Q7. 慰労会に私も参加してもいいんですか?
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『来い。』
恋人という関係になったことは誰にも言わないと約束をしたのは昨日のことだ。
その約束をちゃんと覚えているのか不安を煽るようなことをした兵長さんが、夕飯の片づけが終わり、団長室へ出向いて本日の報告をエルヴィン団長にしたばかりの私の腕を掴んで連れて行ったのは、談話室だった。
あれから2時間、一旦食堂奥のキッチンへと向かった私は、手伝ってくれたリヴァイ班の調査兵達と一緒に、大量の料理を抱えて、また談話室へと戻ってきていた。
「お夜食、お持ちしました。」
談話室に夜食を運んできた私達を見て、料理を待っていた調査兵達がワッと嬉しそうな歓声が上げる。
調査兵達は、明日から調整日の為に、連休に入ることになっている。
そして今夜、談話室で催されていたの飲み会は、普段、命の最前線で頑張ってくれている部下達へ向けた幹部達から慰労会だった。
その場に、兵長さんは有無を言わさず私を連れて来たのだ。
私が談話室にやってきたときには、まだ会は始まっておらず、テーブルには、幹部の人達がお金を出し合って用意した豪勢な料理が並んでいた。
だが、皆で乾杯をしているときに、新兵の女の子が平らげてしまったのだ。
『まるで怪獣を見ているようだった。』
その現場を目撃してしまったナナバさんは、その時のことをそう語っていた。
慰労会の一番のメインだった料理がなくなって、調査兵達は大騒ぎだったが、エルヴィン団長の許可を貰い、食堂に残っていた食材を使って夜食とおつまみを作らせてもらって、何とか事なきを得たのが、今だ。
「なぁ、なまえって恋人いるの?」
各々が仲の良い仲間とお酒を酌み交わし出した頃、ペトラちゃんやナナバさんとおしゃべりを楽しんでいたところに、1人の調査兵がやってきて、私にそう訊ねた。
彼は、お酒に酔っているのか、顔が若干赤くなっていた。
「恋人は———、残念ながら。」
そばで呑んでいる兵長さんの視線を気にしながらも、私は困ったように眉尻を下げて答える。
私の返事を聞こえたらしい兵長さんが、眉間に濃い皴を刻んだのが見えたけれど、彼が何か言ってくることはなかった。
「そっか!やっぱり、そうだよな!」
私に恋人の有無を聞いた調査兵は、真っ赤な顔に満面の笑みを浮かべて、豪快に笑う。
やっぱりとはどういう意味か。とても失礼だ、と思いながらも、私にそれを指摘する勇気はない。
苦笑を滲ませながら曖昧に微笑み返していれば、ペトラちゃんが話題に入ってきた。
「でも、好きな人はいるんだよね?」
「好きな人?いないよ。」
どうしてそう思っただろうかと疑問を抱きながらも、私は嘘を吐いた。
グスタフさんが好き———なんて、言えるわけがないし、認める勇気もない。
なんとか調査兵団に雇ってもらえるようになった調理師の女が、駐屯兵の精鋭で、ピクシス司令の参謀のグスタフさんに恋をするだなんてありえない。
私は、そんな身の程の知らない女ではないのだ。
「え、でも、ほら…この間…、ね?」
ペトラちゃんが、焦ったように目を泳がせる。
「この間?…あ!それは、好きなタイプだよ~。
好きな人じゃないよ。」
ニコリと微笑んで、平気で嘘を吐けば、ペトラちゃんは少し困ったように笑いながらも、納得してくれた。
「あれ?この前、リヴァイがなまえは俺の女だとかって
言ってなかったっけ?恋人なんでしょ?」
「え!?」
急にぶっこん出来たのは、ハンジさんだった。
恋人の有無を聞いてきた調査兵も、私と一緒に驚きの声を上げる。
慌てて兵長さんの方を見ると、紅茶を飲むフリをして目を反らされた。
あの男、いつの間にかハンジさんにとんでもないことを喋っていたらしい。
零れそうになるため息を飲み込んで、私は笑顔を貼り付けた。
「違いますよ。兵長さんのジョークです。
この前もゲルガーさんを驚かせて遊んでたんですよ。」
クスクス、と笑い声までつけて、私はまた上手に嘘を吐いた。
この前、ゲルガーさんの前で慌てて誤魔化したおかげで、今夜は自分でも驚くほど冷静に嘘を吐けた。
「なんだ、そっか!そっかー!
