◇No.41◇夜になりました、ひとりぼっちです
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
遊戯室でベポ達とカードゲームをしていたなまえは、壁掛けの時計を見ると、カードを床に置いて立ち上がりました。
そして、そのまま、ベポ達に何も言わずに遊戯室から出て行きます。
壁掛けの時計を確認したベポ達は、もうそんな時間かと驚きはしましたが、彼女を引き留めて何か言うことはありませんでした。
夜になると、なまえが船長室へ行き、ローをバーに誘うことは、もう船員全員が知っていることだからです。
ですから、今夜も、遊戯室を出たなまえは、船長室へ向かいました。
そして、いつものようにノックをせずに船長室の扉を開きました。
ローは、デスクに向かって座っていて、航海日誌を書いているようでした。
「ロー、夜になりました。バーに行きますか?」
扉が開いた音で振り返ったローを、なまえはいつもと同じセリフで誘いました。
なまえを見たローは、何かに気づいたような顔をして片眉を上げました。
「コートはどうした。」
ローが訊ねました。
なまえが気に入って、暑い夏の気候の日も脱がないコートを着ていないことを不思議に思ったようです。
今現在、ポーラータング号が航海をしているのは、冬島の気候でした。
昼間は『雪が降った!』とベポやシャチが嬉しそうにハシャいでいたのを、食堂で昼食をとったときにローも見ています。
それに、暑さや寒さを感じないなまえでも、雪も降るほどの気温ならば、コートを着るのが当然だと考えたのです。
「着ていません。」
「それは見れば分かる。どうして着てねぇか聞いてんだ。」
「着たくないからです。」
すんなりと答えたなまえに、ローはあからさまに眉を顰めました。
人間のように空気を読むということは出来ないロボットですが、人間の表情の変化で、気持ちを汲み取ることは出来ます。
ですから、今のローの感情が、怒りというものだということは、なまえもすぐに理解しました。
正確には、怒りの表情にも、いろんな理由やいろんな感情が隠れているものです。
残念ながら、そこまで詳細に理解することは出来ないなまえは、平気でその理由を訊ねます。
「怒りましたか?どうしましたか?」
「…今日はバーにも行かねぇからひとりで行け。」
「今日もですか?」
「あぁ、今日も。」
「分かりました。」
なまえは今夜も、すんなりと引き下がって、船長室の扉を閉めました。
彼女は、バーがあるのとは反対方向へ歩きます。
夜をローと一緒に過ごせないのなら、バーへ行く理由がないからです。
ですから、彼女は今夜も、自分の部屋に戻り、独りきりで夜を過ごします。
とても久しぶりに、ひとりぼっちで夜を越えるようになって、今夜でちょうど1週間でした。
なまえには、どうしてローがバーに行かなくなったのか理由が分かりません。
自室に向かう廊下でいつも、彼女は、次回はその理由を聞いてみることに決めます。
でも、翌日の夜はまた、すんなりと引き下がるのです。
自分の行動の理由も、なまえは理解出来ていませんでした。
その理由を、今度はローに聞いてみるのもいいかもしれません。
だって、なまえにたくさんのことを教えてくれるのは、いつも彼でしたから———。
そして、そのまま、ベポ達に何も言わずに遊戯室から出て行きます。
壁掛けの時計を確認したベポ達は、もうそんな時間かと驚きはしましたが、彼女を引き留めて何か言うことはありませんでした。
夜になると、なまえが船長室へ行き、ローをバーに誘うことは、もう船員全員が知っていることだからです。
ですから、今夜も、遊戯室を出たなまえは、船長室へ向かいました。
そして、いつものようにノックをせずに船長室の扉を開きました。
ローは、デスクに向かって座っていて、航海日誌を書いているようでした。
「ロー、夜になりました。バーに行きますか?」
扉が開いた音で振り返ったローを、なまえはいつもと同じセリフで誘いました。
なまえを見たローは、何かに気づいたような顔をして片眉を上げました。
「コートはどうした。」
ローが訊ねました。
なまえが気に入って、暑い夏の気候の日も脱がないコートを着ていないことを不思議に思ったようです。
今現在、ポーラータング号が航海をしているのは、冬島の気候でした。
昼間は『雪が降った!』とベポやシャチが嬉しそうにハシャいでいたのを、食堂で昼食をとったときにローも見ています。
それに、暑さや寒さを感じないなまえでも、雪も降るほどの気温ならば、コートを着るのが当然だと考えたのです。
「着ていません。」
「それは見れば分かる。どうして着てねぇか聞いてんだ。」
「着たくないからです。」
すんなりと答えたなまえに、ローはあからさまに眉を顰めました。
人間のように空気を読むということは出来ないロボットですが、人間の表情の変化で、気持ちを汲み取ることは出来ます。
ですから、今のローの感情が、怒りというものだということは、なまえもすぐに理解しました。
正確には、怒りの表情にも、いろんな理由やいろんな感情が隠れているものです。
残念ながら、そこまで詳細に理解することは出来ないなまえは、平気でその理由を訊ねます。
「怒りましたか?どうしましたか?」
「…今日はバーにも行かねぇからひとりで行け。」
「今日もですか?」
「あぁ、今日も。」
「分かりました。」
なまえは今夜も、すんなりと引き下がって、船長室の扉を閉めました。
彼女は、バーがあるのとは反対方向へ歩きます。
夜をローと一緒に過ごせないのなら、バーへ行く理由がないからです。
ですから、彼女は今夜も、自分の部屋に戻り、独りきりで夜を過ごします。
とても久しぶりに、ひとりぼっちで夜を越えるようになって、今夜でちょうど1週間でした。
なまえには、どうしてローがバーに行かなくなったのか理由が分かりません。
自室に向かう廊下でいつも、彼女は、次回はその理由を聞いてみることに決めます。
でも、翌日の夜はまた、すんなりと引き下がるのです。
自分の行動の理由も、なまえは理解出来ていませんでした。
その理由を、今度はローに聞いてみるのもいいかもしれません。
だって、なまえにたくさんのことを教えてくれるのは、いつも彼でしたから———。