◇No.23◇凍える島へやって来ました
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ハートの海賊団が上陸したのは、極寒の冬島でした。
船員達が、ガタガタと震えながらポーラータング号から続々と降りてきます。
暖かそうなコートを着込んでいる海賊達に紛れて、温度を感じないなまえだけは、いつものつなぎ1枚だけの姿です。
見ているだけで寒いその格好に、寒さに凍える仲間から猛烈なツッコミが飛び交います。
「寒くねぇのかよ!?」
「私は寒さも暑さも感じません。」
「見てるこっちが寒ぃんだよ!誰かなまえにコート着せろよ!!」
「イッカク!!なまえにコート持って来い!!」
「ねぇよ!買ってねぇもん!!」
「はぁ!?せめて何か上着を着せろって!!」
「カーディガンも猫の血で汚したから、何もねぇんだって!!」
「ふっざけんなよ!見てるだけで寒ぃんだよ!!」
「じゃあ、見るなよ!!」
なまえを間に挟んで、仲間同士で言い合い合戦が始まりました。
頭上で飛び交う怒号を聞き流し、なまえは涼しい顔をしています。
寒さを知らないなまえは、彼らが怒っている理由が分からないのです。
そして、どうでもよかったのです。
なぜなら、初めて見る雪に、なまえの興味のすべてを持って行かれていたからです。
「雪です。雪が降っています。ベポと同じ、白いフワフワです。」
ハラハラと舞う雪の空を見上げて、なまえが手を伸ばしました。
細く華奢な指に白い雪が触れては、ほんの一瞬で消えていきます。
儚いその繰り返しを、なまえは真剣に観察します。
「皆さん、雪ですよ。」
まだ言い争いをしていた海賊達は、なまえの澄んだ声を耳にして、漸く口を閉じました。
彼らが見たのは、雪を見上げる綺麗な横顔でした。
まるで雪のような白く透き通る肌と、ただ真っすぐに雪を見上げる澄んだ瞳。
それは、空を舞う雪よりもとても綺麗な光景で、言い争いをしているのが、途端に馬鹿馬鹿しくなる程度には、美しいものでした。
「あぁ、本当だ。雪だな。教えてくれてありがとうな。」
ジャンバールが、なまえの頭に大きな手を乗せて言いました。
「どういたしまして。」
なまえが、ジャンバールを見上げます。
いつもの感情のない顔でした。
他の誰かが見たら、冷たく感じたかもしれません。
でも、ジャンバール達には、彼女が少しだけ自慢気にしているように見えました。
だから余計に、彼女がいじらしく感じてしまって、言い争いをしていた仲間同士でクスリと笑いました。
彼らが、なまえに表情を見たのは、これが初めてではありませんでした。
ムスッとしていたり、悲しんでいたり、心配していたり——。
彼らは、なまえの気持ちを表情から読み取っていました。
それは、とても不思議なことです。ありえないことです。
でも、もしかしたら、なまえのことを仲間として受け入れている彼らには、本当に見えている彼女とは違う、彼女の姿が見えているのかもしれません。
だって、彼らは『一生モノの仲間』なのですから——。
「全員、降りたか?」
最後に船長のローが降りてきました。
ハートの海賊団の船員達が、1人残らず、元気よく返事をしました。
船員達が、ガタガタと震えながらポーラータング号から続々と降りてきます。
暖かそうなコートを着込んでいる海賊達に紛れて、温度を感じないなまえだけは、いつものつなぎ1枚だけの姿です。
見ているだけで寒いその格好に、寒さに凍える仲間から猛烈なツッコミが飛び交います。
「寒くねぇのかよ!?」
「私は寒さも暑さも感じません。」
「見てるこっちが寒ぃんだよ!誰かなまえにコート着せろよ!!」
「イッカク!!なまえにコート持って来い!!」
「ねぇよ!買ってねぇもん!!」
「はぁ!?せめて何か上着を着せろって!!」
「カーディガンも猫の血で汚したから、何もねぇんだって!!」
「ふっざけんなよ!見てるだけで寒ぃんだよ!!」
「じゃあ、見るなよ!!」
なまえを間に挟んで、仲間同士で言い合い合戦が始まりました。
頭上で飛び交う怒号を聞き流し、なまえは涼しい顔をしています。
寒さを知らないなまえは、彼らが怒っている理由が分からないのです。
そして、どうでもよかったのです。
なぜなら、初めて見る雪に、なまえの興味のすべてを持って行かれていたからです。
「雪です。雪が降っています。ベポと同じ、白いフワフワです。」
ハラハラと舞う雪の空を見上げて、なまえが手を伸ばしました。
細く華奢な指に白い雪が触れては、ほんの一瞬で消えていきます。
儚いその繰り返しを、なまえは真剣に観察します。
「皆さん、雪ですよ。」
まだ言い争いをしていた海賊達は、なまえの澄んだ声を耳にして、漸く口を閉じました。
彼らが見たのは、雪を見上げる綺麗な横顔でした。
まるで雪のような白く透き通る肌と、ただ真っすぐに雪を見上げる澄んだ瞳。
それは、空を舞う雪よりもとても綺麗な光景で、言い争いをしているのが、途端に馬鹿馬鹿しくなる程度には、美しいものでした。
「あぁ、本当だ。雪だな。教えてくれてありがとうな。」
ジャンバールが、なまえの頭に大きな手を乗せて言いました。
「どういたしまして。」
なまえが、ジャンバールを見上げます。
いつもの感情のない顔でした。
他の誰かが見たら、冷たく感じたかもしれません。
でも、ジャンバール達には、彼女が少しだけ自慢気にしているように見えました。
だから余計に、彼女がいじらしく感じてしまって、言い争いをしていた仲間同士でクスリと笑いました。
彼らが、なまえに表情を見たのは、これが初めてではありませんでした。
ムスッとしていたり、悲しんでいたり、心配していたり——。
彼らは、なまえの気持ちを表情から読み取っていました。
それは、とても不思議なことです。ありえないことです。
でも、もしかしたら、なまえのことを仲間として受け入れている彼らには、本当に見えている彼女とは違う、彼女の姿が見えているのかもしれません。
だって、彼らは『一生モノの仲間』なのですから——。
「全員、降りたか?」
最後に船長のローが降りてきました。
ハートの海賊団の船員達が、1人残らず、元気よく返事をしました。