◇No.54◇好きな人がくれるハートならどんなカタチでも嬉しいです
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柔らかな光を瞼の向こうに感じて、ローはゆっくりと目を開きました。
そして、起きて最初に視界に飛び込んできたのは、愛おしい恋人の寝顔でした。
閉じた瞼の下に並ぶ長い睫毛と透き通るような白い肌に、朝の光が反射して、キラキラと輝いています。
思わず目を細めた彼には、他の誰よりも、彼女が眩しく見えているのかもしれません。
海賊も海兵も、ロボットでさえも関係なく、恋とは一様にそういうものです。
ローは、愛おしそうになまえに手を伸ばすと、彼女の頬にかかっている横髪をそっとかき上げてやりました。
すると、なまえが、まるでスイッチが入ったかのようにパチリと目を開きました。
思わず、ローはギョッとしてしまいます。
「朝が来ましたか?」
無表情でそう訊ねるなまえが可笑しくて、ローはククッと喉を鳴らしました。
「あぁ、おはよう。」
ローは、そう言って、なまえの唇に軽くキスをしました。
一瞬だけ、なまえが動きを止めました。
今のが何なのかを考えていたのかもしれません。
そして——。
「はい、おはようございます。」
なまえはそう言うと、ローがしたように、彼の唇に軽くキスをしました。
これが、恋人同士の朝の挨拶だと認識したのかもしれませんし、お返しをしようとしたのかもしれません。
もしくは、負けず嫌いな彼女の性格が出たのかもしれません。
どちらにしろ、今の彼女の行動を、ローが愛おしいと思ったことに変わりはありませんでした。
「今日は、何かしたいことがあるか?」
ローは、なまえの髪を撫でてやりながら訊ねました。
「昨日の夜、ベポがスイカ割がしたいと言っていました。」
「ベポじゃねぇ。お前のしてぇことを聞いたんだよ。」
ローは苦笑しながら訂正します。
すると、なまえは口を閉じてしまいました。
きっと、考えているのでしょう。
だから、ローはのんびりとその答えを待ちます。
普段、目が覚めるとすぐにベッドから出るローでしたが、朝の微睡みの中で、なまえとこうして過ごすことがとても心地よかったのです。
少しすると、なまえが口を開きました。
「ハートをください。」
なまえは、そう言いながら、自分の胸元に触れました。
割れた貝殻の破片で切りつけられて破れたつなぎは捨て、昨日のうちに、ローが貸したスウェットに着替えていました。
そのスウェットで今は見えてはいませんが、裂けていた皮膚は、彼女が持つ特殊な治癒能力で綺麗な肌に戻っています。
ですが、そこに、ローが描いた歪なハートのタトゥーはありません。
元々彼女の身体にあったものではないので、治癒能力で元に戻す過程で消えたのでしょう。
「今度はもっと綺麗に描いてやるよ。」
ローはそう言って、なまえの胸元に手を添えました。
ですが、なまえは小さく首を横に振ります。
「ローが描いてくれるハートなら、下手くそでも大丈夫です。」
「…それはどうも。」
ローは、なんとも言えない表情になりました。
前に描いたあのハートのことを、なまえがどう捉えていたのか、今となって知ってしまうことになるとは、思ってもいませんでした。
なにがなんでも、綺麗なハートを描いてやる———。
負けず嫌いのローに、そう決意させるには、十分な破壊力のあるなまえのセリフでした。
でも、そんなこと、彼女は知りもしません。
「どういたしまして。」
なまえが、自慢気に答えました。
そして、起きて最初に視界に飛び込んできたのは、愛おしい恋人の寝顔でした。
閉じた瞼の下に並ぶ長い睫毛と透き通るような白い肌に、朝の光が反射して、キラキラと輝いています。
思わず目を細めた彼には、他の誰よりも、彼女が眩しく見えているのかもしれません。
海賊も海兵も、ロボットでさえも関係なく、恋とは一様にそういうものです。
ローは、愛おしそうになまえに手を伸ばすと、彼女の頬にかかっている横髪をそっとかき上げてやりました。
すると、なまえが、まるでスイッチが入ったかのようにパチリと目を開きました。
思わず、ローはギョッとしてしまいます。
「朝が来ましたか?」
無表情でそう訊ねるなまえが可笑しくて、ローはククッと喉を鳴らしました。
「あぁ、おはよう。」
ローは、そう言って、なまえの唇に軽くキスをしました。
一瞬だけ、なまえが動きを止めました。
今のが何なのかを考えていたのかもしれません。
そして——。
「はい、おはようございます。」
なまえはそう言うと、ローがしたように、彼の唇に軽くキスをしました。
これが、恋人同士の朝の挨拶だと認識したのかもしれませんし、お返しをしようとしたのかもしれません。
もしくは、負けず嫌いな彼女の性格が出たのかもしれません。
どちらにしろ、今の彼女の行動を、ローが愛おしいと思ったことに変わりはありませんでした。
「今日は、何かしたいことがあるか?」
ローは、なまえの髪を撫でてやりながら訊ねました。
「昨日の夜、ベポがスイカ割がしたいと言っていました。」
「ベポじゃねぇ。お前のしてぇことを聞いたんだよ。」
ローは苦笑しながら訂正します。
すると、なまえは口を閉じてしまいました。
きっと、考えているのでしょう。
だから、ローはのんびりとその答えを待ちます。
普段、目が覚めるとすぐにベッドから出るローでしたが、朝の微睡みの中で、なまえとこうして過ごすことがとても心地よかったのです。
少しすると、なまえが口を開きました。
「ハートをください。」
なまえは、そう言いながら、自分の胸元に触れました。
割れた貝殻の破片で切りつけられて破れたつなぎは捨て、昨日のうちに、ローが貸したスウェットに着替えていました。
そのスウェットで今は見えてはいませんが、裂けていた皮膚は、彼女が持つ特殊な治癒能力で綺麗な肌に戻っています。
ですが、そこに、ローが描いた歪なハートのタトゥーはありません。
元々彼女の身体にあったものではないので、治癒能力で元に戻す過程で消えたのでしょう。
「今度はもっと綺麗に描いてやるよ。」
ローはそう言って、なまえの胸元に手を添えました。
ですが、なまえは小さく首を横に振ります。
「ローが描いてくれるハートなら、下手くそでも大丈夫です。」
「…それはどうも。」
ローは、なんとも言えない表情になりました。
前に描いたあのハートのことを、なまえがどう捉えていたのか、今となって知ってしまうことになるとは、思ってもいませんでした。
なにがなんでも、綺麗なハートを描いてやる———。
負けず嫌いのローに、そう決意させるには、十分な破壊力のあるなまえのセリフでした。
でも、そんなこと、彼女は知りもしません。
「どういたしまして。」
なまえが、自慢気に答えました。