◇No.55◇水着は好きですか?
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整備チェックを終わらせた船大工から詳しい話を聞き、昨日サボっていた航海日誌を書き終えると、ローは、バラバラに散らばっていた荷物を適当に拾い集めました。
そして、縄を編んで出来た袋にそれを入れ、大太刀に括りつけ、船長室を出ます。
「あれ?キャプテン、どこか行くんですか?」
ローが、船を降りようとしたところで、少し前まで一緒に整備チェックの確認をしていた船大工が声をかけて来ました。
「なまえの迎えと、コレを適当に捨ててくる。」
「え!?俺、捨てられ———。」
「きっと喜びますね。気をつけていってください!」
荷物が五月蠅く騒いでいましたが、爽やかな船大工の笑顔に見送られ、ローは今度こそ船を降りました。
なまえは、あの後、ベポとペンギン、イッカクと一緒に海岸へ行きました。
ベポのリクエストであるスイカ割りをするためです。
「明日の花火大会、何着よう~。」
「やっぱり、浴衣かな!」
不意に聞こえて来た楽しそうな声に立ち止まったローは、振り返って、通り過ぎて行った若い女達の背中を視線で追いかけました。
海水浴場の帰りのようで、水着姿の彼女達は、肩に大きめのタオルをかけていて、髪はまだ濡れていました。
「なんすか?ナンパっすか?
さすが、キャプテン。恋人が出来ても、縛られねぇところは、未来の海賊おう、んぎゃ…!!」
煩い荷物に肘鉄をお見舞いして黙らせると、ローはまた、海水浴場へ向かう為に歩き出しました。
数日後にログが貯まれば、すぐにでも出港する予定でした。
急いでいるわけでもないけれど、留まる理由もないからです。
初めての海と初めての友人達と、この常夏の島を楽しもうとしているなまえの願いは、その間に全て叶えてあげたいとローは考えていました。
いつもなら聞き流すような楽しそうな若い女の声に立ち止まったのは、その為です。
なまえに、花火を見せてやりたいと考えたのです。
彼女がハートの海賊団の船員になってから、花火を見る機会はありませんでしたし、海軍の研究施設に軟禁されているときに、花火を見せてもらったことがあるとも思えません。
初めて見る花火に、なまえはあの綺麗な瞳をキラキラに輝かせて、ハシャぐに決まっている————。
なまえの嬉しそうな表情を思い浮かべ、ローは無意識に口の端が上がります。
残念ですが、今、ローが思い浮かべたような表情を、なまえが見せてくれることはないでしょう。
それでも、ローやベポ達には、彼女が喜んでいることが分かるような表情はしてくれるかもしれません。
早く明日になればいい———。
そんなことを考えてしまうから、はやる気持ちと共に、歩くスピードも速くなっていました。
そして、縄を編んで出来た袋にそれを入れ、大太刀に括りつけ、船長室を出ます。
「あれ?キャプテン、どこか行くんですか?」
ローが、船を降りようとしたところで、少し前まで一緒に整備チェックの確認をしていた船大工が声をかけて来ました。
「なまえの迎えと、コレを適当に捨ててくる。」
「え!?俺、捨てられ———。」
「きっと喜びますね。気をつけていってください!」
荷物が五月蠅く騒いでいましたが、爽やかな船大工の笑顔に見送られ、ローは今度こそ船を降りました。
なまえは、あの後、ベポとペンギン、イッカクと一緒に海岸へ行きました。
ベポのリクエストであるスイカ割りをするためです。
「明日の花火大会、何着よう~。」
「やっぱり、浴衣かな!」
不意に聞こえて来た楽しそうな声に立ち止まったローは、振り返って、通り過ぎて行った若い女達の背中を視線で追いかけました。
海水浴場の帰りのようで、水着姿の彼女達は、肩に大きめのタオルをかけていて、髪はまだ濡れていました。
「なんすか?ナンパっすか?
さすが、キャプテン。恋人が出来ても、縛られねぇところは、未来の海賊おう、んぎゃ…!!」
煩い荷物に肘鉄をお見舞いして黙らせると、ローはまた、海水浴場へ向かう為に歩き出しました。
数日後にログが貯まれば、すぐにでも出港する予定でした。
急いでいるわけでもないけれど、留まる理由もないからです。
初めての海と初めての友人達と、この常夏の島を楽しもうとしているなまえの願いは、その間に全て叶えてあげたいとローは考えていました。
いつもなら聞き流すような楽しそうな若い女の声に立ち止まったのは、その為です。
なまえに、花火を見せてやりたいと考えたのです。
彼女がハートの海賊団の船員になってから、花火を見る機会はありませんでしたし、海軍の研究施設に軟禁されているときに、花火を見せてもらったことがあるとも思えません。
初めて見る花火に、なまえはあの綺麗な瞳をキラキラに輝かせて、ハシャぐに決まっている————。
なまえの嬉しそうな表情を思い浮かべ、ローは無意識に口の端が上がります。
残念ですが、今、ローが思い浮かべたような表情を、なまえが見せてくれることはないでしょう。
それでも、ローやベポ達には、彼女が喜んでいることが分かるような表情はしてくれるかもしれません。
早く明日になればいい———。
そんなことを考えてしまうから、はやる気持ちと共に、歩くスピードも速くなっていました。