◇第三十一話◇壁外調査初日の洗礼
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必死に馬を走らせ、戦死した兵士達の後ろに配置されていた班が巨人と交戦しているのを見つけた。
遠くからしか見えないが、巨人の数は4体。
その周りには、巨人が死んだ後に上がる蒸気も確認できる。
少なくともあと5体はいたはず。
蒸気が上がっている巨人が残りのもう1体ということだろうか。
でも、私を焦らせたのは巨人の数じゃない。
交戦しているのは、以前、私を目の敵にしていた3人の女兵士達だった。
わだかまりが消えた最近では、一緒に食事をしたり、壁外調査が終わったらショッピングに行こうと約束をしている。
その約束は、たった1人欠けても叶えられない。
でもー。
彼女達は3人で必死に戦っているが、1人が巨人の大きな手の中にいて今まさに食べられようとしている。
他の2人は助けに行きたいようだが、別に3体いる巨人が邪魔で近づけないようだ。
「ルル!」
「足を行く!」
「お願い!!」
私とルルも、アンカーを巨人に飛ばして、馬から飛び上がる。
これで巨人の数を兵士の数がうわまった。
絶対に、絶対に、死なせない。
身体をバラバラに裂かれても、仲間を守ろうと必死に戦った先輩兵士達の意志を私達が、継ぐー!
ルルに右足のアキレス腱を切られた巨人が前のめりに倒れていく。
巨人が思わず手を離したせいで落ちていく兵士をルルが受け止めたのを、私は巨人の頭上から見下ろす。
振り上げた刃には、先輩兵士達の怒りや無念、仲間を助けたいという必死の願いが込められている。
絶対に、仕留めるー。
「よしっ!ー支援に来たよ!!」
「助かったよぉぉぉぉおっ!」
「右行ける?!私達で左行くっ!」
「了解!」
私達が1体倒している間に、彼女達がもう1体を討伐していた。
サッと見る限り、他に犠牲は出ていないようで安心した。
そして、これで巨人は残り2体。
負傷した兵士を除いても私達は4人いる。
少しは勝機が出てきたはずだ。
「これで全部?!」
巨人の肩にアンカーを刺し、うまく巨人の手の動きから避けながら、大声で訊ねた。
「あっちに2体向かった!たぶん奇行種だと思う!」
慌てて後ろを向くと、巨人の背中が見えた。
2体とも足の速い巨人ではないようで、ゆっくりとさらに後方へと向かっている。
もう1体と交戦している彼女達にはあの巨人を追いかけられない。
私は、ワイヤーを追いかける巨人の五月蠅い手を切り落とし、そのままの流れで巨人のうなじを削いだ。
そして、地面に落ちていく巨人の頭を蹴って飛び上がる。
数メートル前を馬鹿みたいにゆっくり歩いている巨人は、ダーツにするにはとてもいい的だろう。
大きいからとても当てやすい。
さらに、超硬質スチールの刃は都合のいいことに左右に2本入っている。
「そっちには…っ!行かせない!!」
左右の替刃を抜き出した私は、それを大きく振りかぶった。
うなじを切ろうとは思っていない。
そんなリヴァイ兵長みたいなことは出来ない。
せめて、時間を稼げたらー。
「いっけぇぇぇぇぇええッ!!!」
回転しながら速度を上げていく替刃が、奇行種の足を捉えた。
アキレス腱の部分を削がれて、前に倒れてる背中を確認して、私はすぐにルルの元へ向かった。
ルルに介抱されている負傷した兵の様子を見てみると、足の骨が折れているようで自力では立てないようだ。
確か、この近くにはミケ分隊長が配置されていたはずだ。
「マレーネ達がそこにいるのを倒したら、
どっちか1人を護衛に頼んで、ルルはエルマを連れてミケ分隊長のところに向かって。」
「え!?なまえは!?」
「私はあっちをやる。」
「1人でそんな!!」
「だから、ミケ分隊長に報告して指示を仰いで。」
「でも―。」
「つべこべ言う暇はないの!!
