◇No.48◇知らなければいけないことがあります
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怯えるように逃げ出したなまえの背中を見た途端、ローは無意識に手を伸ばしていました。
同時に、思わず地面を蹴ったローでしたが、すぐにハッとして立ち止まります。
伸ばしかけた手は、空の宙で何かを掴もうと数回、小さく開いたり閉じたりを繰り返した後、力を失くして落ちていきました。
その間に、風のような速さで駆けて行ったなまえの姿は呆気なく見えなくなっていました。
ローは、シェリーの腰に手を添えて、まだ営業前の彼女のスナックの扉に手をかけました。
このまま、なまえは追いかけずに、そのままにしておくことに決めたようです。
ですが、それを許さなかったのが、イッカクでした。
彼女は、気の強い瞳を普段よりも吊り上げて、ローの元へ走りました。
そして、扉を開いて中に入ろうとしていた彼の腕を掴みました。