Q10.優しいお手伝いをしてくれるのですか?
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「どうして荷物を預けなかった。無料で兵舎まで届けられただろ。」
隣を歩く兵長さんは、自分が抱える荷物を見下ろした。
無料宅配サービスを知っていたことにも驚いたけれど、なによりも彼の指摘は最もだった。
買い物が続く限り、これからも荷物は増えていく予定だ。そんな大量の荷物を買い物の間中ずっと抱えていたら、行動に制限が出てしまう。
その為に、今回のローゼ南商店街のセールでは、宅配サービスを行っていたのだ。
だが、それもすべて、手伝いをしに来た自分の存在意義を守るために、彼が断わってしまった。
その経緯を伝えたうえで、無料の宅配サービスを断ってしまった為、荷物を預けるには、宅配便に頼むしかなく、その場合は、ローゼ南からトロスト区までの宅配料がかかってしまうことを説明する。
聞きながら、少しずつ眉間に皴を寄せていった兵長さんは、大きくため息を吐いた。
「調査兵団が懇意にしてる茶葉屋がある。
そこの店主なら、多少の融通くらいは効くはずだ。まずはそこに行くぞ。」
彼は、諦めなかった。
人類最強の兵士として、絶望しそうな中で戦ってきた強さは、こんなところでも役に立つらしい。
兵長さんは最初の目的地を茶葉屋に方向を決めると、私の意見も聞かずにさっさと歩く。
でも、その茶葉屋なら、エルヴィン団長からその存在を聞いていた私も、絶対に行くつもりでいた場所だ。
ただ、さっきまで一緒にいた彼とは行きたくなかった。
紅茶というひとつの飲み物でも、茶葉の種類は覚えきれない程に多数ある。
それぞれに味や香りだけではなく、効能まで違ってくる。
それをひとつずつ確認しながら、調査兵団の兵士達にはどの茶葉が気に入られるのか。または、必要とされるのかを考え、吟味する必要があった。
そうなると時間がかかってしまうのは必然であり、あの彼がそれに対して、おとなしく黙って待ってくれていたとも思えない。
手伝うと言うのなら、一緒に茶葉を選んでくれたり、兵士観点からの意見を貰えれば、他の買い物ももとても助かったのだけど———。
(兵長さんに気遣いを求めるのは、大きな間違いよね。)
初めから期待もしていないから、残念だとすら思わない。
私がそんな失礼なことを考えているなんて想像もしていない兵長さんは、中身が空の紙袋を抱えているかのような涼しい表情で、隣を歩いていた。
隣を歩く兵長さんは、自分が抱える荷物を見下ろした。
無料宅配サービスを知っていたことにも驚いたけれど、なによりも彼の指摘は最もだった。
買い物が続く限り、これからも荷物は増えていく予定だ。そんな大量の荷物を買い物の間中ずっと抱えていたら、行動に制限が出てしまう。
その為に、今回のローゼ南商店街のセールでは、宅配サービスを行っていたのだ。
だが、それもすべて、手伝いをしに来た自分の存在意義を守るために、彼が断わってしまった。
その経緯を伝えたうえで、無料の宅配サービスを断ってしまった為、荷物を預けるには、宅配便に頼むしかなく、その場合は、ローゼ南からトロスト区までの宅配料がかかってしまうことを説明する。
聞きながら、少しずつ眉間に皴を寄せていった兵長さんは、大きくため息を吐いた。
「調査兵団が懇意にしてる茶葉屋がある。
そこの店主なら、多少の融通くらいは効くはずだ。まずはそこに行くぞ。」
彼は、諦めなかった。
人類最強の兵士として、絶望しそうな中で戦ってきた強さは、こんなところでも役に立つらしい。
兵長さんは最初の目的地を茶葉屋に方向を決めると、私の意見も聞かずにさっさと歩く。
でも、その茶葉屋なら、エルヴィン団長からその存在を聞いていた私も、絶対に行くつもりでいた場所だ。
ただ、さっきまで一緒にいた彼とは行きたくなかった。
紅茶というひとつの飲み物でも、茶葉の種類は覚えきれない程に多数ある。
それぞれに味や香りだけではなく、効能まで違ってくる。
それをひとつずつ確認しながら、調査兵団の兵士達にはどの茶葉が気に入られるのか。または、必要とされるのかを考え、吟味する必要があった。
そうなると時間がかかってしまうのは必然であり、あの彼がそれに対して、おとなしく黙って待ってくれていたとも思えない。
手伝うと言うのなら、一緒に茶葉を選んでくれたり、兵士観点からの意見を貰えれば、他の買い物ももとても助かったのだけど———。
(兵長さんに気遣いを求めるのは、大きな間違いよね。)
初めから期待もしていないから、残念だとすら思わない。
私がそんな失礼なことを考えているなんて想像もしていない兵長さんは、中身が空の紙袋を抱えているかのような涼しい表情で、隣を歩いていた。