◇No.6◇質問に答えます
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船長室でローがおにぎりと緑茶を食べているところへ、ベポがやってきました。
彼を叩き起こしたシャチとペンギンも一緒です。
イッカクに連れられて着替えに行った彼女はまだ来ていません。
しかし、彼女の正体の確認と今後のことを決めるから、ここに残って一緒に待っていろとローから指示を受けました。
ローの趣味が詰まった船長室は、キングサイズのベッドと航海日誌が広げられたデスク、大きなソファとローテーブルがある以外は、医学本や世界中から集めた文献ばかりが並んだ本棚があるだけです。
正直言って、ペンギン達にとってはとてもつまらない部屋です。
仕方なく、ローを挟むようにしてソファに腰を降ろしてダラダラして待っていると、扉をノックする音が聞こえました。
どうやら、やっと、イッカクが彼女を連れて来たようです。
ローは、残りのおにぎりを口の中に押し込んでから、緑茶で喉の奥へと流し込みました。
「入れ。」
ローの許可を得て扉が開くと、後ろからイッカクにドンッと背中を押された彼女がよろけながら船長室に入ってきました。
どうしても、イッカクは彼女が気に入らないようです。
背中越しに、彼女を怖い顔で睨みつけています。
ですが、それも仕方がないかもしれません。
得体のしれない女をベポが拾って来たせいで、CP0と不要な戦闘を交えて慌ただしく出向しなければならなかった上、その得体のしれない女は精巧につくられたロボットだったのです。
しかも、世界政府のロゴマークまで胸に刻まれています。
不信感と嫌悪感を抱く方が、正しい感情なのです。
「服は着せたんで、アタシはこれで失礼します。」
イッカクは短く言うと、船長室の扉を閉めました。
何も聞かされることもなく、船長室に押し込まれた彼女は、食堂でもしていたように部屋を見渡します。
「よかったーっ!勝手にいなくなってるから、心配しただろ!」
ベポは彼女に駆け寄ると、思いっきり抱きつきました。
ミンク族のベポは腕力がかなりあります。しかも、本人の性格上、相手に合わせて手加減ということが出来ません。
ですが、彼女が痛そうにする素振りはありませんでした。
「寝てただけじゃねーか!!」
「すみません。」
シャチに痛いところをつかれたベポは、彼女から手を離すと首をもたげて凹んでしまいました。
どうやら彼は、打たれ弱いところがあるようです。
そんなベポを見て、彼女が口を開きます。
「ハートの海賊団、ベポ。懸賞金は500ベリー。」
「俺のこと知ってるの?!わーい!!」
凹んでいたベポが、あっという間に機嫌を直して飛び跳ねて喜びます。
船長室へ来る前に、ベポもペンギンとシャチから、彼女には世界中の海賊のデータが入っていると聞いていました。
ですから、自分のことも知っているといいなと思っていたのです。
「お前に聞きてぇことがある。そこに座れ。」
ローが声をかけると、彼女の視線がロー達のいるソファの方へ向きました。
世界政府所有のロボットが、自分の指示に素直に従うのかー。
これもまたローが確認したいことのひとつでした。
手こずるのかもしれないと考えていましたが、意外にも、彼女はあっさりと指示に従い、ロー達と向かい合うように、ローテーブルを挟んだソファに腰をおろしました。
「お前は何者で、誰が何のために作った?」
「世界一天才の博士が世界政府の要請を受け、
海賊を殲滅させるために造られた人型ロボットです。」
彼女は、ロー達が呆気にとられるほどに正直に答えました。
隠す気がないだけなのか、何か考えがあるのか。
情報が少なすぎるので、まだ判断は出来ません。
ですが、食堂でのやりとりと今の答えに、矛盾点はないように思えます。
「ロボットってことは何か出来るのか?!」
シャチが目をキラキラと輝かせました。
「はい、いろいろできます。こういうこととか。」
彼女が右手首を捻りながら指で銃のカタチを作ると、一瞬で右手が本物の銃に変わりました。
まるで、マジックでも見ているようでした。
そして、彼女が右手首を軽く跳ねるように上を向ければ、銃弾が飛び出します。
それは、目にも止まらぬスピードで、ペンギンの頬をかすめました。
死が過って顔色を真っ青にするペンギンの隣で、シャチとベポが歓喜の雄たけびを上げます。
ロボットを見るのは初めてでした。
彼女がロボットだと認識はしていましたが、彼らは今初めて、彼女をロボットだと実感したのです。
それから、シャチとベポは、実は昔からロボットに憧れていました。
