◇第四十六話◇おかえり
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夕食を終えた私は、104期の新兵達と一緒に宿舎に戻ってきていた。
前回の壁外調査でエレンの功績も少しは認めてもらえたようで、彼も兵舎で生活をする許可が出たらしい。
やっと調査兵らしくなったと喜ぶエレンよりも、ミカサやアルミンの方が嬉しそうで、とても微笑ましい。
「明日からはまたなまえさんの兵団服姿が見られるんですねっ。
ワンピース姿も好きですけど、やっぱり兵団服のなまえさんはカッコいいですからねっ!
楽しみです!!」
嬉しそうに言ったサシャに、それはまだ無理だと答える。
「え!なんでですか!?また辞めるんですか!?」
ショックだ!と顔で言うサシャに、私に代わってジャンが説明してくれた。
「なんでだよ。エルヴィン団長が休暇届で出してるから、
残りの休暇消化のためにあと1週間は休みだって話を
ハンジさんがしてただろ。この芋女が。」
頭も芋なんじゃねーの?と余計なことを言うコニーは、サシャに思いっきり頭を噛みつかれているが、ジャンの言う通りだ。
ついでに、1週間も休みがもらえるなんて羨ましいという声がチラホラと上がってきたが、残念ながら、そんなに良い休暇ではない。
何と言っても、私には壁外調査の報告書という大量の書類仕事が待っている。しかも、せっかく1週間兵役が休みならちょうどよかったーとばかりに、私には全く関係なさそうな書類までハンジさんが置いて行っていたことに、食堂に行く前に気づいたところだ。
「ーということで、私は、1週間書類漬けだよ…。」
「…どんまいだ、なまえ。」
ライナーの大きな手が、肩に乗る。
優しさなのだろうけれど、なんだかすごく重たく感じる。
仕事をしなければならないのだと改めて思い知らされて、憂鬱になった。
それは、目が合ったベルトルトに、不憫そうな顔をされたからだろうか。
「じゃあ、私はここで。また明日ね。」
「あ、そっか。なまえさんの部屋はペトラさん達と同じフロアになったんでしたね。」
階段前で立ち止まった私に、アルミンが思い出したように言った。
今までなら、部屋に入る直前まで彼らと一緒だったから、何だか寂しい気持ちになる。
同期というのがいない私にとって、同期だと呼べるのはルルと104期の新兵達だけだったからー。
「壁外調査での活躍が認められたんですね!よかったです!
おれもすっげぇ嬉しいですっ!」
「アハハ…、ありがとう…。」
エレンが目をキラキラさせればさせるほど、ミカサの視線が鋭くなっていくことに、そろそろ彼も気づくべきだと思う。
フォローしているアルミンに心の中でお礼を言ってから、またねと彼らに手を振る。
嬉しそうに手を振り返してくれたクリスタが可愛い。その隣で、何か企んでいそうな悪い笑みのユミルが、怖い。
「…さ、気を取り直して。」
重たい足を引きずって、階段を上る。
兵団に戻ってくるための嘘も方便だったにしても、休暇届によって休暇を貰えたことは確かなのだ。
そしてその休暇には日数制限があって、私はそのうちの2週間を使ってしまったことになる。
勿体ない。絶対に勿体ない。
だから、あと残り1週間、死ぬ気で書類仕事を終わらせて、少しは休暇を満喫したいと思っている。
ー予定だ。
(あれ?)
階段を上りきり、廊下を歩いていた私は、リヴァイ兵長の姿を見つけた。
私の部屋の扉に寄り掛かり、つまらなそうに立っている。
任務が終わったばかりなのか、訓練後なのかは分からないけれど、まだ立体起動装置を装備している。
(何してるんだろう?)
そういえば、ハンジさんから、ミケ分隊長からも書類を頼まれているから明日にでも貰いに行ってくれと言われている。
もしかして、リヴァイ兵長からも書類を渡されるのだろうか。
嫌な予感がしつつ、私は恐る恐る声をかけた。
「リヴァイ兵長、どうかしたんですか?」
「あぁ…!やっと来たか。遅ぇ。来い。」
私に気づいたリヴァイ兵長は、それだけ言うと背を向けて歩き出した。
書類を持っている様子はないが、世間話をしに来たわけでもなさそうだ。
「どこに行くんですか?」
慌てて追いかけ、私はリヴァイ兵長の隣に並ぶ。
「気が向いた。」
チラリと私を見た後で、リヴァイ兵長はそれだけ答える。
全く答えに何てなっていないけれど、本人は詳しく説明する気はないらしい。
(まぁ、いっか。)
それ以上、何かを訊ねることもせず、私はリヴァイ兵長の隣を歩く。
もしも、顔面が真っ青になるくらいの書類を押し付けられたとしても、とりあえず今は、リヴァイ兵長の顔を見られたことで良しとする。
「ニヤニヤしやがって、気持ち悪ぃな。」
横目で私を見たリヴァイ兵長に、チッと舌打ちされた。
前回の壁外調査でエレンの功績も少しは認めてもらえたようで、彼も兵舎で生活をする許可が出たらしい。
やっと調査兵らしくなったと喜ぶエレンよりも、ミカサやアルミンの方が嬉しそうで、とても微笑ましい。
「明日からはまたなまえさんの兵団服姿が見られるんですねっ。
ワンピース姿も好きですけど、やっぱり兵団服のなまえさんはカッコいいですからねっ!
