拒めるはずない≪海賊/Law≫
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そんなつもりなかったのにー。
心の中で、無意味だと分かっている言い訳を必死になって自分にしていた。
目の前に立ったローに見下ろされて、私は動けなくなる。
長い指が私の後ろ髪に絡んで引き寄せられれば、視界も、心も奪われた。
閉じた瞼の向こうで、今ならまだ間に合うと、なんとか理性を保ったもう1人の私が叫ぶけれど、急に降り出した夕立が地面に落ちる音ですぐにかき消された。
土埃が舞った匂いで、お気に入りの白いサンダルが悲惨なことになっていることが容易に想像出来た。
「ん…っ。」
唇の隙間から入り込んできた舌に咥内を這い回られて漏れる声を堪えながら、ローの黒いコートの胸元を握った。
ローが私の腰を抱き寄せるから、キスはどんどん深くなっていく。
通り雨のはずなのに、本降りになってきて、腫れるほどの口づけを続ける私とローの身体をあっという間にびしょ濡れにした。
空気を読まない雨を吸い込んだ服が重たい。
あぁ、すごく、苦しいー。
落ちてしまったらお終いだと、初めて会った時から分かってた。
ローは、世界政府からも目をつけられているくらいの海賊で、欲しいと思って手に入れられなかったものの方がきっと少ない。
そんなローが、たまたま視界に映った私を気まぐれに狙いを定めてしまったから、熱い指で私に触れようとしたからー。
だから、会わないようにしていた。
ハートの海賊団の噂が聞こえる場所には、行かないようにしていたのに、どうして会いに来てしまうのか。
せめて、家には入れないようにしたのだって無駄な抵抗に過ぎなくて、結局こうして、玄関の扉の前で私はローのキスを受け入れてる。
気まぐれに愛して、抱きしめて、それからどうするの。
あと数日もしないうちに、この島を出て行くことは分かってるのよ。
私の気持ちなんて、ローに塞がれた唇の奥に無理やり飲み込まされる。
強引に重ねられた唇が、そっと優しく離れて行く。
閉じた瞳を開ければ、私を見つめるローは頭の先からつま先までびしょ濡れになっていた。
雨に濡れて重たくなった服が肌に纏わりついて、気持ちが悪い。
私が何か言うわけでもなくて、でも、ローが何か言うわけでもない。
でも、途中まででは引き返せるわけがないことは、誰もが知っている常識だった。
だから、ローの前に立ってしまったそのときから、私は拒めるはずがなかったのだ。
玄関の扉を開いたのは、私だったのか。ローだったのか。もう思い出せない。
だって、扉が閉まる音を聞いたときにはもう、私は玄関ロビーに寝かされていたからー。
馬乗りになったローが私を見下ろすから、雨を含んだ髪から雫が幾つもこぼれて落ちて、私の頬を濡らしていく。
始まりの合図のキスを受け入れるために目を閉じようとした、そのほんの一瞬、私はローがニヤリと口の端を上げたのを見たー。
獲物、捕獲完了。
心の中で、無意味だと分かっている言い訳を必死になって自分にしていた。
目の前に立ったローに見下ろされて、私は動けなくなる。
長い指が私の後ろ髪に絡んで引き寄せられれば、視界も、心も奪われた。
閉じた瞼の向こうで、今ならまだ間に合うと、なんとか理性を保ったもう1人の私が叫ぶけれど、急に降り出した夕立が地面に落ちる音ですぐにかき消された。
土埃が舞った匂いで、お気に入りの白いサンダルが悲惨なことになっていることが容易に想像出来た。
「ん…っ。」
唇の隙間から入り込んできた舌に咥内を這い回られて漏れる声を堪えながら、ローの黒いコートの胸元を握った。
ローが私の腰を抱き寄せるから、キスはどんどん深くなっていく。
通り雨のはずなのに、本降りになってきて、腫れるほどの口づけを続ける私とローの身体をあっという間にびしょ濡れにした。
空気を読まない雨を吸い込んだ服が重たい。
あぁ、すごく、苦しいー。
落ちてしまったらお終いだと、初めて会った時から分かってた。
ローは、世界政府からも目をつけられているくらいの海賊で、欲しいと思って手に入れられなかったものの方がきっと少ない。
そんなローが、たまたま視界に映った私を気まぐれに狙いを定めてしまったから、熱い指で私に触れようとしたからー。
だから、会わないようにしていた。
ハートの海賊団の噂が聞こえる場所には、行かないようにしていたのに、どうして会いに来てしまうのか。
せめて、家には入れないようにしたのだって無駄な抵抗に過ぎなくて、結局こうして、玄関の扉の前で私はローのキスを受け入れてる。
気まぐれに愛して、抱きしめて、それからどうするの。
あと数日もしないうちに、この島を出て行くことは分かってるのよ。
私の気持ちなんて、ローに塞がれた唇の奥に無理やり飲み込まされる。
強引に重ねられた唇が、そっと優しく離れて行く。
閉じた瞳を開ければ、私を見つめるローは頭の先からつま先までびしょ濡れになっていた。
雨に濡れて重たくなった服が肌に纏わりついて、気持ちが悪い。
私が何か言うわけでもなくて、でも、ローが何か言うわけでもない。
でも、途中まででは引き返せるわけがないことは、誰もが知っている常識だった。
だから、ローの前に立ってしまったそのときから、私は拒めるはずがなかったのだ。
玄関の扉を開いたのは、私だったのか。ローだったのか。もう思い出せない。
だって、扉が閉まる音を聞いたときにはもう、私は玄関ロビーに寝かされていたからー。
馬乗りになったローが私を見下ろすから、雨を含んだ髪から雫が幾つもこぼれて落ちて、私の頬を濡らしていく。
始まりの合図のキスを受け入れるために目を閉じようとした、そのほんの一瞬、私はローがニヤリと口の端を上げたのを見たー。
獲物、捕獲完了。
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