◇No.13◇逃げましょう
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ポーラータング号の停泊してある裏の港へ走って向かうロー達は、海岸沿いの通りを抜けて、街にまで出ていました。
もう少し走れば、裏の港へ続く路地がが見えてくるはずです。
でも、裏の港へ近づけば近づくほど、ローの足は重たくなっていきます。
もしかすると、水槽を両手で抱えて唇を噛んでいるベポよりも、海兵達のいる砂浜に心を引きずられているのかもしれません。
都合がいい——。
なまえを助けたくてたまらないベポには悪いですが、正直なところ、ローはそう思ったはずでした。
勝手に恩を感じたなまえが、勝手にしたことなのだから、自分達は関係ない——、そう思っているはずなのです。
でも、なぜでしょうか。
助けてやってくれ、と必死に引き留めるベポの向こうに見えた華奢な背中が、瞼の裏に焼き付いて消えないのです。
助けたいわけではありません。
でも、砲弾と銃弾の雨は、華奢な背中には、あまりに無慈悲でした。
辿り着いた路地裏の入口の前で、ローの足はとうとう止まってしまいました。
「キャプテン!?どうしたんですか!?
アイツ等が追って来る前に早く逃げましょう!」
「そうですよ!!せっかくなまえが俺達を逃がそうとしてくれてるんすから!!」
ペンギンとシャチが、ローを急かします。
彼らはもう、なまえを見捨てることに決めたようです。
いいえ、見捨てるという言い方は間違っているかもしれません。
そもそも、彼女は仲間でもなければ、元いた場所に戻ろうとしているだけなのですから。
「キャプテン?」
不安そうに訊ねてくるベポは、期待もしているのかもしれません。
もしかして、なまえを助けに行ってくれるんじゃないか——。
あぁ、ローにとってはとても残念なことです。
なぜなら、その“もしかして”を自分がしようとしているのですから——。
「お前らは先に船を出しておけ。後から追いかける。
——あのポンコツバカを連れて。」
ペンギンとシャチが驚いた顔をします。
ロー自身も、自分のしようとしていることが信じられませんでした。
それでも、もう、決めたのです。
「それなら…!俺達も!!一人では危険です!!」
路地裏に背を向けて走り出したローの後ろ姿にペンギンが叫びました。
それでも、ローは、振り返りもせずに、船を出しておけ!とさっきと同じ指示を出します。
ローの後ろ姿をペンギンとシャチが呆然と見送ります。
ベポだけが、そうしてくれると思っていたとでも言うような満足気な顔をして、とても嬉しそうにしていました。
もう少し走れば、裏の港へ続く路地がが見えてくるはずです。
でも、裏の港へ近づけば近づくほど、ローの足は重たくなっていきます。
もしかすると、水槽を両手で抱えて唇を噛んでいるベポよりも、海兵達のいる砂浜に心を引きずられているのかもしれません。
都合がいい——。
なまえを助けたくてたまらないベポには悪いですが、正直なところ、ローはそう思ったはずでした。
勝手に恩を感じたなまえが、勝手にしたことなのだから、自分達は関係ない——、そう思っているはずなのです。
でも、なぜでしょうか。
助けてやってくれ、と必死に引き留めるベポの向こうに見えた華奢な背中が、瞼の裏に焼き付いて消えないのです。
助けたいわけではありません。
でも、砲弾と銃弾の雨は、華奢な背中には、あまりに無慈悲でした。
辿り着いた路地裏の入口の前で、ローの足はとうとう止まってしまいました。
「キャプテン!?どうしたんですか!?
アイツ等が追って来る前に早く逃げましょう!」
「そうですよ!!せっかくなまえが俺達を逃がそうとしてくれてるんすから!!」
ペンギンとシャチが、ローを急かします。
彼らはもう、なまえを見捨てることに決めたようです。
いいえ、見捨てるという言い方は間違っているかもしれません。
そもそも、彼女は仲間でもなければ、元いた場所に戻ろうとしているだけなのですから。
「キャプテン?」
不安そうに訊ねてくるベポは、期待もしているのかもしれません。
もしかして、なまえを助けに行ってくれるんじゃないか——。
あぁ、ローにとってはとても残念なことです。
なぜなら、その“もしかして”を自分がしようとしているのですから——。
「お前らは先に船を出しておけ。後から追いかける。
——あのポンコツバカを連れて。」
ペンギンとシャチが驚いた顔をします。
ロー自身も、自分のしようとしていることが信じられませんでした。
それでも、もう、決めたのです。
「それなら…!俺達も!!一人では危険です!!」
路地裏に背を向けて走り出したローの後ろ姿にペンギンが叫びました。
それでも、ローは、振り返りもせずに、船を出しておけ!とさっきと同じ指示を出します。
ローの後ろ姿をペンギンとシャチが呆然と見送ります。
ベポだけが、そうしてくれると思っていたとでも言うような満足気な顔をして、とても嬉しそうにしていました。