを出してもらうようにお願いした。
「そこは結果だけ簡単に書いてれば問題ねぇ。」
「はい、わかりました。」
代わりにペンを握る私に、リヴァイ兵長は書類を覗き込みながら指示を出す。
必然的に距離が近くなって、息遣いまで耳元に聞こえてくるから、ドキドキして震えそうになるペンをしっかり握ることに意識を集中する。
「それで問題ねぇ。
疲れたな。休憩にするか。」
リヴァイ兵長の一言に、いろんな意味でホッとした。
「思ったよりも早く終わりそうですねっ。」
嬉しくなって、私はリヴァイ兵長を見て、息を止めた。
思ったよりも近い距離に、リヴァイ兵長の驚いた顔があって焦る。
「紅茶っ、淹れてきますねっ!」
慌てて目を反らした私は、逃げるように給湯室へ向かった。
上官の部屋だけに設置されている給湯室は、部屋とは呼べないくらいに狭いけれど、ティーカップやお皿を入れる小さな食器棚とティーポットを沸かしたり、しょっとした食器洗いをするには充分の広さがあった。
綺麗に整頓されているおかげで、慣れない場所でも特に困ることもなく、ティーカップを2客用意出来た。
紅茶の葉も木箱の中に綺麗に並んでいる。
「あ…。」
見つけたのは、兵舎を出て行った日、私がリヴァイ兵長にあげた紅茶の葉だった。
(飲んでくれてるんだ。)
いくつか減っているのに気づいて、嬉しくなる。
せっかくだし、とその中から紅茶の葉を選んだ。
出来上がった紅茶を持って部屋に戻ると、テーブルの上に広がっていた書類がすべて端の方にまとめられていた。
リヴァイ兵長が片付けておいてくれたようだ。
「書類、片付けてくれたんですね。ありがとうございます。」
礼を言ってから、リヴァイ兵長の前に紅茶をそっと置いた。
隣に座りたいとも思ったけれど、私はティーカップを手に持ったままで向かい合う場所に腰を下ろす。
「お前のおかげで、エルヴィンに嫌味を言われねぇで済みそうだ。
助かった。」
「いえ、そもそも私が怪我をさせてしまったせいなので。
むしろ、すみません。」
「大袈裟な包帯もたまには役に立つもんだな。
これがなけりゃ、それは白紙のままだ。」
リヴァイ兵長は、テーブルの上にある書類を目で示した。
「…そうかもしれないですね。」
思わずクスリと笑ってしまう。
さりげない気遣いが嬉しかった。
一度は断ろうとしたリヴァイ兵長だったけれど、デスクの上に山積みになっている書類を見て気持ちが変わったらしい。
あまり執務が好きではないらしいリヴァイ兵長は、そもそも書類を溜めこむタイプではあるけれど、今回ばかりは、右手を負傷している。
ローテーブルに並んで座ったリヴァイ兵長は、不要に動かさないように医療兵から指示が出ているということだったので、指示だけを出してもらうようにお願いした。
「そこは結果だけ簡単に書いてれば問題ねぇ。」
「はい、わかりました。」
代わりにペンを握る私に、リヴァイ兵長は書類を覗き込みながら指示を出す。
必然的に距離が近くなって、息遣いまで耳元に聞こえてくるから、ドキドキして震えそうになるペンをしっかり握ることに意識を集中する。
「それで問題ねぇ。
疲れたな。休憩にするか。」
リヴァイ兵長の一言に、いろんな意味でホッとした。
「思ったよりも早く終わりそうですねっ。」
嬉しくなって、私はリヴァイ兵長を見て、息を止めた。
思ったよりも近い距離に、リヴァイ兵長の驚いた顔があって焦る。
「紅茶っ、淹れてきますねっ!」
慌てて目を反らした私は、逃げるように給湯室へ向かった。
上官の部屋だけに設置されている給湯室は、部屋とは呼べないくらいに狭いけれど、ティーカップやお皿を入れる小さな食器棚とティーポットを沸かしたり、しょっとした食器洗いをするには充分の広さがあった。
綺麗に整頓されているおかげで、慣れない場所でも特に困ることもなく、ティーカップを2客用意出来た。
紅茶の葉も木箱の中に綺麗に並んでいる。
「あ…。」
見つけたのは、兵舎を出て行った日、私がリヴァイ兵長にあげた紅茶の葉だった。
(飲んでくれてるんだ。)
いくつか減っているのに気づいて、嬉しくなる。
せっかくだし、とその中から紅茶の葉を選んだ。
出来上がった紅茶を持って部屋に戻ると、テーブルの上に広がっていた書類がすべて端の方にまとめられていた。
リヴァイ兵長が片付けておいてくれたようだ。
「書類、片付けてくれたんですね。ありがとうございます。」
礼を言ってから、リヴァイ兵長の前に紅茶をそっと置いた。
隣に座りたいとも思ったけれど、私はティーカップを手に持ったままで向かい合う場所に腰を下ろす。
「お前のおかげで、エルヴィンに嫌味を言われねぇで済みそうだ。
助かった。」
「いえ、そもそも私が怪我をさせてしまったせいなので。
むしろ、すみません。」
「大袈裟な包帯もたまには役に立つもんだな。
これがなけりゃ、それは白紙のままだ。」
リヴァイ兵長は、テーブルの上にある書類を目で示した。
「…そうかもしれないですね。」
思わずクスリと笑ってしまう。
さりげない気遣いが嬉しかった。