豹変≪進撃/Armin≫
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割とすぐに気が付いたと思う。
だって、凄くあからさまだったし、隠す気はないようだった。
自室のデスクで、班員が持ってきた書類をチェックしている私からは、大きなため息が漏れた。
最近、班員のアルミンの様子がおかしい。
おかしいというか、正直、とても冷たく感じる。
班員同士で話していても、アルミンは私の顔を見ないどころか、まるでいない人みたいに名前すら呼ばない。
用があって声をかけても10回中9回は無視されるし、反応してくれた貴重な1回も、座学の話をしたら小馬鹿にされたような態度をとられた。
確かにアルミンの方が頭がいいのだけれど、先輩に対してあの態度はどうだろう。
というか、どうして私はアルミンに冷たくされてるんだろう。
嫌われたのかなー。
いつもいつも「名前さん!」と名前を呼んで、私に懐いていた可愛いアルミンはどこへ行ってしまったのか。
そればかりが気になって、書類のチェックもままならず、結局諦めることにしてため息を吐いたとき、部屋の扉が叩かれた。
「はい!」
書類をデスクの上に置いて、立ち上がった。
「アルミン・アルレルトです。書類を提出しに来ました。」
「…っ、は、はい!今開けるね…!」
今まさに考えていた相手の登場に、思わずドキリとしてしまった。
慌てて扉を開ければ、アルミンは私を見て少し訝し気に眉を顰めた。
その表情さえも、最近は見慣れてしまったけれど、今までのアルミンが私に見せていたものとは程遠い。
ズキリと胸が痛みながら、アルミンを部屋に招き入れた。
「確認するから、ソファにでも座って待っててくれる?」
「はい、わかりました。」
アルミンは事務的に答えて、扉の前で立ったまま待つ。
少し前までは、書類を提出に来る度にソファに座って幼馴染のエレンやミカサの話、夢の話を楽しそうに話してくれていたのにー。
本当に、嫌われてしまったのだろうか。
でも、その原因に心当たりがひとつもないのだ。
いつも通り、問題がないどころか完璧すぎる書類をデスクの上に置いて、私はアルミンを見た。
「ねぇ、私のこと、嫌いになったの?」
「いえ、そんなことありませんよ。」
アルミンは相変わらず、事務的に答える。
それがまた距離を感じて、寂しくなる。
本当に、私は一体、何をしてしまったのだろう。
「でも、最近、冷たいよね?話しかけても、無視するし…。」
勇気を出して、本当は認めたくなかったことをアルミンにぶつけた。
すると、アルミンは「あ~、そのことですか。」とまるで他人事のような態度で、何度か小さく頷いた。
そして、やっぱり勘違いじゃなかったのだと知って傷ついた私を真っすぐに見て、続けた。
「作戦なんです。」
「作戦?」
「意味も分からず、自分だけ意地悪されたり冷たくされたら、
気になるでしょう?」
アルミンはそう言いながら、ゆっくりと私に歩み寄る。
そして、言っている意味が分からずに困惑する私の目の前に立った。
「今の名前さんみたいに。」
アルミンが、私の頬に手を添えてニヤリと口の端を上げた。
何を言われているのか分からなかった。
ただ、私の頬に触れるアルミンの手はすごく熱くて、急に速くなった鼓動が耳の奥で騒ぎ出すから、この部屋中にこの音が響いているみたいだった。
「この1週間、僕のことをどれくらい考えました?
もしかして、ずっと?」
「え、それは…っ。」
「僕のこと、ずっと目で追ってましたもんね。
気づいてないとでも思ってました?」
アルミンが小馬鹿にしたように言って、鼻で笑う。
私は混乱していた。
あれ、目の前にいるのは、誰だっけ。
頭が良くて、策士で、そして、可愛い後輩。
そのはずなのに、どうして私は、ドキリとしてるんだろう。
そんなに目で追っていたつもりなんか、ないのにー。
もしそうだったら、それはただ、可愛い後輩が急に冷たくなったから、何かあったのかなって心配しただけで、それでー。
混乱した頭の中で、私は必死に言い訳を並べていた。
それがもう答えなのだと気づくには、時間が必要だったはずだけれど、知らない誰かになってしまったアルミンは、私に考える余裕すら与える気はないようだった。
いつも楽しそうに本のページをめくる手が、私の肩を押した。
呆然としている私は簡単に後ろに倒れていく。
もふっと柔らかい感触を背中に受けたときにはもう、アルミンは私の腰の上に乗っていた。
「ただの可愛い後輩だと思ってた男に、
呆気なく組み敷かれるのはどんな気分ですか?」
屈むように私の顔に自分の顔を近づけて、アルミンがまた妖艶に口の端を上げた。
私はきっと、アルミンを男に変えてしまうようなとてつもないことをしてしまったに違いないー。
豹変した年下の男の子に振り回されながら、私はそのきっかけを必死に考えようとしてみたんだけど途中から、どうでもよくなってしまってー。
悪いのは貴女なんだから、
もう僕しか見えないと啼くまで許してあげません
「名前の班に美少年いるよねっ。」
「美少年?」
「ほらっ、金髪で蒼い目の!!
