14.的確な指摘
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「あ~~……。」
金曜日の夜、0時過ぎ。
バーのカウンターに突っ伏した私からは、地獄の底から響くような声が漏れ出していた。
結婚をしていないことがエースにバレてからい1週間が経つ。
あれから、もともと素っ気なかったエースの態度が、より一層、冷たくなった。
それが悲しい———そう思っている自分が、一番嫌いだ。
「で、バラしちゃったわけ?あんた、バカ?」
隣から呆れたようなベイの声が追い打ちをかければ、カウンターの向こうから聞こえて来たイゾウの大きなため息が、私にとどめを刺した。
彼らに報告すれば、既に疲労している心が抉られることになることくらい分かっていたはずだ。
でも、結婚をしていないことがバレてしまっては困るのは私だと、心配してくれていたイゾウには報告しなければならないとやって来たことを、今、心底後悔している。
「どうして正直に答えるのよ。
付き合ってることにしちゃえばよかったでしょ。
どうせイゾウにも恋人いないんだし、利用できるものは利用しなさいよ。」
「おい、勝手にいねぇと決めつけんじゃねぇ。」
「あら、いるの?」
「いねぇ。」
「でしょ?じゃあ、いいじゃん。」
「お前が言うなって言ってんだよ。」
「ほんと、昔っからイゾウって細かいことにつっかかってくるわよね。
女々しいのは見た目だけにしときなさい。」
「あぁ!?」
色男の俺のどこが女々しいのだ————と、私の報告とも悲しみとも遠く離れたところで、イゾウとベイが喧嘩を始める。
今、彼らの脳裏に、ほんの少しでも私とエースのことは過ってはいるのだろうか。
(……いや、ないな。)
カウンターに突っ伏したまま、大きなため息を吐いた。
「俺様の店で辛気臭ぇため息吐いてんじゃねぇ!」
「不幸がうつるでしょ、やめてよ!!」
どれだけ地獄耳なのか。
喧嘩に夢中になっていたくせに、聞こえていたらしい。
金曜日の夜、0時過ぎ。
バーのカウンターに突っ伏した私からは、地獄の底から響くような声が漏れ出していた。
結婚をしていないことがエースにバレてからい1週間が経つ。
あれから、もともと素っ気なかったエースの態度が、より一層、冷たくなった。
それが悲しい———そう思っている自分が、一番嫌いだ。
「で、バラしちゃったわけ?あんた、バカ?」
隣から呆れたようなベイの声が追い打ちをかければ、カウンターの向こうから聞こえて来たイゾウの大きなため息が、私にとどめを刺した。
彼らに報告すれば、既に疲労している心が抉られることになることくらい分かっていたはずだ。
でも、結婚をしていないことがバレてしまっては困るのは私だと、心配してくれていたイゾウには報告しなければならないとやって来たことを、今、心底後悔している。
「どうして正直に答えるのよ。
付き合ってることにしちゃえばよかったでしょ。
どうせイゾウにも恋人いないんだし、利用できるものは利用しなさいよ。」
「おい、勝手にいねぇと決めつけんじゃねぇ。」
「あら、いるの?」
「いねぇ。」
「でしょ?じゃあ、いいじゃん。」
「お前が言うなって言ってんだよ。」
「ほんと、昔っからイゾウって細かいことにつっかかってくるわよね。
女々しいのは見た目だけにしときなさい。」
「あぁ!?」
色男の俺のどこが女々しいのだ————と、私の報告とも悲しみとも遠く離れたところで、イゾウとベイが喧嘩を始める。
今、彼らの脳裏に、ほんの少しでも私とエースのことは過ってはいるのだろうか。
(……いや、ないな。)
カウンターに突っ伏したまま、大きなため息を吐いた。
「俺様の店で辛気臭ぇため息吐いてんじゃねぇ!」
「不幸がうつるでしょ、やめてよ!!」
どれだけ地獄耳なのか。
喧嘩に夢中になっていたくせに、聞こえていたらしい。