アイツらが後ろの仲間にたどり着く前に倒さないと!!!」
焦りで怒鳴ってしまった私に、ルルは口を噤んだ。
そして、奇行種の後ろ姿を確認すると、決意したように頷いた。
ちょうど、彼女達が残りの巨人を倒したようだった。
「それじゃ、よろしくね。」
私が呼ぶよりも先に、テュランが迎えに来た。
一刻も早く巨人の元へ向かいたいようだ。
気持ちは同じか分からないけれど、早く行きたいのは私と同じだ。
彼女達への説明はルルに任せて、私は倒れている奇行種の元へ急いだ。
遠くからしか見えないが、巨人の数は4体。
その周りには、巨人が死んだ後に上がる蒸気も確認できる。
少なくともあと5体はいたはず。
蒸気が上がっている巨人が残りのもう1体ということだろうか。
でも、私を焦らせたのは巨人の数じゃない。
交戦しているのは、以前、私を目の敵にしていた3人の女兵士達だった。
わだかまりが消えた最近では、一緒に食事をしたり、壁外調査が終わったらショッピングに行こうと約束をしている。
その約束は、たった1人欠けても叶えられない。
でもー。
彼女達は3人で必死に戦っているが、1人が巨人の大きな手の中にいて今まさに食べられようとしている。
他の2人は助けに行きたいようだが、別に3体いる巨人が邪魔で近づけないようだ。
「ルル!」
「足を行く!」
「お願い!!」
私とルルも、アンカーを巨人に飛ばして、馬から飛び上がる。
これで巨人の数を兵士の数がうわまった。
絶対に、絶対に、死なせない。
身体をバラバラに裂かれても、仲間を守ろうと必死に戦った先輩兵士達の意志を私達が、継ぐー!
ルルに右足のアキレス腱を切られた巨人が前のめりに倒れていく。
巨人が思わず手を離したせいで落ちていく兵士をルルが受け止めたのを、私は巨人の頭上から見下ろす。
振り上げた刃には、先輩兵士達の怒りや無念、仲間を助けたいという必死の願いが込められている。
絶対に、仕留めるー。
「よしっ!ー支援に来たよ!!」
「助かったよぉぉぉぉおっ!」
「右行ける?!私達で左行くっ!」
「了解!」
私達が1体倒している間に、彼女達がもう1体を討伐していた。
サッと見る限り、他に犠牲は出ていないようで安心した。
そして、これで巨人は残り2体。
負傷した兵士を除いても私達は4人いる。
少しは勝機が出てきたはずだ。
「これで全部?!」
巨人の肩にアンカーを刺し、うまく巨人の手の動きから避けながら、大声で訊ねた。
「あっちに2体向かった!たぶん奇行種だと思う!」
慌てて後ろを向くと、巨人の背中が見えた。
2体とも足の速い巨人ではないようで、ゆっくりとさらに後方へと向かっている。
もう1体と交戦している彼女達にはあの巨人を追いかけられない。
私は、ワイヤーを追いかける巨人の五月蠅い手を切り落とし、そのままの流れで巨人のうなじを削いだ。
そして、地面に落ちていく巨人の頭を蹴って飛び上がる。
数メートル前を馬鹿みたいにゆっくり歩いている巨人は、ダーツにするにはとてもいい的だろう。
大きいからとても当てやすい。
さらに、超硬質スチールの刃は都合のいいことに左右に2本入っている。
「そっちには…っ!行かせない!!」
左右の替刃を抜き出した私は、それを大きく振りかぶった。
うなじを切ろうとは思っていない。
そんなリヴァイ兵長みたいなことは出来ない。
せめて、時間を稼げたらー。
「いっけぇぇぇぇぇええッ!!!」
回転しながら速度を上げていく替刃が、奇行種の足を捉えた。
アキレス腱の部分を削がれて、前に倒れてる背中を確認して、私はすぐにルルの元へ向かった。
ルルに介抱されている負傷した兵の様子を見てみると、足の骨が折れているようで自力では立てないようだ。
確か、この近くにはミケ分隊長が配置されていたはずだ。
「マレーネ達がそこにいるのを倒したら、
どっちか1人を護衛に頼んで、ルルはエルマを連れてミケ分隊長のところに向かって。」
「え!?なまえは!?」
「私はあっちをやる。」
「1人でそんな!!」
「だから、ミケ分隊長に報告して指示を仰いで。」
「でも―。」
「つべこべ言う暇はないの!!
アイツらが後ろの仲間にたどり着く前に倒さないと!!!」
焦りで怒鳴ってしまった私に、ルルは口を噤んだ。
そして、奇行種の後ろ姿を確認すると、決意したように頷いた。
ちょうど、彼女達が残りの巨人を倒したようだった。
「それじゃ、よろしくね。」
私が呼ぶよりも先に、テュランが迎えに来た。
一刻も早く巨人の元へ向かいたいようだ。
気持ちは同じか分からないけれど、早く行きたいのは私と同じだ。
彼女達への説明はルルに任せて、私は倒れている奇行種の元へ急いだ。