【第八訓】穏便にはいかないなら茶番でいいじゃないか
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オレは反対ですぜイ———。
土方は、聞き慣れた声の思わぬ反対に驚いて振り返れる。
そこに立っていたのは、誰よりも名前の帰りを喜ぶと思っていた総悟だった。
若い一番隊の隊士達は、隊長が自分達側についてくれたことが嬉しいようで、「ですよね!」と口々に言いながら、総悟の周りに集まる。
「いやいや、総悟。名前ちゃんのことならお前もよく分かってるじゃねぇか。
今、名前ちゃんが真選組に来てくれたら強力な力に———。」
「近藤さんが何と言おうと、反対なもんは反対でさァ。」
なだめようとする近藤を遮って改めて反対を告げた総悟は、名前の方をチラリと見た。
「それでも、ここで隊士として働きてぇってなら
俺に勝ってからにしな。」
総悟は、腰元にさしていた真剣を抜いた。
一番隊隊長の総悟の剣の腕前は、真選組で断トツのトップだ。
誰も彼には叶わない。
総悟と共に名前の入隊を反対していた若い隊士達も、古巣の隊士達も慌てふためたように止めに入る。
「危険だ!やめた方がいい!!」
「そうですよ!危険です、やめた方がいいです!!」
両者ともに同じことを言って止めているように聞こえるが、どちらが危険だと思っているのかで、意味が全くの正反対なのだ。
「ここは穏便に———。」
「分かった。いいよ、総ちゃん。
近藤さん、私に刀貸して。」
なんとか必死になだめようとする近藤の隣で、名前はなんでもないことのように受け入れてしまった。
そして、慌てて断る近藤の腰から、勝手に刀を抜きだすと、総悟の方をまっすぐに見据えてから、口を開く。
「———その代わり、私は真選組の隊士になるために本気でいくから。
途中で、やっぱりやめたはナシだよ。」
名前が、真っすぐに前に伸ばした刀の切っ先が、総悟の右目の前で止まると、切れた前髪がハラハラと宙を舞う。
「あぁ、望むところだ。それくらいじゃねぇとハリがねぇ。
俺が、いつまでもあの頃のままだとは思うなよ。」
「同じセリフをお返しするわ。」
名前が、ニヤリと口の端を上げた。
土方は、聞き慣れた声の思わぬ反対に驚いて振り返れる。
そこに立っていたのは、誰よりも名前の帰りを喜ぶと思っていた総悟だった。
若い一番隊の隊士達は、隊長が自分達側についてくれたことが嬉しいようで、「ですよね!」と口々に言いながら、総悟の周りに集まる。
「いやいや、総悟。名前ちゃんのことならお前もよく分かってるじゃねぇか。
今、名前ちゃんが真選組に来てくれたら強力な力に———。」
「近藤さんが何と言おうと、反対なもんは反対でさァ。」
なだめようとする近藤を遮って改めて反対を告げた総悟は、名前の方をチラリと見た。
「それでも、ここで隊士として働きてぇってなら
俺に勝ってからにしな。」
総悟は、腰元にさしていた真剣を抜いた。
一番隊隊長の総悟の剣の腕前は、真選組で断トツのトップだ。
誰も彼には叶わない。
総悟と共に名前の入隊を反対していた若い隊士達も、古巣の隊士達も慌てふためたように止めに入る。
「危険だ!やめた方がいい!!」
「そうですよ!危険です、やめた方がいいです!!」
両者ともに同じことを言って止めているように聞こえるが、どちらが危険だと思っているのかで、意味が全くの正反対なのだ。
「ここは穏便に———。」
「分かった。いいよ、総ちゃん。
近藤さん、私に刀貸して。」
なんとか必死になだめようとする近藤の隣で、名前はなんでもないことのように受け入れてしまった。
そして、慌てて断る近藤の腰から、勝手に刀を抜きだすと、総悟の方をまっすぐに見据えてから、口を開く。
「———その代わり、私は真選組の隊士になるために本気でいくから。
途中で、やっぱりやめたはナシだよ。」
名前が、真っすぐに前に伸ばした刀の切っ先が、総悟の右目の前で止まると、切れた前髪がハラハラと宙を舞う。
「あぁ、望むところだ。それくらいじゃねぇとハリがねぇ。
俺が、いつまでもあの頃のままだとは思うなよ。」
「同じセリフをお返しするわ。」
名前が、ニヤリと口の端を上げた。