ep.12 強引な君のデート服は可愛い、と思う
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「これ、昨日の夜に父さんが仕事場でもらってきたんだ。」
朝のHRが終わったタイミングで、今日も山口が月島の席までやってくる。
いつもと違っていたのは、彼の手には、四つ折りに畳まれていた紙があったことだ。
山口が、月島の机の上に広げたその紙は、チラシだった。
中央にリアルな恐竜の絵が描かれているチラシの上部には、最古の恐竜展と書かれている。
「へぇ。」
小さく呟きながら、チラシの内容にざっと目を通す。
恐竜研究で有名な学者の名前もある。本物の化石も展示されるようだ。
確かに、興味をそそられる。
今週末に開催されると書いてある。
行ってみようかーーーー月島の頬が無意識に緩む。
「でもそれ、東京なんだ…。」
「あ…。」
確かに、左下に小さくあるアクセスには、東京の住所と地図が記載されている。
仙台から東京まで、2時間弱か。週末ならば、往復できない時間でもない。
けれど、新幹線代が2万以上かかるはずだ。親からお小遣いをもらうだけのバイトもしていない男子高校生にとっては痛い出費だ。
距離、時間の問題ではなく、金額的に、仙台から東京はとても遠い場所だった。
「お母さんとかに言ってみてさ、もし行けたら行きなよ!
すごく大きなイベントみたいだしさ。」
「…そうする。」
教えてくれた山口の優しさの手前、一応、肯定の返事はしてみたものの、きっと行かないだろうことは、互いに分かっていた。
それでも、山口がこのチラシを持ってきてくれたのは、IH予選で敗れてしまった月島の気持ちを少しでも他に逸らしたかったからなのかもしれない。
そんなことしなくても、最初から負けると分かっていたのだから、悔しくも悲しくも、なんともないのにーーーー。
朝のHRが終わったタイミングで、今日も山口が月島の席までやってくる。
いつもと違っていたのは、彼の手には、四つ折りに畳まれていた紙があったことだ。
山口が、月島の机の上に広げたその紙は、チラシだった。
中央にリアルな恐竜の絵が描かれているチラシの上部には、最古の恐竜展と書かれている。
「へぇ。」
小さく呟きながら、チラシの内容にざっと目を通す。
恐竜研究で有名な学者の名前もある。本物の化石も展示されるようだ。
確かに、興味をそそられる。
今週末に開催されると書いてある。
行ってみようかーーーー月島の頬が無意識に緩む。
「でもそれ、東京なんだ…。」
「あ…。」
確かに、左下に小さくあるアクセスには、東京の住所と地図が記載されている。
仙台から東京まで、2時間弱か。週末ならば、往復できない時間でもない。
けれど、新幹線代が2万以上かかるはずだ。親からお小遣いをもらうだけのバイトもしていない男子高校生にとっては痛い出費だ。
距離、時間の問題ではなく、金額的に、仙台から東京はとても遠い場所だった。
「お母さんとかに言ってみてさ、もし行けたら行きなよ!
すごく大きなイベントみたいだしさ。」
「…そうする。」
教えてくれた山口の優しさの手前、一応、肯定の返事はしてみたものの、きっと行かないだろうことは、互いに分かっていた。
それでも、山口がこのチラシを持ってきてくれたのは、IH予選で敗れてしまった月島の気持ちを少しでも他に逸らしたかったからなのかもしれない。
そんなことしなくても、最初から負けると分かっていたのだから、悔しくも悲しくも、なんともないのにーーーー。