◇第三十五話◇無情にも届かない手
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リヴァイ兵長に抱きかかえられて戻ってきた私を見て、ハンジさん達は驚いていたけれど、何があったかは聞かなかった。
どうしてルルが一緒じゃないのかも、誰も聞こうとはしなかった。
リヴァイ兵長は、私を荷馬車の上に乗せると、ハンジさんの元へ向かった。
そして、ハンジさんの指示で、みんなが帰る支度を始める。
そこにルルの姿はないのに、誰も探そうとはしない。
そして、誰も、私に声をかけようとはしなかった。
まるで、腫れ物でも触るように、いや、触れてはいけない毒でもあるみたいに、私を見ようともしなかった。
意識の戻っていないエレンと無用の長物に終わった巨人捕獲用ネットを乗せた荷馬車に揺られて、私は、1人ぼっちでルルを残してきてしまった巨大樹の森を眺める。
『なまえ。今日もお疲れ様っ。』
隣からルルの声がした気がして、私はすぐに声のした方を見た。
でも、そこにあるのは壁外の空気だけ。
それでも、そこにルルがいることを願って、手を伸ばしてみる。
冷たい風が触れて、彼女の輪郭を無情に消していくのが、見えた気がした。
どうしてルルが一緒じゃないのかも、誰も聞こうとはしなかった。
リヴァイ兵長は、私を荷馬車の上に乗せると、ハンジさんの元へ向かった。
そして、ハンジさんの指示で、みんなが帰る支度を始める。
そこにルルの姿はないのに、誰も探そうとはしない。
そして、誰も、私に声をかけようとはしなかった。
まるで、腫れ物でも触るように、いや、触れてはいけない毒でもあるみたいに、私を見ようともしなかった。
意識の戻っていないエレンと無用の長物に終わった巨人捕獲用ネットを乗せた荷馬車に揺られて、私は、1人ぼっちでルルを残してきてしまった巨大樹の森を眺める。
『なまえ。今日もお疲れ様っ。』
隣からルルの声がした気がして、私はすぐに声のした方を見た。
でも、そこにあるのは壁外の空気だけ。
それでも、そこにルルがいることを願って、手を伸ばしてみる。
冷たい風が触れて、彼女の輪郭を無情に消していくのが、見えた気がした。