ローには内緒ですが、麦わらの一味にはビームが出るロボットがいると噂で聞いて、羨ましいと思っていたのです。
「あとは、マシンガンにもなります。」
次に、彼女は、拳を握りしめてから左腕を前に押し出しました。
そして、また左手首を軽く捻ると、あっという間に左腕がマシンガンに変わりました。
「それは撃つなよ!」
流石にそれは死ぬと焦ったペンギンが、両手を前に出して必死に叫びます。
今まさにマシンガンをぶっ放そうとしていた彼女の動きが止まりました。
そして、撃つなと叫ぶペンギンとマシンガンになった自分の腕を交互に見たあと、腕をクルッと動かしました。
マシンガンが消えて細い腕に戻り、ペンギンは胸に手をあててホッと息を吐きました。
ですが、シャチとベポのキラキラと輝く尊敬の眼差しは消えません。
「なぁ!!ビームは出るのか!?」
シャチが興奮気味に言いました。
彼女が、当然のように頷きます。
「はい、出ます。ビーム。」
彼女は、右腕を押し出すように伸ばすと、ロー達に見えるように右手のひらを開きました。
すると、手のひらの中央に切れ目が出来て、2㎝ほどの黒い穴が出来ました。
そこから、眩い光が漏れ始めます。
それは、PX(パシフィスタ)が出すビームに似ていました。
プロトタイプのPX(パシフィスタ)のビームの威力については、数年前にロー達も身をもって知っています。
もしも、威力までPX(パシフィスタ)と似ていたならば、この潜水艦もただでは済みません。
「世界政府がどうしても海賊を殲滅させてぇのはよく分かった。
質問を続ける。」
「-分かりました。」
彼女は右手を握って、膝の上に置きました。
生のビームを見ることが出来ずにシャチとベポは残念がっていましたが、ペンギンはまたホッと息を吐いていました。
なぜか、彼女が必ず武器やビームを向けるのは、ペンギンだったのです。
真正面に座っているのはローのはずなのに、少し右にズラしていたのには、プログラム的な理由が何かあるのでしょうか。
「どうして海兵とCP0から逃げていた?」
「逃げるようにプログラムをされたからです。」
「誰に?協力者がいるのか。」
「分かりません。ですが、彼は私のことを知っているようでした。
もしかしたら、彼のデータはすべて削除されているのかもしれません。」
彼女は迷いなく答え続けました。
ですが、情報が曖昧過ぎます。
ローが詳しい説明を求めれば、彼女は順序立てて話し始めました。
彼を叩き起こしたシャチとペンギンも一緒です。
イッカクに連れられて着替えに行った彼女はまだ来ていません。
しかし、彼女の正体の確認と今後のことを決めるから、ここに残って一緒に待っていろとローから指示を受けました。
ローの趣味が詰まった船長室は、キングサイズのベッドと航海日誌が広げられたデスク、大きなソファとローテーブルがある以外は、医学本や世界中から集めた文献ばかりが並んだ本棚があるだけです。
正直言って、ペンギン達にとってはとてもつまらない部屋です。
仕方なく、ローを挟むようにしてソファに腰を降ろしてダラダラして待っていると、扉をノックする音が聞こえました。
どうやら、やっと、イッカクが彼女を連れて来たようです。
ローは、残りのおにぎりを口の中に押し込んでから、緑茶で喉の奥へと流し込みました。
「入れ。」
ローの許可を得て扉が開くと、後ろからイッカクにドンッと背中を押された彼女がよろけながら船長室に入ってきました。
どうしても、イッカクは彼女が気に入らないようです。
背中越しに、彼女を怖い顔で睨みつけています。
ですが、それも仕方がないかもしれません。
得体のしれない女をベポが拾って来たせいで、CP0と不要な戦闘を交えて慌ただしく出向しなければならなかった上、その得体のしれない女は精巧につくられたロボットだったのです。
しかも、世界政府のロゴマークまで胸に刻まれています。
不信感と嫌悪感を抱く方が、正しい感情なのです。
「服は着せたんで、アタシはこれで失礼します。」
イッカクは短く言うと、船長室の扉を閉めました。
何も聞かされることもなく、船長室に押し込まれた彼女は、食堂でもしていたように部屋を見渡します。
「よかったーっ!勝手にいなくなってるから、心配しただろ!」
ベポは彼女に駆け寄ると、思いっきり抱きつきました。
ミンク族のベポは腕力がかなりあります。しかも、本人の性格上、相手に合わせて手加減ということが出来ません。
ですが、彼女が痛そうにする素振りはありませんでした。
「寝てただけじゃねーか!!」
「すみません。」
シャチに痛いところをつかれたベポは、彼女から手を離すと首をもたげて凹んでしまいました。