団長も頭がキレて優秀だって褒めてた子よ!」
「あ~!アルミンね!美少年っていうか、美少女じゃない?」
「美少女ぉ~?」
「そう、すっごく可愛くって、もうたまんないの。
私の可愛い後輩なんだから、変なことしないでよ。
ずっと可愛いままでいてほしいんだから。」
「それ、本人が聞いたらすごく怒ると思うよ。
だって、あの子、どう見たって…。」
「ん?」
「いいや、なんでもない。ま、頑張ってよ。」
だって、凄くあからさまだったし、隠す気はないようだった。
自室のデスクで、班員が持ってきた書類をチェックしている私からは、大きなため息が漏れた。
最近、班員のアルミンの様子がおかしい。
おかしいというか、正直、とても冷たく感じる。
班員同士で話していても、アルミンは私の顔を見ないどころか、まるでいない人みたいに名前すら呼ばない。
用があって声をかけても10回中9回は無視されるし、反応してくれた貴重な1回も、座学の話をしたら小馬鹿にされたような態度をとられた。
確かにアルミンの方が頭がいいのだけれど、先輩に対してあの態度はどうだろう。
というか、どうして私はアルミンに冷たくされてるんだろう。
嫌われたのかなー。
いつもいつも「名前さん!」と名前を呼んで、私に懐いていた可愛いアルミンはどこへ行ってしまったのか。
そればかりが気になって、書類のチェックもままならず、結局諦めることにしてため息を吐いたとき、部屋の扉が叩かれた。
「はい!」
書類をデスクの上に置いて、立ち上がった。
「アルミン・アルレルトです。書類を提出しに来ました。」
「…っ、は、はい!今開けるね…!」
今まさに考えていた相手の登場に、思わずドキリとしてしまった。
慌てて扉を開ければ、アルミンは私を見て少し訝し気に眉を顰めた。
その表情さえも、最近は見慣れてしまったけれど、今までのアルミンが私に見せていたものとは程遠い。
ズキリと胸が痛みながら、アルミンを部屋に招き入れた。
「確認するから、ソファにでも座って待っててくれる?」
「はい、わかりました。」
アルミンは事務的に答えて、扉の前で立ったまま待つ。
少し前までは、書類を提出に来る度にソファに座って幼馴染のエレンやミカサの話、夢の話を楽しそうに話してくれていたのにー。
本当に、嫌われてしまったのだろうか。
でも、その原因に心当たりがひとつもないのだ。
いつも通り、問題がないどころか完璧すぎる書類をデスクの上に置いて、私はアルミンを見た。
「ねぇ、私のこと、嫌いになったの?」
「いえ、そんなことありませんよ。」
アルミンは相変わらず、事務的に答える。
それがまた距離を感じて、寂しくなる。
本当に、私は一体、何をしてしまったのだろう。
「でも、最近、冷たいよね?話しかけても、無視するし…。」
勇気を出して、本当は認めたくなかったことをアルミンにぶつけた。
すると、アルミンは「あ~、そのことですか。」とまるで他人事のような態度で、何度か小さく頷いた。
そして、やっぱり勘違いじゃなかったのだと知って傷ついた私を真っすぐに見て、続けた。
「作戦なんです。」
「作戦?」
「意味も分からず、自分だけ意地悪されたり冷たくされたら、
気になるでしょう?」
アルミンはそう言いながら、ゆっくりと私に歩み寄る。
そして、言っている意味が分からずに困惑する私の目の前に立った。
「今の名前さんみたいに。」
アルミンが、私の頬に手を添えてニヤリと口の端を上げた。
何を言われているのか分からなかった。
ただ、私の頬に触れるアルミンの手はすごく熱くて、急に速くなった鼓動が耳の奥で騒ぎ出すから、この部屋中にこの音が響いているみたいだった。
「この1週間、僕のことをどれくらい考えました?
もしかして、ずっと?」
「え、それは…っ。」
「僕のこと、ずっと目で追ってましたもんね。
気づいてないとでも思ってました?」
アルミンが小馬鹿にしたように言って、鼻で笑う。
私は混乱していた。
あれ、目の前にいるのは、誰だっけ。
頭が良くて、策士で、そして、可愛い後輩。
そのはずなのに、どうして私は、ドキリとしてるんだろう。
そんなに目で追っていたつもりなんか、ないのにー。
もしそうだったら、それはただ、可愛い後輩が急に冷たくなったから、何かあったのかなって心配しただけで、それでー。
混乱した頭の中で、私は必死に言い訳を並べていた。
それがもう答えなのだと気づくには、時間が必要だったはずだけれど、知らない誰かになってしまったアルミンは、私に考える余裕すら与える気はないようだった。
いつも楽しそうに本のページをめくる手が、私の肩を押した。
呆然としている私は簡単に後ろに倒れていく。
もふっと柔らかい感触を背中に受けたときにはもう、アルミンは私の腰の上に乗っていた。
「ただの可愛い後輩だと思ってた男に、
呆気なく組み敷かれるのはどんな気分ですか?」
屈むように私の顔に自分の顔を近づけて、アルミンがまた妖艶に口の端を上げた。
私はきっと、アルミンを男に変えてしまうようなとてつもないことをしてしまったに違いないー。
豹変した年下の男の子に振り回されながら、私はそのきっかけを必死に考えようとしてみたんだけど途中から、どうでもよくなってしまってー。
悪いのは貴女なんだから、
もう僕しか見えないと啼くまで許してあげません
「名前の班に美少年いるよねっ。」
「美少年?」
「ほらっ、金髪で蒼い目の!!
団長も頭がキレて優秀だって褒めてた子よ!」
「あ~!アルミンね!美少年っていうか、美少女じゃない?」
「美少女ぉ~?」
「そう、すっごく可愛くって、もうたまんないの。
私の可愛い後輩なんだから、変なことしないでよ。
ずっと可愛いままでいてほしいんだから。」
「それ、本人が聞いたらすごく怒ると思うよ。
だって、あの子、どう見たって…。」
「ん?」
「いいや、なんでもない。ま、頑張ってよ。」
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