楽しみです!!」
嬉しそうに言ったサシャに、それはまだ無理だと答える。
「え!なんでですか!?また辞めるんですか!?」
ショックだ!と顔で言うサシャに、私に代わってジャンが説明してくれた。
「なんでだよ。エルヴィン団長が休暇届で出してるから、
残りの休暇消化のためにあと1週間は休みだって話を
ハンジさんがしてただろ。この芋女が。」
頭も芋なんじゃねーの?と余計なことを言うコニーは、サシャに思いっきり頭を噛みつかれているが、ジャンの言う通りだ。
ついでに、1週間も休みがもらえるなんて羨ましいという声がチラホラと上がってきたが、残念ながら、そんなに良い休暇ではない。
何と言っても、私には壁外調査の報告書という大量の書類仕事が待っている。しかも、せっかく1週間兵役が休みならちょうどよかったーとばかりに、私には全く関係なさそうな書類までハンジさんが置いて行っていたことに、食堂に行く前に気づいたところだ。
「ーということで、私は、1週間書類漬けだよ…。」
「…どんまいだ、なまえ。」
ライナーの大きな手が、肩に乗る。
優しさなのだろうけれど、なんだかすごく重たく感じる。
仕事をしなければならないのだと改めて思い知らされて、憂鬱になった。
それは、目が合ったベルトルトに、不憫そうな顔をされたからだろうか。
「じゃあ、私はここで。また明日ね。」
「あ、そっか。なまえさんの部屋はペトラさん達と同じフロアになったんでしたね。」
階段前で立ち止まった私に、アルミンが思い出したように言った。
今までなら、部屋に入る直前まで彼らと一緒だったから、何だか寂しい気持ちになる。
同期というのがいない私にとって、同期だと呼べるのはルルと104期の新兵達だけだったからー。
「壁外調査での活躍が認められたんですね!よかったです!
おれもすっげぇ嬉しいですっ!」
「アハハ…、ありがとう…。」
エレンが目をキラキラさせればさせるほど、ミカサの視線が鋭くなっていくことに、そろそろ彼も気づくべきだと思う。
フォローしているアルミンに心の中でお礼を言ってから、またねと彼らに手を振る。
嬉しそうに手を振り返してくれたクリスタが可愛い。その隣で、何か企んでいそうな悪い笑みのユミルが、怖い。
「…さ、気を取り直して。」
重たい足を引きずって、階段を上る。
兵団に戻ってくるための嘘も方便だったにしても、休暇届によって休暇を貰えたことは確かなのだ。
そしてその休暇には日数制限があって、私はそのうちの2週間を使ってしまったことになる。
勿体ない。絶対に勿体ない。
だから、あと残り1週間、死ぬ気で書類仕事を終わらせて、少しは休暇を満喫したいと思っている。
ー予定だ。
(あれ?)
階段を上りきり、廊下を歩いていた私は、リヴァイ兵長の姿を見つけた。
私の部屋の扉に寄り掛かり、つまらなそうに立っている。
任務が終わったばかりなのか、訓練後なのかは分からないけれど、まだ立体起動装置を装備している。
(何してるんだろう?)
そういえば、ハンジさんから、ミケ分隊長からも書類を頼まれているから明日にでも貰いに行ってくれと言われている。
もしかして、リヴァイ兵長からも書類を渡されるのだろうか。
嫌な予感がしつつ、私は恐る恐る声をかけた。
「リヴァイ兵長、どうかしたんですか?」
「あぁ…!やっと来たか。遅ぇ。来い。」
私に気づいたリヴァイ兵長は、それだけ言うと背を向けて歩き出した。
書類を持っている様子はないが、世間話をしに来たわけでもなさそうだ。
「どこに行くんですか?」
慌てて追いかけ、私はリヴァイ兵長の隣に並ぶ。
「気が向いた。」
チラリと私を見た後で、リヴァイ兵長はそれだけ答える。
全く答えに何てなっていないけれど、本人は詳しく説明する気はないらしい。
(まぁ、いっか。)
それ以上、何かを訊ねることもせず、私はリヴァイ兵長の隣を歩く。
もしも、顔面が真っ青になるくらいの書類を押し付けられたとしても、とりあえず今は、リヴァイ兵長の顔を見られたことで良しとする。
「ニヤニヤしやがって、気持ち悪ぃな。」
横目で私を見たリヴァイ兵長に、チッと舌打ちされた。