優しい恋人≪進撃/Nanaba≫
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ナナバさんは優しい。
いつも優しい。
決して優秀とは言えない成績で調査兵団に入団した私が、ナナバさんの班に配属された新兵だった頃から、ずっと優しい。
あれから数年が経って、どうしても恋心を止められなくなって、勇気を出して、これでもかってくらいに勇気を出して告白をして、恋人になってからも、ナナバさんはすごく優しい。
それはそれは優しい。
誰にでも、優しいー。
今だって、訓練中だというのに、新しく班に配属された可愛い新兵のあの娘に醜い嫉妬なんかして、アンカーを刺し損ねて木から落ちてしまった間抜けな私を助けに来てくれた。
「大丈夫かい?」
地面に降りたナナバさんは、私をお姫様抱っこして、心配そうに訊ねる。
さっきまでずっと、可愛い新兵が「まだ慣れないから教えてください~。」なんて上手におねだりしてナナバさんを独り占めしてたから、やっと私を見てくれたと嬉しく思ってしまった。
そんな自分が無性に虚しくなって、悲しくて、唇を噛んでナナバさんの胸に顔を埋めた。
ナナバさんの優しさに守られて、その優しさに惹かれて、大好きになったはずなのに、今の私はナナバさんの優しさをもう見たくないと思ってる。
「ゲルガー!私の班の子達、見ててくれ!!
名前が怪我をしてしまったみたいだ!!医務室に連れて行く!!」
「え…っ。」
「了解だ!!こっちは任せとけ!!」
「よろしくな!!」
心配してくれたナナバさんに返事もちゃんと出来なかったせいで、勘違いをさせてしまった。
違うと言おうとした声は、大きなゲルガーさんの返事にかき消されてしまった。
それなら、勘違いされたまま医務室に連れて言ってもらおうかな。そしたら、2人きりになれるー。
そんなズルいことも考えてしまったけれど、ナナバさんの優しさを利用することなんて出来ない。
「ナナバさんっ、大丈夫です。ビックリしただけで、怪我はしてませんから…っ。
降ろしてください…っ。」
ナナバさんの胸元を両手で押しながら、私は正直に伝えた。
そんな私を見下ろして、ナナバさんが悪戯な笑みを浮かべた。
「私のサボりに付き合ってよ。
新兵の相手で疲れてしまったんだ。」
ナナバさんはそう言って、ウィンクをした。
誠実で真面目なナナバさんでも、サボりたいと思うことがあるんだー。
新しい姿を見た気がして、凝りもせずに私はドキドキする。
一緒にいられるなら、サボりの理由にされるくらい構わなかった。
むしろ、私は嬉しくてー。
「はい。」
ニッと私が笑えば、ナナバさんが微笑んだ。
いつもの、すごく優しい笑みでー。
いつも優しい。
決して優秀とは言えない成績で調査兵団に入団した私が、ナナバさんの班に配属された新兵だった頃から、ずっと優しい。
あれから数年が経って、どうしても恋心を止められなくなって、勇気を出して、これでもかってくらいに勇気を出して告白をして、恋人になってからも、ナナバさんはすごく優しい。
それはそれは優しい。
誰にでも、優しいー。
今だって、訓練中だというのに、新しく班に配属された可愛い新兵のあの娘に醜い嫉妬なんかして、アンカーを刺し損ねて木から落ちてしまった間抜けな私を助けに来てくれた。
「大丈夫かい?」
地面に降りたナナバさんは、私をお姫様抱っこして、心配そうに訊ねる。
さっきまでずっと、可愛い新兵が「まだ慣れないから教えてください~。」なんて上手におねだりしてナナバさんを独り占めしてたから、やっと私を見てくれたと嬉しく思ってしまった。
そんな自分が無性に虚しくなって、悲しくて、唇を噛んでナナバさんの胸に顔を埋めた。
ナナバさんの優しさに守られて、その優しさに惹かれて、大好きになったはずなのに、今の私はナナバさんの優しさをもう見たくないと思ってる。
「ゲルガー!私の班の子達、見ててくれ!!
名前が怪我をしてしまったみたいだ!!医務室に連れて行く!!」
「え…っ。」
「了解だ!!こっちは任せとけ!!」
「よろしくな!!」
心配してくれたナナバさんに返事もちゃんと出来なかったせいで、勘違いをさせてしまった。
違うと言おうとした声は、大きなゲルガーさんの返事にかき消されてしまった。
それなら、勘違いされたまま医務室に連れて言ってもらおうかな。そしたら、2人きりになれるー。
そんなズルいことも考えてしまったけれど、ナナバさんの優しさを利用することなんて出来ない。
「ナナバさんっ、大丈夫です。ビックリしただけで、怪我はしてませんから…っ。
降ろしてください…っ。」
ナナバさんの胸元を両手で押しながら、私は正直に伝えた。
そんな私を見下ろして、ナナバさんが悪戯な笑みを浮かべた。
「私のサボりに付き合ってよ。
新兵の相手で疲れてしまったんだ。」
ナナバさんはそう言って、ウィンクをした。
誠実で真面目なナナバさんでも、サボりたいと思うことがあるんだー。
新しい姿を見た気がして、凝りもせずに私はドキドキする。
一緒にいられるなら、サボりの理由にされるくらい構わなかった。
むしろ、私は嬉しくてー。
「はい。」
ニッと私が笑えば、ナナバさんが微笑んだ。
いつもの、すごく優しい笑みでー。
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