◇第三十五話◇無情にも届かない手
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ルルと協力して3体は倒せた。
だが、残りの1体がどうも動きが俊敏で、私もルルも手こずっていた。
しかも、奇行種のようで、私達の動きを長い腕で邪魔しながらも、私達には目もくれずにまっしぐらに向かっているのはエレン達のいる広場のようだった。
「もう何なの、コイツ!この腕!腕が邪魔なのよ!!
ちっとも近づけないじゃない!エレン達のとこまでもうすぐそこなのに…!」
ルルのイライラも、そろそろ頂点に達しそうだ。
でも、私達は焦っていた。
このままではエレン達のもとに巨人を連れていくことになってしまう。
そろそろエレンの身体は巨人化した身体から引きはがされているかもしれないが、エレンはいつものように動けない状態だろう。
そんなところに巨人を連れて行きたくない。
「片方の腕だけ切っても意味ない。左右同時に行こう!」
「そうだね!!了解!!」
私達は左右に分かれると、それぞれ肩にアンカーを飛ばした。
一気に上に飛び上がり、超硬質スチールを持ち上げる。
この巨人は15m級はある。腕も太く筋肉質。
きっと、腕の力だけじゃ切り落とせない。
私たちは、顔を見合わせると、自分達の身体を仰向けに倒した。そして、勢いをつけて、自分の身体を落下させる。
その勢いのまま、刃で巨人の腕を一気に切り落とすー!
「やったっ!」
背中でルルの声を聞いて、私は、落ちた身体を一気に空へ飛び上がらせた。
下から飛び上がった流れで、私は巨人のうなじを目指す。
その姿を巨人のギョロッとした大きな目が追いかけていた。
でも、大丈夫。きっといける。
私は刃を巨人のうなじに向けた。
「…ッ!?」
腕をなくした巨人が私に噛みつこうとしたのを間一髪で避ける。
少し体勢が崩れたが、やれないほどではない。
私はそのまま、巨人のうなじに飛び掛かり、一気にうなじを削いだ。
だが、避けたときに慌てて体勢を変えたせいで、ワイヤーの向きが想定外の方へ向いていた。
倒れてきた巨人の肩でワイヤーが引っ張られる。
このままでは、ワイヤーに引っ張られて私も地面に叩きつけられる。
すぐにアンカーを抜くと、私の身体は木の幹へと飛ばされた。
「痛ッ!!」
咄嗟に身体をよじって、木の幹への直撃は避けられたが、腰を打ってしまった。
「なまえ!?」
すぐにルルが飛んできて、体勢を崩した私を抱えると、近くの木の枝の上に降りた。
「助かったよ~。ありがとう。」
「もう、気を付けてよ。」
ルルはホッとしたように息を吐いた。
幸い、腰を打っただけで、少し痛みはあるが問題なさそうだった。
だがー。
「ごめん、今の衝撃で立体起動装置が壊れたみたい。」
「うそ…、あと少しなのに…。」
ルルは森の奥の方を見る。
生い茂る木々が減り、少し遠いが眼前に広場の入口が確認出来ている。
あと少しではあるが、立体起動装置なしで行ける距離ではない。
それに、私達が最後の1体に手こずっている間に巨人が3体ほど増えていた。
7m級が2体と4m級が1体。
彼らは、いつ私達が下りてきてもいいように、下からジーッとこちらを見ている。
「おつかいばっかりお願いして悪いんだけど…。」
「はいはい、誰か助けを呼んできますね。」
「助かります!!」
「全くもう。」
ルルは笑って私に背を向けた。
だが、残りの1体がどうも動きが俊敏で、私もルルも手こずっていた。
しかも、奇行種のようで、私達の動きを長い腕で邪魔しながらも、私達には目もくれずにまっしぐらに向かっているのはエレン達のいる広場のようだった。
「もう何なの、コイツ!この腕!腕が邪魔なのよ!!
ちっとも近づけないじゃない!エレン達のとこまでもうすぐそこなのに…!」
ルルのイライラも、そろそろ頂点に達しそうだ。
でも、私達は焦っていた。
このままではエレン達のもとに巨人を連れていくことになってしまう。
そろそろエレンの身体は巨人化した身体から引きはがされているかもしれないが、エレンはいつものように動けない状態だろう。
そんなところに巨人を連れて行きたくない。
「片方の腕だけ切っても意味ない。左右同時に行こう!」
「そうだね!!了解!!」
私達は左右に分かれると、それぞれ肩にアンカーを飛ばした。
一気に上に飛び上がり、超硬質スチールを持ち上げる。
この巨人は15m級はある。腕も太く筋肉質。
きっと、腕の力だけじゃ切り落とせない。
私たちは、顔を見合わせると、自分達の身体を仰向けに倒した。そして、勢いをつけて、自分の身体を落下させる。
その勢いのまま、刃で巨人の腕を一気に切り落とすー!
「やったっ!」
背中でルルの声を聞いて、私は、落ちた身体を一気に空へ飛び上がらせた。
下から飛び上がった流れで、私は巨人のうなじを目指す。
その姿を巨人のギョロッとした大きな目が追いかけていた。
でも、大丈夫。きっといける。
私は刃を巨人のうなじに向けた。
「…ッ!?」
腕をなくした巨人が私に噛みつこうとしたのを間一髪で避ける。
少し体勢が崩れたが、やれないほどではない。
私はそのまま、巨人のうなじに飛び掛かり、一気にうなじを削いだ。
だが、避けたときに慌てて体勢を変えたせいで、ワイヤーの向きが想定外の方へ向いていた。
倒れてきた巨人の肩でワイヤーが引っ張られる。
このままでは、ワイヤーに引っ張られて私も地面に叩きつけられる。
すぐにアンカーを抜くと、私の身体は木の幹へと飛ばされた。
「痛ッ!!」
咄嗟に身体をよじって、木の幹への直撃は避けられたが、腰を打ってしまった。
「なまえ!?」
すぐにルルが飛んできて、体勢を崩した私を抱えると、近くの木の枝の上に降りた。
「助かったよ~。ありがとう。」
「もう、気を付けてよ。」
ルルはホッとしたように息を吐いた。
幸い、腰を打っただけで、少し痛みはあるが問題なさそうだった。
だがー。
「ごめん、今の衝撃で立体起動装置が壊れたみたい。」
「うそ…、あと少しなのに…。」
ルルは森の奥の方を見る。
生い茂る木々が減り、少し遠いが眼前に広場の入口が確認出来ている。
あと少しではあるが、立体起動装置なしで行ける距離ではない。
それに、私達が最後の1体に手こずっている間に巨人が3体ほど増えていた。
7m級が2体と4m級が1体。
彼らは、いつ私達が下りてきてもいいように、下からジーッとこちらを見ている。
「おつかいばっかりお願いして悪いんだけど…。」
「はいはい、誰か助けを呼んできますね。」
「助かります!!」
「全くもう。」
ルルは笑って私に背を向けた。