◇第四十話◇それぞれの眠れない夜
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「そっか…。リヴァイ兵長が、助けてくれたんだ。」
よかったね、ルルー。
震える声で言って、なまえは自分の身体を抱きしめた。
弱弱しいその身体を包んであげたくなって、ペトラは伸ばしかけた手を思わず引っ込めた。
彼女の体の震えは、心で流れる涙は、リヴァイを求めているような気がした。
だから、ペトラは、彼女の身体を包む代わりに背中を撫でた。
もしも、あのとき、なまえとルルを迎えに行ったのがリヴァイじゃなければー。
あれからずっと、そればかりがペトラの頭の中をぐるぐると巡っている。
自分だったら、オルオでもエルドでもグンタでもいい。他の誰かだったのなら、リヴァイがこんなに自分を責めることはなかったはずだ。
どうせ、結果は同じだったのなら、せめて、迎えに行ったのがリヴァイでさえなければー。
「明日、リヴァイ兵長は見送りにはこないつもりだよ。」
ペトラの言葉に、なまえは一瞬だけ息を止めたようだった。
でも、すぐに「そうだよね。」と目を伏せた。
何が、そうだと思ったのだろう。
なまえは何も分かっていない。何も。
どうして、リヴァイは見送りをしないつもりだと思っているのだろう。
分かってない。なまえは何も、何も分かっていない。
どうして、リヴァイが命を懸けて死んだ仲間の身体を巨人から奪い返してきたのか。
どうして、リヴァイは今ここにいないのか。どうして、リヴァイがなまえに触れようとしないのか。
何も分かっていない。
『やめるな。』
もし、リヴァイがそう言って引き留めたら、なまえはどうするのだろう。
兵団を去ることをやめるだろうか。
なんとか踏みとどまり、リヴァイの隣で、地獄に立ち向かおうとするだろうか。
(私がここでなまえを引き留めたら、リヴァイ兵長は喜ぶかな。)
ふと、そんなことを考えて、ペトラは小さく首を横に振る。
違う。リヴァイが本当に望んでいるのはそういうことじゃない。
彼もきっと、なまえが調査兵団に残り傷つくことなんて望んでいない。
やめてほしいと思っている。
だから、絶対に引き留めたりしない自分になまえを託したのだろう。
その理由が、あまりにも残酷で、ペトラは唇を噛んだ。
「もし、もしもだよ。
リヴァイ兵長に伝えたいことがあるなら、ちゃんと自分から行かなきゃダメだよ。
わかった?」
少しして、なまえはコクリと頷いた。
どうするのだろう。
彼女は、リヴァイの元へ向かうだろうか。
そして、目の前に現れたなまえに、リヴァイは最後に何を伝えるのだろう。
今夜は自分も眠れなさそうだー。
ペトラは、今度こそなまえを抱きしめた。
頑張った、なまえは精一杯頑張った。
(壊れた心ではなくて、私はなまえの功績を褒めてあげたいよ。)
こんな混沌とした世界で、最も優しい兵士がこの世から去るのを惜しむように、その夜はゆっくりと過ぎていった。
よかったね、ルルー。
震える声で言って、なまえは自分の身体を抱きしめた。
弱弱しいその身体を包んであげたくなって、ペトラは伸ばしかけた手を思わず引っ込めた。
彼女の体の震えは、心で流れる涙は、リヴァイを求めているような気がした。
だから、ペトラは、彼女の身体を包む代わりに背中を撫でた。
もしも、あのとき、なまえとルルを迎えに行ったのがリヴァイじゃなければー。
あれからずっと、そればかりがペトラの頭の中をぐるぐると巡っている。
自分だったら、オルオでもエルドでもグンタでもいい。他の誰かだったのなら、リヴァイがこんなに自分を責めることはなかったはずだ。
どうせ、結果は同じだったのなら、せめて、迎えに行ったのがリヴァイでさえなければー。
「明日、リヴァイ兵長は見送りにはこないつもりだよ。」
ペトラの言葉に、なまえは一瞬だけ息を止めたようだった。
でも、すぐに「そうだよね。」と目を伏せた。
何が、そうだと思ったのだろう。
なまえは何も分かっていない。何も。
どうして、リヴァイは見送りをしないつもりだと思っているのだろう。
分かってない。なまえは何も、何も分かっていない。
どうして、リヴァイが命を懸けて死んだ仲間の身体を巨人から奪い返してきたのか。
どうして、リヴァイは今ここにいないのか。どうして、リヴァイがなまえに触れようとしないのか。
何も分かっていない。
『やめるな。』
もし、リヴァイがそう言って引き留めたら、なまえはどうするのだろう。
兵団を去ることをやめるだろうか。
なんとか踏みとどまり、リヴァイの隣で、地獄に立ち向かおうとするだろうか。
(私がここでなまえを引き留めたら、リヴァイ兵長は喜ぶかな。)
ふと、そんなことを考えて、ペトラは小さく首を横に振る。
違う。リヴァイが本当に望んでいるのはそういうことじゃない。
彼もきっと、なまえが調査兵団に残り傷つくことなんて望んでいない。
やめてほしいと思っている。
だから、絶対に引き留めたりしない自分になまえを託したのだろう。
その理由が、あまりにも残酷で、ペトラは唇を噛んだ。
「もし、もしもだよ。
リヴァイ兵長に伝えたいことがあるなら、ちゃんと自分から行かなきゃダメだよ。
わかった?」
少しして、なまえはコクリと頷いた。
どうするのだろう。
彼女は、リヴァイの元へ向かうだろうか。
そして、目の前に現れたなまえに、リヴァイは最後に何を伝えるのだろう。
今夜は自分も眠れなさそうだー。
ペトラは、今度こそなまえを抱きしめた。
頑張った、なまえは精一杯頑張った。
(壊れた心ではなくて、私はなまえの功績を褒めてあげたいよ。)
こんな混沌とした世界で、最も優しい兵士がこの世から去るのを惜しむように、その夜はゆっくりと過ぎていった。