どうやら彼は、打たれ弱いところがあるようです。
そんなベポを見て、彼女が口を開きます。
「ハートの海賊団、ベポ。懸賞金は500ベリー。」
「俺のこと知ってるの?!わーい!!」
凹んでいたベポが、あっという間に機嫌を直して飛び跳ねて喜びます。
船長室へ来る前に、ベポもペンギンとシャチから、彼女には世界中の海賊のデータが入っていると聞いていました。
ですから、自分のことも知っているといいなと思っていたのです。
「お前に聞きてぇことがある。そこに座れ。」
ローが声をかけると、彼女の視線がロー達のいるソファの方へ向きました。
世界政府所有のロボットが、自分の指示に素直に従うのかー。
これもまたローが確認したいことのひとつでした。
手こずるのかもしれないと考えていましたが、意外にも、彼女はあっさりと指示に従い、ロー達と向かい合うように、ローテーブルを挟んだソファに腰をおろしました。
「お前は何者で、誰が何のために作った?」
「世界一天才の博士が世界政府の要請を受け、
海賊を殲滅させるために造られた人型ロボットです。」
彼女は、ロー達が呆気にとられるほどに正直に答えました。
隠す気がないだけなのか、何か考えがあるのか。
情報が少なすぎるので、まだ判断は出来ません。
ですが、食堂でのやりとりと今の答えに、矛盾点はないように思えます。
「ロボットってことは何か出来るのか?!」
シャチが目をキラキラと輝かせました。
「はい、いろいろできます。こういうこととか。」
彼女が右手首を捻りながら指で銃のカタチを作ると、一瞬で右手が本物の銃に変わりました。
まるで、マジックでも見ているようでした。
そして、彼女が右手首を軽く跳ねるように上を向ければ、銃弾が飛び出します。
それは、目にも止まらぬスピードで、ペンギンの頬をかすめました。
死が過って顔色を真っ青にするペンギンの隣で、シャチとベポが歓喜の雄たけびを上げます。
ロボットを見るのは初めてでした。
彼女がロボットだと認識はしていましたが、彼らは今初めて、彼女をロボットだと実感したのです。
それから、シャチとベポは、実は昔からロボットに憧れていました。
ローには内緒ですが、麦わらの一味にはビームが出るロボットがいると噂で聞いて、羨ましいと思っていたのです。
「あとは、マシンガンにもなります。」
次に、彼女は、拳を握りしめてから左腕を前に押し出しました。
そして、また左手首を軽く捻ると、あっという間に左腕がマシンガンに変わりました。
「それは撃つなよ!」
流石にそれは死ぬと焦ったペンギンが、両手を前に出して必死に叫びます。
今まさにマシンガンをぶっ放そうとしていた彼女の動きが止まりました。
そして、撃つなと叫ぶペンギンとマシンガンになった自分の腕を交互に見たあと、腕をクルッと動かしました。
マシンガンが消えて細い腕に戻り、ペンギンは胸に手をあててホッと息を吐きました。
ですが、シャチとベポのキラキラと輝く尊敬の眼差しは消えません。
「なぁ!!ビームは出るのか!?」
シャチが興奮気味に言いました。
彼女が、当然のように頷きます。
「はい、出ます。ビーム。」
彼女は、右腕を押し出すように伸ばすと、ロー達に見えるように右手のひらを開きました。
すると、手のひらの中央に切れ目が出来て、2㎝ほどの黒い穴が出来ました。
そこから、眩い光が漏れ始めます。
それは、PX(パシフィスタ)が出すビームに似ていました。
プロトタイプのPX(パシフィスタ)のビームの威力については、数年前にロー達も身をもって知っています。
もしも、威力までPX(パシフィスタ)と似ていたならば、この潜水艦もただでは済みません。
「世界政府がどうしても海賊を殲滅させてぇのはよく分かった。
質問を続ける。」
「-分かりました。」
彼女は右手を握って、膝の上に置きました。
生のビームを見ることが出来ずにシャチとベポは残念がっていましたが、ペンギンはまたホッと息を吐いていました。
なぜか、彼女が必ず武器やビームを向けるのは、ペンギンだったのです。
真正面に座っているのはローのはずなのに、少し右にズラしていたのには、プログラム的な理由が何かあるのでしょうか。
「どうして海兵とCP0から逃げていた?」
「逃げるようにプログラムをされたからです。」
「誰に?協力者がいるのか。」
「分かりません。ですが、彼は私のことを知っているようでした。
もしかしたら、彼のデータはすべて削除されているのかもしれません。」
彼女は迷いなく答え続けました。
ですが、情報が曖昧過ぎます。
ローが詳しい説明を求めれば、彼女は順序立てて話し始めました。