◇No.58◇笑って欲しいのです
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「いない、いない~~~、ばぁッ!」
顔を隠していた両手を離して、シャチが渾身の変顔を披露しました。
彼だけではありません。
食堂の椅子になまえを座らせ、その前に並んだのは、ペンギンやベポ、他のほとんどの船員達でした。
そして、各々が、あらゆる道具を使って変顔を作っています。
最早もう、誰が誰だか分からない程で、原形を留めていません。
「それは赤ん坊にするやつだよ。バカかよ。」
イッカクが、呆れたように言って、シャチの頭を叩きました。
痛そうに顔を顰めた後、シャチが悔しそうにイッカクを見ます。
「じゃあ、どうしろって言うんだよ!!
なまえを笑わすにはさ!!」
「知るかよ。」
うまくいかない苛立ちを大声で怒鳴るように叫んだシャチから目を反らし、イッカクがため息をつきました。
花火大会の翌日、ハートの海賊団はあの島を出港しました。
あれから、なまえが笑うことは一度もありません。
衝撃の場面を見ていないローなんて、笑ったという事実すら『見間違いだ。』と信じていない状態です。
見間違いではなかったとローにどうしても言わせたい船員達は、あの手この手を使ってなまえを笑わせようとしているのですが、文字通り、うんともすんとも言いません。
それどころか———。
「私は機械です。笑いません。」
「笑ったから!!」
「見間違いです。」
ローと同じで、なまえすらもこの調子なのです。
自分が笑ったことに気づいていないのか、それとも、認めていないのか。
それすらも分かりません。
確かに、笑ったはずなのに———。
シャチ達は、確かに見たのです。
なまえが笑った顔を、その目で、しっかりと———。
そう信じているようですが、まさか、見間違いでしょう。
だって、機械が笑うと思いますか。
笑いません。
そんなこと、ありえないのです。
「おい、もう諦めはついたか。」
待ちきれなくなったのか、食堂にローがやって来ました。
「終わりました。」
なまえが立ち上がりました。
「終わってねーよ!!」
シャチが引き留めますが、なまえは駆け足でローの元へ向かってしまいました。
そして、そのまま、甘えるように大好きな人に抱き着いてしまいます。
こうなると、誰もなまえを引き剥がせません。
何よりも、ローが嬉しそうにしているので、ここでまだなまえを貸してくれと言ってしまえば、船長にバラバラにされてしまうのは目に見えています。
「もう笑った顔、見れないのかな…。」
ベポが残念そうに呟きました。
顔を隠していた両手を離して、シャチが渾身の変顔を披露しました。
彼だけではありません。
食堂の椅子になまえを座らせ、その前に並んだのは、ペンギンやベポ、他のほとんどの船員達でした。
そして、各々が、あらゆる道具を使って変顔を作っています。
最早もう、誰が誰だか分からない程で、原形を留めていません。
「それは赤ん坊にするやつだよ。バカかよ。」
イッカクが、呆れたように言って、シャチの頭を叩きました。
痛そうに顔を顰めた後、シャチが悔しそうにイッカクを見ます。
「じゃあ、どうしろって言うんだよ!!
なまえを笑わすにはさ!!」
「知るかよ。」
うまくいかない苛立ちを大声で怒鳴るように叫んだシャチから目を反らし、イッカクがため息をつきました。
花火大会の翌日、ハートの海賊団はあの島を出港しました。
あれから、なまえが笑うことは一度もありません。
衝撃の場面を見ていないローなんて、笑ったという事実すら『見間違いだ。』と信じていない状態です。
見間違いではなかったとローにどうしても言わせたい船員達は、あの手この手を使ってなまえを笑わせようとしているのですが、文字通り、うんともすんとも言いません。
それどころか———。
「私は機械です。笑いません。」
「笑ったから!!」
「見間違いです。」
ローと同じで、なまえすらもこの調子なのです。
自分が笑ったことに気づいていないのか、それとも、認めていないのか。
それすらも分かりません。
確かに、笑ったはずなのに———。
シャチ達は、確かに見たのです。
なまえが笑った顔を、その目で、しっかりと———。
そう信じているようですが、まさか、見間違いでしょう。
だって、機械が笑うと思いますか。
笑いません。
そんなこと、ありえないのです。
「おい、もう諦めはついたか。」
待ちきれなくなったのか、食堂にローがやって来ました。
「終わりました。」
なまえが立ち上がりました。
「終わってねーよ!!」
シャチが引き留めますが、なまえは駆け足でローの元へ向かってしまいました。
そして、そのまま、甘えるように大好きな人に抱き着いてしまいます。
こうなると、誰もなまえを引き剥がせません。
何よりも、ローが嬉しそうにしているので、ここでまだなまえを貸してくれと言ってしまえば、船長にバラバラにされてしまうのは目に見えています。
「もう笑った顔、見れないのかな…。」
ベポが残念そうに呟きました。