ならよかった。アハハハ!!」
なにがよかったのかは分からないが、ハンジさんは、とても楽しそうに笑った。
笑い声が明るくなればなるほど、兵長さんの眉間には、後が残ってしまうんじゃないかと心配になるくらいに深い皴が刻まれ続けていた。
恋人という関係になったことは誰にも言わないと約束をしたのは昨日のことだ。
その約束をちゃんと覚えているのか不安を煽るようなことをした兵長さんが、夕飯の片づけが終わり、団長室へ出向いて本日の報告をエルヴィン団長にしたばかりの私の腕を掴んで連れて行ったのは、談話室だった。
あれから2時間、一旦食堂奥のキッチンへと向かった私は、手伝ってくれたリヴァイ班の調査兵達と一緒に、大量の料理を抱えて、また談話室へと戻ってきていた。
「お夜食、お持ちしました。」
談話室に夜食を運んできた私達を見て、料理を待っていた調査兵達がワッと嬉しそうな歓声が上げる。
調査兵達は、明日から調整日の為に、連休に入ることになっている。
そして今夜、談話室で催されていたの飲み会は、普段、命の最前線で頑張ってくれている部下達へ向けた幹部達から慰労会だった。
その場に、兵長さんは有無を言わさず私を連れて来たのだ。
私が談話室にやってきたときには、まだ会は始まっておらず、テーブルには、幹部の人達がお金を出し合って用意した豪勢な料理が並んでいた。
だが、皆で乾杯をしているときに、新兵の女の子が平らげてしまったのだ。
『まるで怪獣を見ているようだった。』
その現場を目撃してしまったナナバさんは、その時のことをそう語っていた。
慰労会の一番のメインだった料理がなくなって、調査兵達は大騒ぎだったが、エルヴィン団長の許可を貰い、食堂に残っていた食材を使って夜食とおつまみを作らせてもらって、何とか事なきを得たのが、今だ。
「なぁ、なまえって恋人いるの?」
各々が仲の良い仲間とお酒を酌み交わし出した頃、ペトラちゃんやナナバさんとおしゃべりを楽しんでいたところに、1人の調査兵がやってきて、私にそう訊ねた。
彼は、お酒に酔っているのか、顔が若干赤くなっていた。
「恋人は———、残念ながら。」
そばで呑んでいる兵長さんの視線を気にしながらも、私は困ったように眉尻を下げて答える。
私の返事を聞こえたらしい兵長さんが、眉間に濃い皴を刻んだのが見えたけれど、彼が何か言ってくることはなかった。
「そっか!やっぱり、そうだよな!」
私に恋人の有無を聞いた調査兵は、真っ赤な顔に満面の笑みを浮かべて、豪快に笑う。
やっぱりとはどういう意味か。とても失礼だ、と思いながらも、私にそれを指摘する勇気はない。
苦笑を滲ませながら曖昧に微笑み返していれば、ペトラちゃんが話題に入ってきた。
「でも、好きな人はいるんだよね?」
「好きな人?いないよ。」
どうしてそう思っただろうかと疑問を抱きながらも、私は嘘を吐いた。
グスタフさんが好き———なんて、言えるわけがないし、認める勇気もない。
なんとか調査兵団に雇ってもらえるようになった調理師の女が、駐屯兵の精鋭で、ピクシス司令の参謀のグスタフさんに恋をするだなんてありえない。
私は、そんな身の程の知らない女ではないのだ。
「え、でも、ほら…この間…、ね?」
ペトラちゃんが、焦ったように目を泳がせる。
「この間?…あ!それは、好きなタイプだよ~。
好きな人じゃないよ。」
ニコリと微笑んで、平気で嘘を吐けば、ペトラちゃんは少し困ったように笑いながらも、納得してくれた。
「あれ?この前、リヴァイがなまえは俺の女だとかって
言ってなかったっけ?恋人なんでしょ?」
「え!?」
急にぶっこん出来たのは、ハンジさんだった。
恋人の有無を聞いてきた調査兵も、私と一緒に驚きの声を上げる。
慌てて兵長さんの方を見ると、紅茶を飲むフリをして目を反らされた。
あの男、いつの間にかハンジさんにとんでもないことを喋っていたらしい。
零れそうになるため息を飲み込んで、私は笑顔を貼り付けた。
「違いますよ。兵長さんのジョークです。
この前もゲルガーさんを驚かせて遊んでたんですよ。」
クスクス、と笑い声までつけて、私はまた上手に嘘を吐いた。
この前、ゲルガーさんの前で慌てて誤魔化したおかげで、今夜は自分でも驚くほど冷静に嘘を吐けた。
「なんだ、そっか!そっかー!
ならよかった。アハハハ!!」
なにがよかったのかは分からないが、ハンジさんは、とても楽しそうに笑った。
笑い声が明るくなればなるほど、兵長さんの眉間には、後が残ってしまうんじゃないかと心配になるくらいに深い皴が刻まれ続けていた。