心配性≪進撃/Mike≫
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調査兵団で分隊長を務め、人類最強の兵士と名高いリヴァイ兵長に次ぐ実力の持ち主。
初めて会う人の匂いを嗅いで鼻で笑うという独特な癖はあるものの、男らしく頼りになる存在で、仲間からの信頼も厚い。
それが、私の自慢の上司。そして恋人のミケ・ザガリアスだ。
でも、多分彼は、恋に奥手だ。
無骨なところはあるけれど、それなりに女性から声をかけられているのを見たことがあるし、そのせいで眠れない夜を何度も数えた。
でも、そんな心配、全く必要なかったのだと、恋人になってから知った。
だって、ミケさんは、付き合って1か月以上経っても手も握ってくれなかった。
ミケさんよりも全然弱い調査兵である私は、このままでは触れることもないまま死んでしまうと焦って、2か月が経った頃に自分から手を握った。
そのときだって、すごく驚いた顔をしたミケさんに、ギュッと握ってくださいと願いしてみたらー。
『それはダメだ。俺が握り返したら、細い指が折れてしまう。』
ミケさんは真剣な顔で言った。
あまりにも真面目に言うのが面白くて笑ってしまった。
3か月が経った頃、また私が勇気を出して抱きしめたときもそうだった。
ギュッとしてください、って可愛く甘えてみたのにー。
『それはダメだ。俺が抱きしめ返したら、細い腰が折れてしまう。』
やっぱり、ミケさんは真剣な顔で言った。
あまりにも真面目に言うから、私はもう笑えなかった。
それでもここ最近では、柔らかく抱きしめてくれるようになった。
そうすると、私はもっともっと欲しくなる。
でも、さすがに、それは自分から誘うのは恥ずかしい。
それに、今までみたいに、私の身体が折れてしまうから出来ないなんて断られたら、恥ずかしいやら虚しいやら、悲しいやらできっと立ち直れない。
だから私は、作戦に出ることにした。
名付けて、湯上り誘惑作戦だ。
シャワーを浴びた後、透けてしまいそうなくらいに薄くて肌触りの良い生地のネグリジェを着た私は、廊下に誰もいないのを見計らってミケさんの部屋を訊ねた。
いつも私の匂いを嗅ぎ分けるミケさんが、ノックをする前に開いてくれた扉から中に入って、今夜はソファではなくてベッドの縁に腰を降ろした。
「お仕事中だったんですか?」
デスクの上に重なっている書類を見つけた。
忙しいのなら、今夜の作戦決行は中止した方がいいかもしれない。
直前になって怖くなった私は、言い訳を探していた。
「今終わったところだ。何か飲むか?」
「あ、欲しいです~。シャワー浴びたら暑くて暑くて…。
もうすっかり夏ですね~。」
緊張と夏の暑さで、額や首筋から汗が滴り落ちていた。
ネグリジェの胸元を指で摘まんでパタパタとさせて、空気を肌に触れさせれば、少しはマシになったような気もする。
(暑ぃ~…。やっぱり今日は止めとこうかな。暑いし。)
適当過ぎる言い訳を考えながら、ネグリジェの胸元から空気を入れ続けていれば、ふ、とミケさんが、ボーッと私を見ているのに気が付いた。
私を凝視しているようで、目の焦点が合っていないような気もする。
どうやら、彼も暑さに頭をやられてしまっているようだ。
「大丈夫ですか?私が飲み物持って来ましょうか。」
「…!いや、なんでもない。すぐに持ってくるから寛いで待っててくれ。」
ミケさんは軽く首を振ると、奥の給湯室へと入って行った。
やっぱり、ミケさんも暑さに疲れているみたいだし、やっぱり今日はやめておく方がいい。
(うん、決めた。)
1人頷いて、今日の予定は2人でダラダラするに決定した。
すぐに、ミケさんがグラスに氷水を注いで持って来てくれた。
夏の暑さでとけてしまいそうだった私は、隣に座ったミケさんからグラスを受け取ると、一気に喉に流し込んだ。
