◇第十四話◇この世の終わりを綺麗にする
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そこは、人間が暮らす場所からは大きくかけ離れた空間に違いなかった。
扉を開けた途端に、猛烈な腐敗臭が鼻を刺激し、そこから徐々にカビ臭さまで加わってくる。そして、謎の刺激で目が沁みるように痛んで、開けていられないのだ。
いや、目を開けていられない理由は、きっとそれだけではない。
眼前に広がる地獄を見たくないと、脳が拒否反応を起こしているのだ。
床が何色なのかも分からない程に埋め尽くされたゴミの山と、それが何なのかも分からない液体が染み込んだ布に、いつ脱いだのか分からない下着まで散乱している。
おそらく、死んだ後にあるのは、天国だけだ。なぜなら、たとえそれがあの世なのだとしても、ここ以上の地獄が存在するはずがない。
「なにここ…。豚だってもう少しマシな小屋に住んでるわよ。」
リヴァイの隣で、なまえが、人形のように整った顔面を真っ青にして呟く。
今までも、なまえは、ひどく辛辣なことを言って、調査兵達の神経を逆撫でて来た。
だが、今回に限っては、リヴァイもなまえの感想に大賛成だ。
シャワーを浴び終わった後のリヴァイの任務は、なまえに新しい部屋を用意することだった。
エルヴィンには、リヴァイの隣の部屋をあてがうように言われている。
そして、角部屋のリヴァイの隣の部屋は、ハンジしかいない。
だから、掃除が必要だと思われることは最初になまえに伝えておいた上で、ハンジの部屋を訪れた今、目を背けたくなるような惨状に、絶句しているところだ。
確かに、ハンジの部屋の前を通る度に、微かに匂う不穏な雰囲気を、リヴァイも前々から感じてはいた。
だが、まさか、これほどまでに恐ろしい状態になっているとは、思いもしなかった。いや、思いたくなかった、の方が正しいのかもしれない。
だって、自分の隣の部屋が、天然のキノコを栽培していそうなほどにカビ臭く、ゴミに埋め尽くされているなんて、誰も思いたくない。
でも、扉を開けて、この惨状を見たときに、リヴァイが「あぁ、やっぱり…。」と思ってしまったのは、紛れもない事実なのである。
絶句するリヴァイとなまえの空気なんて読むはずもないハンジは、部屋を訪れた彼らに、屈託のない笑顔を返した。
「おぉ、リヴァイ!エルヴィンから聞いてるよ!
私の部屋をなまえにあげるんだよね!
すぐに、終わらせるから待っててくれ!」
「・・・・・何を、終わらせるの・・・?この世・・?」
なまえが、絶句したままで、呟く。
今回も、リヴァイは、なまえと同意だった。
「ハハハ!まさかぁ!私にはそんな力はないよ!
引っ越しの準備さ!
今日から、ここはなまえの部屋だからね!好きに使ってくれ!」
ハンジが無邪気に笑う。
その瞬間、なまえから血の気が引いて、真っ青になった。
その表情が語ったのは、絶望だった。
扉を開けた途端に、猛烈な腐敗臭が鼻を刺激し、そこから徐々にカビ臭さまで加わってくる。そして、謎の刺激で目が沁みるように痛んで、開けていられないのだ。
いや、目を開けていられない理由は、きっとそれだけではない。
眼前に広がる地獄を見たくないと、脳が拒否反応を起こしているのだ。
床が何色なのかも分からない程に埋め尽くされたゴミの山と、それが何なのかも分からない液体が染み込んだ布に、いつ脱いだのか分からない下着まで散乱している。
おそらく、死んだ後にあるのは、天国だけだ。なぜなら、たとえそれがあの世なのだとしても、ここ以上の地獄が存在するはずがない。
「なにここ…。豚だってもう少しマシな小屋に住んでるわよ。」
リヴァイの隣で、なまえが、人形のように整った顔面を真っ青にして呟く。
今までも、なまえは、ひどく辛辣なことを言って、調査兵達の神経を逆撫でて来た。
だが、今回に限っては、リヴァイもなまえの感想に大賛成だ。
シャワーを浴び終わった後のリヴァイの任務は、なまえに新しい部屋を用意することだった。
エルヴィンには、リヴァイの隣の部屋をあてがうように言われている。
そして、角部屋のリヴァイの隣の部屋は、ハンジしかいない。
だから、掃除が必要だと思われることは最初になまえに伝えておいた上で、ハンジの部屋を訪れた今、目を背けたくなるような惨状に、絶句しているところだ。
確かに、ハンジの部屋の前を通る度に、微かに匂う不穏な雰囲気を、リヴァイも前々から感じてはいた。
だが、まさか、これほどまでに恐ろしい状態になっているとは、思いもしなかった。いや、思いたくなかった、の方が正しいのかもしれない。
だって、自分の隣の部屋が、天然のキノコを栽培していそうなほどにカビ臭く、ゴミに埋め尽くされているなんて、誰も思いたくない。
でも、扉を開けて、この惨状を見たときに、リヴァイが「あぁ、やっぱり…。」と思ってしまったのは、紛れもない事実なのである。
絶句するリヴァイとなまえの空気なんて読むはずもないハンジは、部屋を訪れた彼らに、屈託のない笑顔を返した。
「おぉ、リヴァイ!エルヴィンから聞いてるよ!
私の部屋をなまえにあげるんだよね!
すぐに、終わらせるから待っててくれ!」
「・・・・・何を、終わらせるの・・・?この世・・?」
なまえが、絶句したままで、呟く。
今回も、リヴァイは、なまえと同意だった。
「ハハハ!まさかぁ!私にはそんな力はないよ!
引っ越しの準備さ!
今日から、ここはなまえの部屋だからね!好きに使ってくれ!」
ハンジが無邪気に笑う。
その瞬間、なまえから血の気が引いて、真っ青になった。
その表情が語ったのは、絶望だった。