【第二訓】突然の再会はとりあえず何かを落とすのはなんでだろう
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左手に水桶、右手に花束と激辛せんべいを抱えて、沖田総悟は墓地にやってきていた。
青い空から照りつける太陽が、総悟の額に汗を滲ませる。
立ち止まって空を見上げた総悟は、水桶を持つ左手を器用に持ち上げると、手の甲で汗を拭う。
1か月振りの墓参りだった。
大切な姉の墓だ。出来れば、何度だって会いに来たいし、話したいこともある。
でも、真選組の仕事が忙しすぎたのだ。
そして、姉の名前が刻まれた墓の前で、彼女の死を思い知らされる度に、心だけが死んでいくようで辛かった。
近藤や土方、その他にも、彼女の死を一緒に悲しみ、一緒に乗り越えようとしてくれる人間がいることは総悟も理解していないわけではない。
それでも、たったひとりで、彼女の墓の前に立つのは、寂しいのだ。
何度でも泣いてしまうくらいに、どうしようもない悲しさがこみ上げるのだ。
少し長めに息を吐くと、総悟は立ち止まっていた足をなんとか前へと押しやる。
彼の姉、沖田ミツバの墓は、墓地の一番奥にあった。
比較的新しく作られた墓地は、数か月前に彼女の墓が立った頃は、墓よりも何もない土地の方が多かった。
でも今、この墓地は、墓と何もない土地がほとんど同じくらいの割合で存在している。
あと数か月すれば、とうとう逆転して、墓で埋まってしまうのかもしれない。
そして、埋まった数の何倍も、誰かの人生の物語があって、泣いている誰かがいるのだろう。
でも、出来ればもう、この墓地に、知ってる人間の名前を見つけたくはない。
知らないうちに、視線は下がり、自分の足のつま先ばかりを見ていたらしい。
気づけば、墓地の一番奥の列まで来ていた。
前を向けば、そこにあるのは、大切な姉の名前が刻まれた墓———。
そのはずだった。
青い空から照りつける太陽が、総悟の額に汗を滲ませる。
立ち止まって空を見上げた総悟は、水桶を持つ左手を器用に持ち上げると、手の甲で汗を拭う。
1か月振りの墓参りだった。
大切な姉の墓だ。出来れば、何度だって会いに来たいし、話したいこともある。
でも、真選組の仕事が忙しすぎたのだ。
そして、姉の名前が刻まれた墓の前で、彼女の死を思い知らされる度に、心だけが死んでいくようで辛かった。
近藤や土方、その他にも、彼女の死を一緒に悲しみ、一緒に乗り越えようとしてくれる人間がいることは総悟も理解していないわけではない。
それでも、たったひとりで、彼女の墓の前に立つのは、寂しいのだ。
何度でも泣いてしまうくらいに、どうしようもない悲しさがこみ上げるのだ。
少し長めに息を吐くと、総悟は立ち止まっていた足をなんとか前へと押しやる。
彼の姉、沖田ミツバの墓は、墓地の一番奥にあった。
比較的新しく作られた墓地は、数か月前に彼女の墓が立った頃は、墓よりも何もない土地の方が多かった。
でも今、この墓地は、墓と何もない土地がほとんど同じくらいの割合で存在している。
あと数か月すれば、とうとう逆転して、墓で埋まってしまうのかもしれない。
そして、埋まった数の何倍も、誰かの人生の物語があって、泣いている誰かがいるのだろう。
でも、出来ればもう、この墓地に、知ってる人間の名前を見つけたくはない。
知らないうちに、視線は下がり、自分の足のつま先ばかりを見ていたらしい。
気づけば、墓地の一番奥の列まで来ていた。
前を向けば、そこにあるのは、大切な姉の名前が刻まれた墓———。
そのはずだった。