氷に冷やされた水が、ゴクゴクと上下する喉の奥を通り過ぎる度に身体が生き返るようだった。
その時、いきなり私の身体がベッドに背中から倒れた。
驚いた私の指から離れたコップが落ちて、零れた冷たい水が胸元を濡らした。
何が起こったのか分からなかったのは一瞬だけで、私を見下ろす切羽詰まったようなミケさんの熱っぽい瞳を見上げてすぐに状況を理解した。
どうやら私は、あれだけ指が折れるだとか、腰が折れるだとか言っていた途方に暮れるくらいに心配性なミケさんに、無理やり押し倒されたようだ。
「いいか?」
ミケさんは私を見つめてそう言った。
そのはずだったのに、その意味を私が理解したときにはもう唇に噛みつかれていた。
誘惑するためだけに買ったネグリジェがたくし上げられて、あっという間に肌を晒される。
濡れたネグリジェに胸を擦られて、思わず鳥肌が立った。
大きくてゴツゴツした武骨な手が、汗を掻いた肌を撫でまわすー。
私はミケさんの分厚い胸元を必死に押した。
でも、屈強な男達ばかりの調査兵団の兵士達の中でも特にガッシリとした体格をしているミケさんは、私なんかの力ではピクリともしない。
「ミケさん…っ、汗掻いてるので…っ。」
「知ってる。」
「汗の匂いとか…っ、しちゃうから…っ。」
「心配するな。名前はいつもいい匂いだ。」
「でも、あのー。」
「そんな無防備な格好で煽られたらもう止められない。
悪いが、無駄な抵抗だと諦めて、俺に抱かれてくれ。」
ミケさんが私の髪を優しく撫でて、額に唇を落とした。
あぁ、ズルイ。そんなキスをされたら、もう嫌だとは言えないじゃないかー。
それに、今やっと、私は気づいて、嬉しかったのだ。
私達はきっと似た者同士で、大好き過ぎる恥ずかしさを、心配性なフリをしてわけのわからない言い訳で隠してた。
でも、身体のサイズの違いについては、心配しておいてほしかったー。
初めての大きさに驚いて悲鳴を上げる身体に、ミケさんが本当に心配性だったらよかったのにと願う羽目になることを、このときの私はまだ知らない。
初めて会う人の匂いを嗅いで鼻で笑うという独特な癖はあるものの、男らしく頼りになる存在で、仲間からの信頼も厚い。
それが、私の自慢の上司。そして恋人のミケ・ザガリアスだ。
でも、多分彼は、恋に奥手だ。
無骨なところはあるけれど、それなりに女性から声をかけられているのを見たことがあるし、そのせいで眠れない夜を何度も数えた。
でも、そんな心配、全く必要なかったのだと、恋人になってから知った。
だって、ミケさんは、付き合って1か月以上経っても手も握ってくれなかった。
ミケさんよりも全然弱い調査兵である私は、このままでは触れることもないまま死んでしまうと焦って、2か月が経った頃に自分から手を握った。
そのときだって、すごく驚いた顔をしたミケさんに、ギュッと握ってくださいと願いしてみたらー。
『それはダメだ。俺が握り返したら、細い指が折れてしまう。』
ミケさんは真剣な顔で言った。
あまりにも真面目に言うのが面白くて笑ってしまった。
3か月が経った頃、また私が勇気を出して抱きしめたときもそうだった。
ギュッとしてください、って可愛く甘えてみたのにー。
『それはダメだ。俺が抱きしめ返したら、細い腰が折れてしまう。』
やっぱり、ミケさんは真剣な顔で言った。
あまりにも真面目に言うから、私はもう笑えなかった。
それでもここ最近では、柔らかく抱きしめてくれるようになった。
そうすると、私はもっともっと欲しくなる。
でも、さすがに、それは自分から誘うのは恥ずかしい。
それに、今までみたいに、私の身体が折れてしまうから出来ないなんて断られたら、恥ずかしいやら虚しいやら、悲しいやらできっと立ち直れない。
だから私は、作戦に出ることにした。
名付けて、湯上り誘惑作戦だ。
シャワーを浴びた後、透けてしまいそうなくらいに薄くて肌触りの良い生地のネグリジェを着た私は、廊下に誰もいないのを見計らってミケさんの部屋を訊ねた。
いつも私の匂いを嗅ぎ分けるミケさんが、ノックをする前に開いてくれた扉から中に入って、今夜はソファではなくてベッドの縁に腰を降ろした。
「お仕事中だったんですか?」
デスクの上に重なっている書類を見つけた。
忙しいのなら、今夜の作戦決行は中止した方がいいかもしれない。
直前になって怖くなった私は、言い訳を探していた。
「今終わったところだ。何か飲むか?」
「あ、欲しいです~。シャワー浴びたら暑くて暑くて…。
もうすっかり夏ですね~。」
緊張と夏の暑さで、額や首筋から汗が滴り落ちていた。
ネグリジェの胸元を指で摘まんでパタパタとさせて、空気を肌に触れさせれば、少しはマシになったような気もする。
(暑ぃ~…。やっぱり今日は止めとこうかな。暑いし。)
適当過ぎる言い訳を考えながら、ネグリジェの胸元から空気を入れ続けていれば、ふ、とミケさんが、ボーッと私を見ているのに気が付いた。
私を凝視しているようで、目の焦点が合っていないような気もする。
どうやら、彼も暑さに頭をやられてしまっているようだ。
「大丈夫ですか?私が飲み物持って来ましょうか。」
「…!いや、なんでもない。すぐに持ってくるから寛いで待っててくれ。」
ミケさんは軽く首を振ると、奥の給湯室へと入って行った。
やっぱり、ミケさんも暑さに疲れているみたいだし、やっぱり今日はやめておく方がいい。
(うん、決めた。)
1人頷いて、今日の予定は2人でダラダラするに決定した。
すぐに、ミケさんがグラスに氷水を注いで持って来てくれた。
夏の暑さでとけてしまいそうだった私は、隣に座ったミケさんからグラスを受け取ると、一気に喉に流し込んだ。
氷に冷やされた水が、ゴクゴクと上下する喉の奥を通り過ぎる度に身体が生き返るようだった。
その時、いきなり私の身体がベッドに背中から倒れた。
驚いた私の指から離れたコップが落ちて、零れた冷たい水が胸元を濡らした。
何が起こったのか分からなかったのは一瞬だけで、私を見下ろす切羽詰まったようなミケさんの熱っぽい瞳を見上げてすぐに状況を理解した。
どうやら私は、あれだけ指が折れるだとか、腰が折れるだとか言っていた途方に暮れるくらいに心配性なミケさんに、無理やり押し倒されたようだ。
「いいか?」
ミケさんは私を見つめてそう言った。
そのはずだったのに、その意味を私が理解したときにはもう唇に噛みつかれていた。
誘惑するためだけに買ったネグリジェがたくし上げられて、あっという間に肌を晒される。
濡れたネグリジェに胸を擦られて、思わず鳥肌が立った。
大きくてゴツゴツした武骨な手が、汗を掻いた肌を撫でまわすー。
私はミケさんの分厚い胸元を必死に押した。
でも、屈強な男達ばかりの調査兵団の兵士達の中でも特にガッシリとした体格をしているミケさんは、私なんかの力ではピクリともしない。
「ミケさん…っ、汗掻いてるので…っ。」
「知ってる。」
「汗の匂いとか…っ、しちゃうから…っ。」
「心配するな。名前はいつもいい匂いだ。」
「でも、あのー。」
「そんな無防備な格好で煽られたらもう止められない。
悪いが、無駄な抵抗だと諦めて、俺に抱かれてくれ。」
ミケさんが私の髪を優しく撫でて、額に唇を落とした。
あぁ、ズルイ。そんなキスをされたら、もう嫌だとは言えないじゃないかー。
それに、今やっと、私は気づいて、嬉しかったのだ。
私達はきっと似た者同士で、大好き過ぎる恥ずかしさを、心配性なフリをしてわけのわからない言い訳で隠してた。
でも、身体のサイズの違いについては、心配しておいてほしかったー。
初めての大きさに驚いて悲鳴を上げる身体に、ミケさんが本当に心配性だったらよかったのにと願う羽目になることを、このときの私はまだ知らない。
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